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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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66話 三人の夜

 『防いでから・・・!』


 俺がそう言いかけると、目の前の男の指からものすごい魔力を秘めた『ウォルキーン』が現れ、その魔法が俺の向かって放たれた。


 『ウォルキーン』を見た瞬間俺は防げないと分かってしまった。だが、それでもこの『ウォルキーン』を直撃で受けたら俺は絶対に死ぬだろう。


 俺は魔法障壁を張って威力軽減を試みたが、魔法障壁に魔法が当たった瞬間、俺は空を飛んでいた。


 なぜ、俺が空を飛んでいるのかはすぐに分かった。俺の張った魔法障壁は破られ、『ウォルキーン』は俺の身体に当たり、俺を空へ飛ばしている。


 『あ"あ"あぁぁぁ!!』


 俺は身体を貫けられないために、身体魔法を限界まで身体に掛けた。


 『ウォルキーン』は勢いを落とすことなく俺を貫こうとしている。だが、今の俺の身体では『ウォルキーン』に抵抗することが出来ない。


 魔力も底をついており、空中ということもあって、手足が使えない。意識がだんだん遠のいていく・・・


 『バァァン!!』


 意識が遠のいていく中、どこの建物に当たったのか分からないが、建物に当たった俺の意識は完全に途絶えた。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 「ふぅ~」


 椅子にもたれ煙草を吸いながら、夜空に輝く星々を見るのはやはりいい。


 王族の件は失敗したが、我々が国を乗っ取ろうとしていることが分かっているなら、これからは裏でこっそりとする必要がない。


 それにしても、パートの奴遅いな。


 小僧の力を見て来るとか言っていたが、いつまで掛かるんだ?まぁ、あいつが力を見る時は、必ず戦闘が起きる。


 力を見なくても、戦闘で殺しちゃってもいいけどな!


 あの小僧が居なくなりさえすれば、必ずアキレア王国の乗っ取りは成功する。


 「ふぅ~」


 もう一服する。


 「バァァン!!」


 な、なんだ!?


 何かが私の家に当たったのか?それにしても、あんな音が鳴るほどの物とはなんだ!?


 外に出てみると、周りに住んでいる富豪たちも外へ出ていた。そして、音が鳴った所は家の裏だったので行ってみると・・・


 「パート!!」


 裏に居たのは、行く前とは姿が変わってしまったパートの姿だった。その姿は行く前とは大違いだ。上半身の服は破れていて、全身から血が出ている。


 「パート!どうしたんだ!」


 パートに近づいて、そうパートに聴いてもパートからの返事は帰ってこない。もしかして・・・


 「マリア!マリア!来てくれ!!」


 私は一心不乱にそう叫んだ。パートが居なくなっては、アキレア王国乗っ取りは不可能!私はもう一度「マリア!」と、叫んだ。


 「モデラ様!」


 「マリア!パートを治療してやってくれ!」


 マリアはパートの姿を見ると、口を抑えてパートから目をそらした。


 だが、マリアはすぐにまたパートの方を向いて、パートに手のひらを向けて回復魔法を使った。


 すると、パートの苦しそうな顔がだんだんマシになってきた。


 よかった。パートは生きているみたいだ。回復魔法は死んでいる者には効かないが、パートに効いているということはパートは死んでいないということ。


 だが、パートがこんな姿になるような相手・・・あ、あの小僧か!!


 パートは小僧の力を見に行った。そして、返り討ちに遭った・・・。あの小僧、何者なんだ・・・?


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 強兵との戦闘をし終わった俺は、斬られた太ももが痛いので治してくれる人のもとへ来ている。その人の名はステナリア・スカシユリ。


 またまた、俺が『空間転移』で転移した所はステナリアの部屋の前。


 ステナリアの部屋の扉を叩くと中からステナリアの声がした。


 「俺だ。俺」


 これが、俗に言うオレオレ詐欺だが、ステナリアは絶対に俺の声を分かってくれる。


 「・・・あなた、誰ですか?」


 あれ?・・・あぁ!遊んでいるのか!付き合ってあげたいが、今も太ももから血が流れている。かなり、傷が深かったらしい。そう感じなかったのも、ステナリアのグーを受けていたからだろう。


 「すまないが、遊んでいる暇はないんだ」


 ・・・ステナリアからの返事が来ない。なら・・・


 「あぁ!痛い、痛い!さっき、斬られた太ももが!!」


 「・・・どうせ、嘘なんでしょ?」


 え・・・。やっぱり、俺には演技の才能はないのだろうか。だが、太ももを斬られたのは本当のこどだ。痛みは口に出る程ではない。


 「いや、マジで斬られた」


 いつもの声でそう言うと、ステナリアは扉を開けてくれた。


 「傷を見して」


 出て来たステナリアがそう言ったので、俺は斬られて血が流れている太ももを見した。


 「!かなり深いわね。どんなことしたらこんなふうに斬られるの?」


 「まぁ、守ってたら斬られたって感じ」


 「痛いのは本当?」

 

 「いや、あまり痛みは感じないな。ステナリアのおかげだ」


 そんな会話をしていると、ステナリアが回復魔法で太ももの傷を治してくれた。やっぱり、回復魔法はすごいな。最近、よりそう思ってきた。


 太ももの怪我が治ったのでステナリアにお礼を言い、『空間転移』で帰る準備をする。転移先はアキレア王国の王宮のベランダ。俺が元々居た場所。


 ベランダを思い出して『空間転移』の準備が出来た。そして、俺の周りが光り出した。


 「ディア!あなたもパーティーに・・・・・・」


 『空間転移』が発動して俺の目の前にはステナリアの部屋ではなく、アキレア王国の王宮のベランダに変わった。


 っていうか、ステナリア最後何て言ってたっけ?

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