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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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65話 強兵と夜に手合わせ

 富豪たちの対応について話し合った後、俺たちは会議室から出た。俺は最後に会議室から出た。


 会議室から王城から出るために階段へ行く。階段に行く途中で窓が開いていて、外の景色を見ると、豪華な馬車がすごい速さで富豪たちが集まる町に行っているのが見えた。


 俺はもしやと思い、索敵魔法を馬車に届くように使ってみると、先ほどまで一緒の部屋に居た人の気配が三人も居た。


 一人はマリノ、もう一人は出て行くときに俺に『ウォルキーン』を撃ってきた強兵ということが分かる。


 俺はここで、これは仕返しのチャンスなのではないかと考えた。


 身体魔法を使い視力を高めて、仕返しの『ウォルキーン』を準備する。


 馬車の毎秒のスピードを計算して、馬車本体を狙うのではなく車輪に当たるように計算する。


 俺は急に速度が遅くなったり、急に速度が速くなったりしないでくれと、思いながら『ウォルキーン』を撃った。


 「よしっ」


 俺の『ウォルキーン』は見事に馬車の左の前輪を破壊した。そして、傾いている馬車から出てきたのは、俺が索敵魔法で感じていた二人と富豪たちのリーダー的存在であったモデラだった。


 あいつの馬車だったのか。まぁ、自業自得ということで。

 

 俺は少し笑いながら三人の方を見ていると、強兵がこちらに向いて来た。目は合っているようで合っていない。


 俺は本当に目が合わないうちに窓から離れて、王城から出て、王宮へ馬車に乗って行った。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 「結構、食ったな」


 俺は腹を叩きながらそう言った。


 ダンジョンに入った昼から今日の昼まで、一度もご飯を食べていなかったのでつい食べ過ぎてしまった。少し、気分が悪い。


 そのため今は、王宮のベランダで気分を落ち着かせるために風を浴びに来ている。


 この風を浴びていると、今まさに国盗りが行われいるなんて思わない。・・・こういう奴も居るとは思わない。


 「俺の魔法を教わりに来たのか?」


 「ふん。この俺がか?」


 俺が風を浴びながら気持ちよくなっていたのに、急に俺のこの気持ちを最悪にまで落とす奴が現れた。


 「何の用だ」


 「戦前のちょっとした手合わせだ」


 強兵はそう言うと、後ろにしまっていたナイフを一振りした。


 あぶねぇー。俺はギリギリでその一振りを避けた。俺が避けた犠牲として、座っていた椅子が斬られて、使い物にならなくなってしまった。


 おのれ!よくも、この高そうな椅子を斬りやがったな!俺のバイガレオへの夢がこの椅子の弁償でなくなるかもしれない。


 「モデラのところへ戻れなくなってもいいのか?」


 「そうなる前には戻る」


 強兵はそう言うと、またナイフを一振りした。だけど、そんな攻撃では俺の物理障壁には勝てない。


 俺は物理障壁を叩き続けている強兵を『ウィルド』を使って、強兵をベランダから屋根へ移動させた。ベランダでは戦場として小さすぎるし、壊しかねない。


 俺も『ウィルド』を使って屋根へ行った。そして、物理障壁を止めた。


 「どうして止めた?それなしでも俺に勝てると見込んだからか?」


 「まぁ、そうなるな」


 俺がそう言うと、強兵は姿を消した。俺は慌てずに索敵魔法を使った。


 「いっ!」


 「チッ!」


 あぶねぇー。索敵魔法を使って強兵が後ろに居ることが分かると、こちらへものすごい速さで来るのを感じた。


 先ほど物理障壁を止めたのに、また使うのは何か嫌だったので避けることを選択した。その結果、太ももが少し切れた。


 切れた所からは、血が流れている。


 「自分の血を見たのは久しぶりだろう」


 「あぁ、久しぶりどころか、初めてだよ!」


 俺はそう言って、身体魔法を使って強兵に近づいた。


 先ほどは目では追えなかった強兵が今では目で追える。


 『魔法空間』から強兵が持っているナイフより少し長いナイフを取り出して、俺は強兵にさらに近づいた。


 「お前も魔法だけじゃ、ないんだな」


 「あぁ、ある人から身を守るために鍛えてるんだ」


 「ふん。物理障壁で防げることが出来るのに、鍛えるのか」


 そして、強兵は「見事!」そう言うと、さらに動きが速くなった。


 俺もそれに合わせて身体魔法をさらに掛けた。


 夜空に星々が輝く中、王宮の屋根では金属と金属がぶつかり合って、素晴らしい音が鳴っている。


 強兵と戦って10分。正直言うと、めちゃくちゃ押されている。


 身体魔法には限度があり、今が俺がこの身体に掛けることが出来る限界。これ以上掛けると、身体が限界突破して動かなくなってしまう。


 それに対して強兵はまだ、余裕がありそうだ。


 「もう限界そうだな。魔法は使わないのか?」


 「それはお前もだろ。お前が使わないと俺も使う気にはなれない」


 俺は先ほど『ウィルド』を使っているが、あれは攻撃目的の魔法ではないのでノーカン。


 「なら、今回はこれで終わりだ。目的が果たせないならここに居る意味はないからな」


 俺の言葉を聞いた強兵はナイフを後ろのナイフ入れに直すとそう言って、手合わせの終了が言い渡された。

 

 「目的は俺の魔法を見ることか」


 「あぁ、俺と同等の魔法を放つことが出来るお前の魔法をな」


 ん?同等とはどういう意味だろう?


 「俺とお前の魔法が同等なのか?」


 「あぁ、そうだ」


 う~ん。なら、こいつにはちょっとだけ力を見せつけてやろうか。


 俺は人差し指を強兵に向けて『ウォルキーン』を撃とうとしている。


 「俺とお前の魔法が同等かどうかは、これを防いでから考えてみろ」


 強兵は?を浮かべているが、俺は構わずに『ウォルキーン』を撃った。


 「防いでから・・・!」


 強兵は何かを言おうとしていたのだろうが、俺の『ウォルキーン』が強兵の魔法防御にぶつかると、強兵は富豪たちが集まる町に吹き飛ばされた。


 富豪たちが集まる町に飛んで行ったのは俺が意図してその方向に飛ばしたから。なぜなら、応急処置をしないと死ぬかもしれないから。


 魔力消費200の『ウォルキーン』は中々の威力だからな。

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