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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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59話 ナノハさんは何処?

 「ストレンダー」これが、30層ボスの名前となった。ルニア、ちゃんと記録しておくんだぞ。


 しかし・・・


 「カッ」


 この骨は誰の骨だろう。ナノハさんを除くと、ナノハさんと一緒にダンジョンへ入っていた人たち、そして魔物たちに付与物を渡していた奴の誰か。


 骨を拾ってみてもいつくらいの物だとか俺には分からない。


 ま、いっか。俺は骨を元あった場所に置いて、31層への扉を開けようとしているカランコエ陛下たちの所へ向かった。


 ・・・・・・

 ・・・・・・

 

 「皆!急げ!居るぞ!ナノハが近くに!!」


 カランコエ陛下は自身に身体魔法を掛けて、迫って来る魔物たちを薙ぎ払って走っている。俺たちも身体魔法でカランコエ陛下を追う。ルニアは走りながら地図を書いている。


 31層に入ってから俺は一度も攻撃を使っていない。全ての魔物をカランコエ陛下が倒してくれるから。


 魔物も層が上がるにつれてレベルが上がっている。それを一人で倒している。何で今まで27層で止まっていたんだ?


 まぁ、陛下がダンジョンへ入るなんて普通は出来ないよな。今回のような非常事態に時以外は。


 そんなことを考えていると32層へ続く道が見えてきた。この31層に居なかったということはナノハさんは32層に居るということ。


 今までは次の層へ続く道の前で少しだけ休憩していたが、今のカランコエ陛下に休憩という文字はないのか、休憩せずにそのまま32層へ続く道を歩き出した。


 俺は立ち止まって『魔法空間』から水を取り出した。ダンジョンに入って俺たちが最後に水分を取ったのが20層のボス部屋前。それ以降は一度も水分を取っていない。水分補給は大事ですよと、言いたい。


 「ナノハ!!居るか!!!!」


 俺は水を飲みながら32層へ続く道を歩いているとカランコエ陛下が急に大きな声で叫んだ。そこで俺は飲もうとしていた水を吹き出してしまった。


 そして、その吹き出した水はルニアの髪に掛かった。


 「すまん、ルニア!」


 俺は手で「ごめん」と、表してルニアへ見せた。


 「それは別にいいが、何で吹いたんだ?」


 「声が聞こえたんだ。しかも、女性の声だったと思う」


 カランコエ陛下の叫び声の後に、確かに女性の声がめちゃくちゃ小さかったが俺には聞こえた。


 「ディア君!その女性は何て言っていたんだ!?」


 先頭に居たカランコエ陛下が最後尾に居た俺の所に来て、俺の肩を掴んで聴いてきた。俺は少し間を空けてカランコエ陛下の目を見て言った。


 「・・・「お父様」と、言っていました」


 俺の言葉を聞いたカランコエ陛下は・・・


 「待っていろ!!ナノハ!!!」


 と、言って走って行った。カタリナもカランコエ陛下と同じような速さで走って行った。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 「このペンダントは距離が近くになるにつれて、色がだんだん濃くなっていくんだ。ほら、私が30層前で見せた時よりも青色が濃くなっているだろ」


 ペンダントが王城で初めて見た時は白色だったが、今では青に近い色になってきている。

 

 今も歩きながら、だんだんと青色に近づいている。


 っていうか、もうそのペンダント完全に青色になっていないか?


 「カランコエ陛下、もうそのペンダント、青色になってませんか?」


 カランコエ陛下とカタリナ、ルニアはペンダントを見た。


 「た、確かに、青色になっている!と、いうことは・・・?」


 カランコエ陛下は俺に顔を向けて来た。


 「と、いうことは・・・?」


 俺はカタリナに顔を向けた。


 「と、いうことは・・・」


 カタリナはルニアに顔を向けた。


 「と、いうことは・・・どこだ?」


 いや、本当にどこだ?


 ここで、ペンダントが青色になるならばナノハさんはここに居るはず。


 「・・・多分、ナノハさんは壁の向こうに居ると思います」


 「なぜ、壁の向こうに居ると思うんだ?」


 「あー、ダンジョンの地面を叩くついでに壁も叩いていたらたまに軽い?ところがあったんですよ。なら、その壁の向こうは空間で何かあると思ったので・・・」


 「ドンッ!!」


 俺がそう言うと、カランコエ陛下は走って壁を叩きに行った。


 あのー、ダンジョン潰れませんかね・・・?


 俺の索敵魔法にはカランコエ陛下、カタリナ、ルニアの三人の気配しか感じない。壁の向こうに居るならこの三人以外の気配も感じると思うんだけどな。


 俺は索敵魔法の範囲を広げたがやはり、気配は感じない。


 「あ!!」


 俺がどうしようか考えていると、カランコエ陛下と同じように壁を叩いていたカタリナがそう叫んだ。このカタリナ声はもしかして・・・


 俺たちはカタリナのところへ集まった。


 「カタリナ!もしかして、見つけたのか?!」


 「はい!お父様!ここを叩いてみてください!」


 カタリナが示した所をカランコエ陛下が叩くと、いつもの音より高い音がした。俺とルニアも叩いたが、確かに軽かった。


 「おぉ!確かに、軽いな!!でも、どうやってこの壁の向こうに行くんだ?」


 「それはもう、拳で行くしかないでしょうね」


 俺はカランコエ陛下にそう言った。


 すると、カランコエ陛下はデルワイスをカタリナに預けて、腕を回した。そして、壁の軽かったところを目掛けて手をグーにして殴った。


 「オラァァ!!」


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