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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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58話 ストレンダー

 俺が倒したマッスルたちに付与物を渡した奴がダンジョン最高攻略28層の記録保持者となる。いや、ナノハさんたちかもしれない。


 もしかしたら、マッスルたちに付与物を渡した奴がナノハさんたちが帰ってこない原因なのかもしれない。


 俺たちはマッスルを倒したことで30層への道を通れるようになった。


 「オォォォ!!!!」


 なんだ!!!!と、思ったらこの声はカランコエ陛下が叫んだ声だった。マジでビビった・・・。俺はびっくりして痛くなった心臓を撫でた。


 「お、お父様!ペンダントが光ったということは!」


 「あ、あぁ!ナノハが居るぞ!この近くに!!」


 二人はペンダントが光るのを見ると、そう言いながら泣いている。そうか、そうか、ナノハさんは生きているのか。それはよかった。俺は蘇生魔法が使えないからな。


 「そのペンダントってどのくらいの距離で光るんですか?」


 「それは分からないがまぁ、2、3層と言ったところだろう」


 と、いうことは最低でも31層。最大で32層まで行かないといけないということ。こちらのペンダントが光ったということはナノハさんのペンダントも光っているはず。進んだりはしないだろう。


 「さぁ、皆!まずは30層のボスを倒さないとその先には行けない。必ず倒してナノハを助けるぞ!!」


 俺たちは30層へ続く道を歩き出した。


 ・・・・・・

 ・・・・・・

 

 「おぉ。これは・・・」


 「ん?どうしたんだ、ディア君?」


 「索敵魔法で扉の向こうに居る魔物の気配を感じたんですが、その魔物の気配が中々に強そうな気配をしているんですよ」


 このボスの魔物も未知の魔物だろう。


 「ディア君が言うほどか。う~ん。だが、どういう魔物かが分からない以上対策しようがないからな」


 カランコエ陛下はそう言うと、扉に手を掛けた。


 「ナノハが攻略したんだ。父として娘に負けるわけにはいかないな」


 カランコエ陛下はそう笑いながら言うと、手を掛けた扉を大きく開けた。扉の先には・・・


 開けた扉の先には・・・あれは、骨か?


 扉の先には、この30層のボスであろうトラに似た魔物とその魔物の前に骨のような物が散らばっている。


 「ガァァ!!」


 トラに似た魔物のボスは俺たちを見つけるとこちらに物凄い速さで走って来た。俺はボスに向かって『エクスレーション』を放った。


 『エクスレーション』は何かに当たるとそこで爆破する。だが『エクスレーション』はボスに当たって爆破した。だが、その爆破の中からボスが出て来た。これってまさか・・・


 そして、俺とボスとの距離が3mくらいになった時にカランコエ陛下と初めて会った時のことを思い出した。


 カランコエ陛下が俺の物理障壁にぶつかった時に俺の物理障壁にはヒビが入った。なら、こいつはどうだ?


 カランコエ陛下以上の体格、こちらへ来るスピード、このどちらもがあの時のカランコエ陛下よりも上だ。


 カランコエ陛下でもヒビが入ったのだから、こいつならヒビどころの話じゃない。物理障壁が破壊されて、俺がボスとぶつかる。ぶつかったら絶対死ぬじゃん。


 俺はすぐに物理障壁に通常の5倍の魔力を掛けた。


 「ウッ」


 ボスの突進には物理障壁で防いだが、俺は吹き飛ばされて壁にぶつかりかけたが、ぶつかるギリギリで『ウィルド』を使い壁衝突は防いだ。


 さっき声は吹き飛ばされた力が強くて、『ウィルド』を使った時の反動が強かったからだ。


 俺は地面に着地するとすぐに3人の物理障壁を俺と同じ魔力消費5倍の物理障壁を張った。


 「大丈夫か!ディア君!?」


 「は、はい。大丈夫ですけど大丈夫ではないです」


 「あぁ。分かっている。あいつには魔法が効かないらしいな」


 ちょっと分かりづらい言い方かと思ったがカランコエ陛下はちゃんと伝わったらしい。


 魔法障壁を付与されている物は、使用者の魔力量に合わせて魔法障壁が発動されるが、使用者の魔力量を超える魔法を放てば付与物は壊れてしまい、付与された魔法障壁は使えなくなってしまう。


 だが、付与などされておらずに魔法が通らないとなると、『エクスプロージョン』などという魔法を撃っても倒せない。俺にとっては詰みとなる相手。


 カタリナ。お前は言ったな、俺が倒した王熊は深層のボスレベルだと。だとしたらこのボスはなんだ。80層、いや、100層くらいのレベルだぞ。


 王熊には魔法が通じたので俺は倒せたが、このボスには魔法が通じない。なら、このボスの方が断然強敵ではないだろうか。


 だが、30層のボスになるからにはそれに似合った理由がある。それは、今目の前で行われている通り・・・


 「ハァァァ!!」


 カランコエ陛下の大剣「デルワイス」でボスの両目を斬った。


 「ガァァァ!!」


 両目が見えなくなったボスはその場で叫びながら走り回っている。壁にぶつかっては跳ね返り、またぶつかっては跳ね返りをずっと繰り返している。


 まぁ、こいつは脳筋なんだろう。カランコエ陛下が両目を斬った時もカランコエ陛下に突っ込んでいき、俺の物理障壁に跳ね返って体制が崩れたところをカランコエ陛下に斬られた。

    

 普通のボスとかだったら俺とぶつかった時に気付いていただろう。俺には物理攻撃が効かないと。


 暴れまわっているボスは壁にぶつかり跳ね返りを繰り返していると、その跳ね返りは俺たちの方へ来た。


 「これで終わらせてやる」


 カランコエ陛下は膝を曲げてデルワイスを横向きに持ち、ボスが来るのを持つ。


 そして、ボスが来るとカランコエ陛下はしゃがんでボスの首の下に入り込み、そのまま横に構えていたデルワイスで下から首を斬った。


 ボスの首と胴が離れるとボスは消えていった。消えていったボスが居たところを見ながらカランコエ陛下は言った。


 「突っ込むことしか出来ない魔物。お前の名は「ストレンダー」だ」



 

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