54話 燃え上がるオークたち
「『ウォルキーン』」
俺が放った『ウォルキーン』は4体のゴブリンを貫いて、壁へ当たって消えた。やっぱり、王熊が強すぎただけらしいな。
3層に入ってから魔物の出現が増えたが、出てくる魔物はゴブリンだけ。
「『ウィルド』」
ルニアへ近づいて来たゴブリンを『ウィルド』を使って、遠くへ飛ばして、ゴブリンは頭を壁にぶつけて倒れて消えた。
ルニアには俺の物理障壁を張っているので危なくはないが、攻撃手段がないルニアに近づいてくる魔物は俺が倒さないといけない。
だるいがまぁ、しょうがない。
「ディア君!来てくれ!!」
ルニアとカランコエ陛下に呼ばれた所に行くと、その先の道は・・・ない。道ではなく海のようになっている。まさか、これが道なのか?
「普段なら泳いで行くのだが、その時間も惜しい。だから、もう『記録球』を使う。魔物もその分多くなるし、強くなるから気を付けるんだ」
「「はい」」
俺たちがそう答えると、俺たちとカタリナはカランコエ陛下に触れ、カランコエ陛下は目を閉じながら『記録球』に魔力を注入し始めた。そして『記録球』が光ると目の前の景色が変わった。
・・・・・・
・・・・・・
「よし。成功だ!ここが、13層だ」
目の前の景色が海の景色から地面のあるものに変わった。
そして、13層に転移すると、カランコエ陛下の手のひらの『記録球』がバラバラになった。・・・これが、一回限りのダンジョン財宝か。
「進もう!」
そして、俺たちがカランコエ陛下の言葉通りに進もうとした。その時・・・
「キィィン!!」
大きな音が突然なった。その正体はカランコエ陛下と剣を交えて鳴った音だ。
「久しぶりだな!オーク!!」
カランコエ陛下はそう笑いながらオークを弾き飛ばした。そして、体制を崩したオークの首を綺麗に切り落とした。
俺たちはカランコエ陛下へ近寄った。下にあるのは首と胴が離れたオークの死体。そして、オークは消えていった。
それと、同時に俺の索敵魔法にも先ほどのオークの気配とゴブリンを気配を感じた。
「来ます」
「「「「「オォォ!!」」」」」
「「「「「ギィィ!!」」」」」
オークとゴブリンはそう叫びながら俺たちに突っ込んできた。
オークとゴブリンの違いは、ゴブリンはダンジョンの床に落ちている石を武器にしている。だが、オークは木の太く長い棒を持っている。これは相性がいい。
俺は突っ込んでくるオークたちに魔力調節して普通の『イグルス』より強い『イグルス』を放った。
「ア"ァァ」
俺が放った『イグルス』はオークに直撃し、オークは燃えて倒れた。だが、これからがこの攻撃の面白いところ。
燃えたオークの持っていた木の棒にもその火が移り、それが後ろの持っていたオークの木の棒にも移った。そして、オークはその火を消そうと木の棒を振り回す。
その結果、他のオークにも燃え移り、振り回されている木の棒に当たったゴブリンも燃えた。これが『イグルス』コンボ。
そして、最終的に全てのオークとゴブリンが燃え、消えていった。ちょっと、うまく行き過ぎたな・・・
「な、何だったんだ今のは・・・?!」
カランコエ陛下やカタリナは目を丸くして、オークとゴブリンが消えたところを見ていた。
「弱点があれば、その弱点を突くだけです」
「お、おぉ!ディア君!君は本当に天才なんだな!!」
「流石、ディア様です!」
ありがとう、ありがとう。俺は二人に手を振った。そして、俺はルニアにも手を振った。すると、ル二から返って来たのは俺たちの後ろを指す指だった。
俺は恐る恐る振り返ると、先ほどよりも倍ほどのオークが居た。でも、ゴブリンの数は少なくなっていた。
オークと目が合うと、オークたちは首を横にして俺たちへ怖すぎる笑顔を見せた。俺たちを獲物として見ているのだろう。
しかし、俺たちは獲物にはならない。俺はオークたちに「来いよ」と、手で挑発した。
「「「「「オ"ォォ」」」」」
オークたちは叫びながらこちらに突っ込んでくる。俺はもう一度『イグルス』コンボをしようとオークたちに向かって『イグルス』を放った。
「ありゃ?」
俺の想定していた光景は、まず、『イグルス』が木の棒に当たり燃え、その火がオークたちを包み込み、オークたちが燃え上がると、いう光景を想定していた。
だが、俺の想定とは違い、『イグルス』を木の棒で薙ぎ払ってこちらに突っ込んでくるオークたち。薙ぎ払われた『イグルス』は壁に当たり爆破した。
あんな木の棒に負けたのか、俺の『イグルス』は・・・
『イグルス』を薙ぎ払うのはまぁ分かる。あの木の棒に何か魔法障壁のような付与をされているのだろう。っていうか、なぜダンジョンのオークが付与された武器を持っているのだろう?誰かに付与してもらったとか?
まぁ、それがどうしたという話である。付与された物は魔力を流さないと発動されない。あのオークが持っている魔力量はしらないが、俺がすることは単純。
『あの付与された木の棒が耐えれないほどの魔法を撃てばいい』
それか、あのオークが反応できない速度で魔法を撃てばいい。
スピード勝負をしてもいいのだが、ここは正面から勝負したい。
火魔法の上級魔法である『イグロス』を使ってもいいのだが、防がれたなら防がれた魔法でやり返したい。
カランコエ陛下やカタリナ、ルニアたちには物理障壁を張っているので心配はない。
俺は魔力調節をして『イグルス』を強くする。
通常消費魔力が5の『イグルス』にその6倍である30を消費して、向かってくるオークたちを倒す。
その時、俺は残り魔力を考えた。確か『空間転移』二回で五百、『エクスレーション』を一回で五十、『イグルス』を二回で十、『ウィルド』を一回で五、『ウォルキーン』を一回で十五、『物理障壁』×三で三十。
・・・残り魔力113。
それに、これから30を消費すると83・・・。ちょっと緩めよ。
俺は30掛かるところを25にした。後で魔力ポーション飲もう。
オークよ。これが、俺のちょっと力を出した魔法だ!!
「『イグルス』!!」




