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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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50話 再び、ステナリアの部屋の前へ

 速度の上がった馬車はすぐにダンジョンの前に着いた。これも、メアロノロス王国の王族専用の馬車だからこそ出来るものだ。


 「じゃあ、ディア君。『空間転移』を使ってみてくれ!」


 俺は遮音結界を耳に張って『空間転移』を使った。俺が考えた場所は、前にルニアと行ったステナリアの部屋の前。


 俺はステナリアの部屋の前を思い出すと、目の前が大きいダンジョンの入り口から、茶色の大きい扉に変わった。


 俺はステナリアの部屋の扉を「トン、トン」と、叩いた。だが、中からの返事はなかった。俺はもう一度叩いたがそれでも返事はなかった。


 う~ん・・・ステナリアは何処にいるのだろう。


 前までのステナリアなら、プロテアの所に絶対居ただろうけど、今のステナリアは昔ほどプロテアと一緒に居るわけではない。


 ステナリアは昔はプロテアを見ると、すぐにプロテアの元へ行っていたが、ステナリアが4年になると、その行為がなくなった。年齢が上がって、恥ずかしくなったのだろう。


 なら、お、お風呂ではないな。うん。マジで何処だ!ステナリアァ!!


 「え、何で、ディアが私の部屋の前に・・・?」


 俺が心の中でステナリアの名前を叫んでいると、横から聞き覚えのある声が聞こえて来た。そう、ステナリアである。


 ステナリアは歩きながら、タオルで長い髪を乾かしていた。俺の風呂予想当たってたのかよ・・・


 「す、ステナリアは風呂上がりか・・・?」


 「え、えぇ」


 やべー。なんでこんなにも会話が続かないんだぁ!これは次に何を話すのが正解なんでろうか?俺は頭をフル回転させた。そして、出た言葉がこれである。


 「髪でも乾かそうか?」


 「・・・お願い・・・」


 俺ってキモイな。自分の部屋の前に男が居て、そいつから急に髪を乾かそうか宣言・・・。これじゃ、ダンジョンに誘うどころじゃなくなるぞ・・・


 ステナリアは俺にそう言うと、部屋の扉を開けて「どうぞ」と、言った。なんでそんなに他人行儀なんだ・・・。俺たち一応は幼馴染だよね・・・。そう思いながら俺は、部屋へ入った。


 幼馴染でも、少し会わなければこうなってしまうのか。インプット、インプット。


 部屋に入ると、前に来た時よりもなんというか・・・女の子ぽい部屋になっていた。昔は、プロテアの関連するもので埋まっていた。落ち着かない・・・


 「では、お願いします」


 「あ、あぁ」


 急に話しかけられて少し驚いてしまったが、ばれてはいないだろう。


 俺はルニアの髪を乾かした時と同じように『イグルス』と『ウィルド』を調節して、右手から魔法で温かい風を出す。


 「何かしてほしい髪形とかあるか?」


 「い、いえ、普通でいいです」


 何か会話をしないとなと、思っているとこの言葉が口から出た。正直、俺はカールしか出来ないから、普通と言ってくれて助かった。


 「なら、最後に簡単なヘアアレンジでもかしようか?」


 「じゃ、じゃあ、お願い・・・」


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 大体乾き始めたなと思うと、『イグルス』の威力を下げる。


 これから、先ほど言ったヘアアレンジに入る。俺の知っていて出来るヘアアレンジは全然ないが、俺が知っていて出来る中でも最も簡単なヘアアレンジをしようと思う。


 「失敗したら、ごめん」


 よしっ。ステナリアから「え」と、声が聞こえたが、これで失敗しても大丈夫になった。


 えーと・・・確かこんな感じだっけな・・・


 そんな感じで曖昧な記憶を思い出しながら、ヘアアレンジをした。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 「わぁ!素敵!」


 ヘアアレンジをし終わって、最後に冷風で仕上げをした。そして、ステナリアに鏡を渡して今の状況ということだ。


 ふぅ~。初めてやったにしては、中々に完成度は高いのではないだろうか。ステナリアの喜んでいる顔を見ると、やってよかったなとすごく思う。


 この世界でヘアアレンジという言葉を知っているのは貴族などの裕福な家くらい。それでも、俺はこの世界でヘアアレンジを見たことが全然ない。


 「ディア、すごいですね!これは、ハーフアップ?と、言うやつですか?」


 「あぁ。編み込みハーフアップもあるんだが、最初はそれに・・・あ」


 「「あ」?「あ」ってなんですか!?」


 あーーーーー。やってしまった・・・


 ディア!お前がここに来た意味を思い出せ!ステナリアの髪を乾かすことでもなく、ヘアアレンジをすることでもない。


 ・・・ステナリアをダンジョンへ誘うためだろう!!


 「ディア!「あ」ってなんですか!?」


 俺はステナリアを無視して、ステナリアの肩を掴んだ。


 「ステナリア、アキレア王国に来ないか?」

 

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