48話 クルミナ学園の三人の超人問題児
「いったぁぁ!!」
「バリッ!」
嘘…だろ?
カランコエ陛下を防ぐために張った物理障壁にヒビが入っている。このヒビを入れたのはカランコエ陛下だ。
「だ、大丈夫ですか!?」
俺は物理障壁を止めて、顔を抑えてうずくまっているカランコエ陛下に近寄った。
「戦前だというのに、こんな所で終わるわけにはいかない!」
カランコエ陛下はそう言うと、ゆっくりと立ち上がった。顔が痛いから、凄く怖い顔をしている。
「お父様、大丈夫ですか?」
「あぁ、大丈夫だ。それより、カタリナ、この男たちは誰だ?特に俺を防いだこいつは・・・」
あ~目線が強い・・・
「お父様を防いだのは、ナノハ姉様を助けるために来てくれたディア・シュラスト様。そして、その横に居られるのが、メアロノロス王国の次期王子であるルニア・メアロノロス様です。お二人はお姉様を助けるために来てくださいました。」
カタリナが俺たちのことをカランコエ陛下に紹介した。すると、カランコエ陛下が俺たちに向かって来た。
「ディア・シュラストとルニア・メアロノロスだと?」
「はい。俺たちがその二人です」
ルニアァ!こんな時は黙っておくのが一番いいんだよ!!なんで、こんな時にその状態なんだ・・・。いつものルニアなら絶対に何も言わなかったのに・・・
だが、俺の予想とは違い、カランコエ陛下は怖い顔がだんだんと笑いに変わっていった。
「ははは!そうか!お前たちがクルミナ学園の問題児の二人か!!」
カランコエ陛下は笑いながら俺たちにそう言った。っていうか、クルミナ学園の問題児ってなんだ?
「お父様はお二人のことを知っているのですか?」
「あぁ、半年前にメアロノロス王国に仕事で行った時に、クルミナ学園の三人の超人問題児について聞いたことがあるんだ」
クルミナ学園の三人の超人問題児・・・。その中の内の二人が俺とルニアなら、最後のもう一人はあいつだろう。
カランコエ陛下は続けて言った。
「一人目は、この世界の魔法を全てを2年でマスターして、それからは、独自の魔法を開発し続けた天才の青目と水目のオッドアイの男子」
「二人目は、その生まれ持った天性の才能を生かし、クルミナ学園生の団結力を高めて、あらゆる行事を成功させて、クルミナ学園に多大な変化をもたらした金目の王族男子」
「三人目は、一国の王女にも関わらず、戦いの中で人の急所を突くのが上手く、生徒や教師を何回も保健室送りにし、その保険室に送られた子を自分で回復させたりした赤目と光目のオッドアイの王族女子」
「そして、最後にロウバイ陛下はその子たちの名前を教えてくれたんだ。その教えてくれた名前が、そのディア君とルニア君だったんだ」
俺たちってそんなふうに言われてたんだ・・・。嫌なようでなぜかうれしい。しかも、俺を「天才」と、言っていたな・・・
「確かに、ディア君なら俺を防ぐにも容易だろう!すまなかったな!怖い顔をして!」
「いえ、俺の方こそ、違う魔法で防げばよかったです」
俺にそう言うと、カランコエ陛下は次にルニアに目を向けた。
「ルニア君も悪かったな。帰って来る道中でカタリナに引っ付いて来た虫かと思ってしまって!」
「い、いえ、そう思われるのも無理はない…と思います・・・」
いや、無理はあるだろ!一国の次期国王が虫扱い・・・
「さぁ!立ち話はここまでして、王宮でご飯にでもしよう!」
カランコエ陛下はそう言って、俺たちの首に腕を回し、階段を降りようとした。
「お父様!私たちはこれからダンジョンへ入ります。ご飯を食べている時間はありません!」
カタリナがそう言うと、カランコエ陛下の身体が止まった。そして、カタリナへ鋭い目が向けられた。
「・・・なぜ、お前まで行こうとする。前回でダンジョンの恐ろしさは十分に味わっただろ!」
「お姉様を助けたいからです!」
カランコエ陛下は「そんなっ」と、言って言葉が止まった。カランコエ陛下の目はカタリナの目を見ている。
カランコエ陛下の赤目とカタリナの青目がぶつかり合っている。
「ふっ、いい目をしている。覚悟は十分に伝わってきたが、本当に行くのか?」
「はい!」
「・・・いいだろう!今日の夜、俺はダンジョンに入ろうとしていたが、変更だ!これから、ダンジョンへ入る!ディア君とルニア君もそれでいいか?」
「分かりました」
「はい。大丈夫です」
カランコエ陛下はそう言うと、謁見の間に戻って行って、ある物を取って帰って来た。それは、高そうなペンダントと大きな剣。
「それは?」
「これは、これを首に掛けている人が近くに居ると光る物だ。ナノハには行く時にこのペンダントを首に掛けておくようにと言ったからな。そして、これは、私の長年の相棒の「デルワイス」だ!」
そんな物があるとは・・・。この世界の技術も中々のものだな。カランコエ陛下が持ってきた剣も普通の人なら持てないような、大きさをしている。これは赤目専用武器なのだろう。
俺たちは、ダンジョンへ向かうために階段を降りて、王城の外へ出た。
そして、俺たちが乗って来た馬車に乗って、ダンジョンの入り口まで向かうことになっている。




