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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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46話 アキレア王国へ入国

 デイジーたちの町を出て3日が経った。ようやく今日でアキレア王国に着ける。


 もう、野宿はしたくないものだ。ルニアも昨日「野宿飽きた」と、言っていた。お前が野宿したいって言い出したんだがな。


 「もうすぐ着きそうか?」


 「はい、あれが見えているということは、後もう少しの証です」


 カタリナの言う「あれ」とは「ダンジョン」のことだ。


 ダンジョンというと、人工物なのかなと、思っていたらダンジョンの外から内まで全て自然に造られたらしい。


 どうやったら自然にあんな大きいダンジョンが出来るのか、俺には全然分からない。


 「ルニア、後もう少しだろうだ。起きろよ」


 俺がそうルニアに呼びかけると、ルニアは横になっていた身体を起こして、窓の外を見た。


 「まだ…着いてないじゃん...」


 ルニアはそう言うと、また横になって眠りに入った。


 「もうすぐ着くんだよ。・・・陛下の代わりとして来ているのに、寝起きで対応したらメアロノロス王国に傷が付くぞ」


 俺のちょっとした脅しが効いたのだろう。ルニアは起き上がった。


 「それは確かにそうだ」


 起き上がったルニアはそう言いながらも、今にもまた眠りそうだ。


 「ルニア見ろ。あれがダンジョンだ」


 眠りそうなルニアの意識を覚醒されるにはこれしかないだろう。俺はルニアにそう言って、ダンジョンを指さした。


 「ダンジョン?・・・!」


 ルニアは目を擦りながら俺が指をさした所を見た。そして、少しの沈黙の後、ルニアは意識を覚醒したらしく、窓を開けてダンジョンの姿を見ていた。


 「あれが、ダン…ジョン・・・デカすぎるだろ!!」


 ルニアが窓の前に立って、ダンジョンを見てはしゃいでいると、この馬車を引いているロオが俺たちに言った。


 「皆さま!少しの間揺れますので注意してください!」

 

 ロオの言葉通り、馬車がめちゃくちゃ揺れ出した。


 ルニアは、馬車が揺れ出した時は立っていてバランスを崩したが、そのバランスを崩した所がルニアが眠っていた席だったので、ルニアに怪我はない。


 それにしても、下りでこんなに揺れるなんてここ危なすぎだろ。古い馬車なら、下りでこの揺れは耐えきれずに車輪などが取れているだろう。


 しかも、その揺れは長いこと続いている。この馬車は流石に壊れないよね・・・


 俺は念のために物理障壁を身体を覆う鎧を想像して張った。そして、張った瞬間に馬車の揺れは治まった。


 俺はせっかく張った物理障壁をすぐに止める結果になった。まぁ「物理障壁があったおかげで」状態にならなくてよかった。


 馬車の揺れが治まって、俺はカタリナに聴いた。


 「カタリナはこの道を通って来たのか?」


 「はい。でも、私が通った時はこんな揺れなかったです」


 え、じゃあ、これは、アキレア王国へ来る俺たちへの罠だったのではと、俺は考える。


 アキレア王国の富豪たちが、帰って来るカタリナに怪我を負わすために、このガタガタ道を作ったのかもしれない。


 カタリナを見ると、顔が真っ青だ。カタリナも俺と同じことを考えたのだろう。


 「カタリナ、大丈夫だ。お前は俺たちが守ってやる」


 「は、はい。ありがとうございます...」


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 「もうすぐ、アキレア王国に到着します!」


 よくやくか・・・


 俺は背伸びをして、心を落ち着かせていた。俺は元はメアロノロス王国に秘書体験として来ていた。今は、ルニアの秘書となっているので、これからはルニアのために裏方として動かないといけない。


 シュラスト家の秘書の心得には「秘書は陰で上司を支える。決して表に立つな」と、ある。これには、俺の秘書の心得にも同じことが入っている。


 ダンジョンの方は俺がやるしかないが、アキレア王国を助けるのは、ルニアに表立ってもらって俺が裏でルニアのサポートをして、アキレア王国を救うという流れだ。


 カタリナは一緒にダンジョンに入ってもらうことになっている。


 「ルニア、お前に掛かっているぞ」


 ルニアはプレッシャーを掛けられた方がいい結果が出ることはクルミナで十分に見ている。


 「あぁ!任せろ!」


 ルニアがそう言うと、窓を「トン、トン」と、叩かれた。この馬車の窓はマジックミラーになっているので、俺たちは見えているが外からは見えない。窓を叩いたのは鎧を着た男だ。


 アキレア王国の入り口の門番だろう。俺たちは窓を開けた。


 「カ、カタリナ様!お帰りになったんですね!!」


 「は、はい。皆さんには、ご迷惑をお掛けました」


 カタリナがそう言うと、門番の男は豪快に笑った。


 「いやいや、ナノハ様を救うためにお一人でメアロノロス王国に行ったんですから、迷惑なんて全然掛かってませんよ!!」


 門番の男はそう言うと、俺たちに視線を移した。


 「じゃあ、この人たちがナノハ様を助けてくれる人たちですか?」


 「はい。私の隣の人は、ディア・シュラスト様です。そして、私の前に居る人はメアロノロス王国の次期国王ルニア・メアロノロス様です」


 「「「「「えぇぇ!!!」」」」」


 アキレア王国の入り口は、馬車と歩き専用の入り口があり、門番の人だけでなく、歩き専用に居た人たちも驚いている。


 「もう、通っていいですか?」


 「も、もちろんです!どうぞ!」


 カタリナの質問に門番の男はそう答えると、馬車が進みだした。アキレア王国、入国!

 

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