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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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33話 そうじゃん、金目持ってんじゃん

 「ルニア、起きろ」


 アホな顔をしながら寝ているルニアに俺はそう言った。


 「ん」


 「早く起きろ。もうすぐ出発するぞ」


 俺がそう言うと、ルニアは意識がしっかりしない中、目をこすりながら起き上がった。こいつ、本当に朝弱いな。


 クルミナでの生活でも、こいつは登校するギリギリまで寝ていて、朝食を食べずに登校が毎日だった。早く起こしたこともあったが、またすぐに寝て結局いつもと同じ朝食を食べずギリギリ登校になった。


 俺はルニアが眠っていた寝袋を『魔法空間』しまって、馬車がある逆方向へ歩いているルニアを連れ戻して、馬車に放った。


 「カタリナ、行くぞ」


 「はい」


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 森の中だが、整備されているので揺れることがない。俺たちは馬車の中で朝食を食べている。人間はやっぱり朝食を食べてからが1日の始まりだ。


 朝食は昨日の様な時間がかかるものではなく、何もせずに食べれるパン。


 馬車を引いている人は、先にパンを渡しておいたのでもう食べ終わっているだろう。


 1人1人、個人のタイミングで「いただきます」を言ってパンを食べ始める。馬車内はまだ、意識を覚ましていないルニアのおかげで、パンをちぎる音しかしない。


 「カタリナ、ダンジョンってどんな難易度なんだ?」


 「な、難易度ですか...言葉にするのは難しいですか、1つだけ言えることがあります。・・・気を抜くと一瞬で死ぬということです」


 カタリナの声の重みが違った。俺の身体も一瞬震えた。ルニアは・・・食べながら寝ている。


 「カタリナは入ったことあるのか?」


 「はい、何度かナノハのパーティーに同行したことがあります。その時は何も出来ず、ナノハのパーティーメンバーに守られてばかりでしたが...」


 あんな動きが出来るカタリナでもダンジョンに入ったら、何も出来ずに守られて終わるのか...そんな所に実戦経験0の俺を入れるのは正解なんだろうか...


 「そんな所に俺が入っていいのか?」


 「はい!何も出来なかったと言っても、私でもダンジョン内の魔物はかなりの数を倒せたので、ディア様なら必ずいけます!」


 「ハッ!」


 カタリナの勢いのすごい力説で眠っていたルニアが起きてしまった。2度目のおはよう。


 う~ん、まぁ、ずっと物理障壁を張っとけばいいか。ただ、俺も魔法を使って魔物を倒すので、物理障壁や魔法障壁をずっと張っておくのも魔力が減っていくだけなので、出来れば障壁は物理障壁だけを張りたいな。


 なぜなら、俺は魔法と物理の攻撃なら物理攻撃が苦手だからだ。


 「ん。何の話をしてたんだ?」


 起きたルニアは寝ながら手に握っていた食べ残しの朝食のパンを口に入れながら、腕を伸ばして聴いてきた。


 「お前、そのパン、硬くないか?」


 ルニアがパンを噛む度に、硬い物を噛む音がしてくる。


 「硬いが…美味いからいい!」


 ルニアはそう言って、パンを飲み込んだ。毎日、美味い料理ばっか食っているのにこのパンが美味しいと思えるとは、良い舌を持っているな。


 「それで、2人でどんな話をしてたんだ?」


 「ダンジョンの話だよ。ルニアには関係ない話だな」


 剣も魔法も平凡とも言えないくらいのルニアがダンジョンなんて入ったら、一瞬で死ぬ。いくら俺でも死んだ人間を蘇らせる魔法は開発できない。


 「なぜだ?俺は『金目』を持った超人だぞ。ダンジョンメンバーの指揮は任せろ!」

 

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