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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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27話 カタリナ、そして『アキレア王国』のため

 こちらに振り返り、突っ込んできたカタリナの右手には小さなナイフ。俺は咄嗟に物理障壁を張った。


 「キィィンッ!!」


 刃の先端と物理障壁がぶつかると耳が痛い音がした。カタリナは物理障壁に攻撃を防がれると次に、後ろに回していた左手で『イグルス』を俺に放ってきた。


 俺はぎりぎりで魔法障壁を張って防ぐと、カタリナはジャンプして後ろに下がった。俺はそれを見て、この部屋に入ってくるときに開けっ放しにしておいた扉から逃げようとしたが、その扉が閉まっていた。


 「魔法の同時発動に障壁の張るスピード・・・とても素晴らしい」


 これは褒められているのか?しかし、これは反撃してもいいしてもいいのだろうか。もし、していいなら『拘束』で捕まえたいんだが…


 「反撃はしないのですか?」


 「していいんですか?」


 俺の心の質問にカタリナが答えて来た。やっぱり、この人怖すぎ…


 俺はカタリナから反撃していいと許可されたので俺は先ほどカタリナが使った『イグルス』を俺も使った。魔力を調節して…


 俺の『イグルス』をカタリナは魔法障壁を張って受け止めようとした。普通の『イグルス』なら防げるかもしれないがこの『イグルス』は普通の『イグルス』ではない。


 俺の『イグルス』を見ると、驚きながら笑っていた。


 そんなカタリナに俺は気にもせず、『イグルス』をカタリナに向けて放った。


 「パァン!!」


 俺の『イグルス』はカタリナの魔法障壁を軽々と破壊した。そして、俺の『イグルス』は魔法障壁を破壊してもなお、カタリナへ進み続ける。


 迫ってくる『イグルス』にカタリナは笑いながら居た。そして、カタリナと『イグルス』との距離が20cmを切った。だが、カタリナに動く気配はない。


 カタリナは死を望んでいるかもしれないが、俺は殺人などしたくないので、カタリナと『イグルス』との距離が10cmになると『クリア』を使った。そして『拘束』という魔法を使った。


 俺の『拘束』に捕まって転げたカタリナはこの状況でも笑っていた。


 「合格です」


 「・・・今、なんて?」


 「合格と申しました。なので、この縄を解いてください」


 こいつ、図々しいにもほどがあるだろ…


 「君は今、俺を殺そうとしたよね。なら、拘束を解くわけにはいかない」


 俺はカタリナに分かりやすく話した。それを聞いたカタリナは顔を下に向けた。


 「・・・これには事情があるのです」


 下を向いたカタリナは今にも泣きそうな声で言った。だが、演技の可能性もあるので警戒しながら話を進めることにした。


 俺はカタリナの手の届くところにあるナイフを足で遠くにやった。


 そして、拘束されて転げているカタリナの前に椅子を置き、椅子に座り足を組みながら話を聞くことにした


 「では、その事情を聞くとしようか」

 

 俺がそう言うと部屋の扉が開く音がした。


 「その事情は私が言おう」

 

 その言葉はカタリナからではなく、閉じられていた扉を開けてこちらを見ていた陛下だった。


 陛下は俺にそう言うと、真っ暗な俺の部屋に入ってきて、俺の前まで来ると急に謝罪をしてきた。


 「すまない。今回の出来事は私が考えたものなんだ」


 「だとしたら、陛下は俺を殺そうとしてきたということ…」


 俺はそう言って、右手を陛下に向けた。それを見た陛下は物凄い速さで首を振った。


 「違う!違う!ディアを殺そうなんて思うわけがないだろう!今回はカタリナ、そして『アキレア王国』のためなんだ」


 カタリナ、そして『アキレア王国』のため・・・?

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