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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
秘書体験

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25話 ステナリアの治療

 俺たちはステナリアに用意された椅子に座って、今回会いに来た理由を話した。


 「それで、何で出て行った人が戻ってきたんですか?」


 「出て行ったって・・・ステナリアには、こいつの頬を直してもらいたくてここに来た」


 俺はステナリアの前にルニアを出した。


 「助けてください、ステナリア様」


 「ルニア君もこう言ってるんで、なんとかお願いできないでしょうか?」


 俺はルニアの頭を後ろから掴んで、ルニアの首を直角90度に折った。もちろん、俺はしていない。


 ステナリアは90度のルニアじゃなくて、俺の方を「じー」とずっと見てくる。見てあげてくれステナリア、こいつの勇姿を。


 「・・・向こうの王宮にも回復魔法を使える人が居るのでしょ?」


 「いや、今日は緊急で光目が召集されて、王宮に居る人もそこに行ってしまって居なかったんだ」


 ルニアも俺が首を90度にして折っているが、それでも必死で頷いてくれている。


 「・・・はぁ、分かりました。治しましょう」


 よしっ。俺はルニアを解放すると同時に、ステナリアが質問したいと言ってきた。さぁ、どんな質問でも答えてあげよう。


 「なぜ、こんなふうになったんですか?」

 

 ・・・え。


 俺はあのバカな出来事を自分で言うのが嫌なので、ステナリアからの質問の回答はルニアに任せることにした。


 「バァ"ン!!」


 ルニアの頭を軽く叩いたつもりだったが、想定よりも何倍も大きな音が鳴った。それほどルニアに対してストレスが溜まっているのか俺は...


 ルニアは「イタッ!!」と言いながら俺に叩かれた頭の部分を抑えながら俺の方に向いてきた。



 俺はこちらに向いてきたルニアに「お前が言え」というような圧をかけた。そうするとルニアは小さい声で「はい...」と言って戻って行った。


 「・・・父さんをディアと勘違いしてほっぺすりすりを5分間続けたらこうなってしまいました」


 「ディアをあの髭だるまと勘違い...」


 ステナリアの口から結構凄い言葉が出てきて、ルニアが驚いているとステナリアは立ち上がり、指を1本ずつ丁寧に鳴らしていく。


 その姿に俺は懐かしさを感じていたが、ルニアは凄く怯えている。なぜなら、このステナリアの行動は俺たちが死ぬ一歩手前まで殺る時の儀式である。


 今の俺はこの行動が全然怖くない。なぜなら、今の俺には回避手段や防御手段を色々と持っているから。


 「ただ、ルニア、私の回復魔法は痛いかもですよ?」


 ?回復魔法で痛いなんて聞いたことがないが…まぁ、ルニアなら行けるか。


 そしてステナリアの「殺人一歩手前儀式」が終わったので、これからルニアはステナリアに回復される。


 ステナリアはルニアの前に座り、両手をルニアの頬に持っていき狙いを定めていた・・・。俺はルニアの後ろで目をつぶって手を合わせた。これからルニアに起きる災いでルニアが死にませんようにという祈り。


 「パァァン!!!」


 狙いが定まったステナリアから放たれた「ステナリアビンタ」がルニアの頬からイッッッタそうな音を鳴らさせた。


 俺はその音を聴いた瞬間、股が震えた。


 「イッッッタァァ!!!」


 「黙れ」


 ルニアが叫ぶとステナリアから俺が今までで聞いたことのないどすの効いた声が出てきて、俺は耳を遮音結界で防いでおこうと決めた。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 ・・・あれから何分経ったのだろう…。俺の体内時計ではちょうど10分が経った。でも、まだステナリアの治療は続いていると思う。


 だが、流石に終わっただろと思い俺は目を開き、手を合わせるのを止めて、遮音結界を止めて、全装備を解除した。


 そして俺の考えが合っておりステナリアの治療は終わっていた。


 ルニアの顔は後ろからだと分からないが、ステナリアは目のハイライトが戻っており、気持ちよさそうな顔になっていた。


 「ディア、終わりましよ」


 「は、はい」


 こ、怖すぎる…。今のこいつには俺の最強結界も破られそうな気がする。


 「でぃ、あ...」


 あ...。ルニアはゆっくり俺の名前を呼びながらこちらに振り向くと、めっちゃ泣いていた。だが、痛そうな頬の赤さはなくなっていた。


 俺はここから早く立ち去ろうと考え、立ち上がり、ルニアの服の襟を握って、ルニアを引きずりながらステナリアに「ありがとう。この礼はいつの日か」と言って早歩きでステナリアの部屋を出て行った。


 「でぃあぁ~」


 「あぁ、言わなくても分かる。辛かっ「お前は愛されているなぁ~」た…よな...?」


 「ん、なんか言ったか?」


 「いや、言ってないけど...」


 「愛されているな」とはどういうことだろうか…。


 「俺はこの10分間にお前たちの絆の深さに感動した!!」


 あれ?この涙はステナリアからの拷問のせいで出た涙ではなかったのか?絆の深さって…あいつ、こいつとどんな会話をしたんだろう…


 「ディア、帰ろう!!」


 「あ、あぁ、分かった」


 こうして謎のステナリア治療は無事に終わって、俺たちはメアロノロス王国の王宮のリビングに『空間転移』で帰った。


 

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