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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
竜消滅未懸大戦

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170話 今の主人公と昔の主人公

 『おい!たかが人間一匹になに手こずっている!世界征服以前にこのままだと全滅するぞ!?』


 そう言ったのは、ファスターと話していたファイアドラゴンの族長。

 

 ファスターのデバフによって弱体化したドラゴンたちを、バフによって最強だったのが更に最強と化したディアに次々と殺されていた。


 ・・・ドラゴンたちはディアのような人間を初めて見た。

 

 ファスターに支配される前にドラゴンたちが見てきた人間は、自分たちドラゴンという圧倒的な生物の前で抵抗することが出来ない。ドラゴンからすれば、食べ物を生産でき、安易に獲得出来る大量のエサとしか思っていない。


 それが今、自分たちを相手している人間は、自分たちに抵抗するどころか、たった一人でドラゴンという最強種族を滅ぼそうとしている。


 これは、バフ状態のディアがドラゴンを圧倒できる力を持っていることもあるが、ドラゴンたちに掛けたデバフの判断力低下が、過去に培ってきたドラゴンたちの戦闘経験を無いに等しいものにしている。

 ディアもそれなりに戦闘経験は豊富で、その経験が青目で更に強化されるが、最強種族ドラゴンとは生まれ持ったものが違う。その差を埋めるどころか、ディアがドラゴンたちの戦闘経験を越えてしまった。さらに、現在進行形でディアは自分が体験したことのない戦闘を経験している。


 『お前らに教えてやる。人間の数え方はにんだ』


 ディアは自分に限界まで身体魔法を掛けて、ドラゴンの頭部目掛けて殴った。

 ディアのこの行動が、ドラゴンたちに余裕があるということを示している。


 『あ・・・やっぱり、殴っては無理だよな』


 ディアに殴られたドラゴンは、防御力低下、生命力低下による弱体化が入ってはいるが、流石に武の経験が少ないディアでは、頭部が少し凹むくらいで死ななかった。

 これがもしカランコエ陛下やステナリアなどの武の最強者たちなら、ドラゴンの頭部が原型のないくらい凹むか、頭部が胴から離れていたかもしれない。


 『舐めるなよ!人間一匹ガァ"ァァ!!』


 ドラゴンを倒すのに適しているのは魔法だ。なぜなら、そもそも剣などの物理武器では到底ドラゴンを倒せない。猛者でも死を覚悟して傷をつけるのがやっと。致命傷などは到底付けられない。

 魔法は遠距離から放つことが出来、『レイ』などの強力な魔法で倒すことが出来る。 

 だからドラゴンにとって、自分たちを物理攻撃できる間合いに入られたことだけでも許しがたいことだ。だが、それから攻撃を与えらるまで繋がれたのなら、許しがたいなど優に超え、理性がふっとぶくらいの怒りが生まれる。 


 自分たちを脅かす存在をドラゴンは許さない。それが最強種族という称号を保つための道だ。


 ドラゴンたちは己の体に魔力を流す。すると、体の大きさは変わらないが、その内に秘められている力が膨れ上がったをディアは感じた。さらに、ファイアドラゴンは赤色がマグマのような燃える色に。スノードラゴンは白色がさらに輝きを増し銀色に。ストームドラゴンは鮮やかな緑が深緑に。

 そして、鋭い爪が長くなり、鋭くなった。


 『我らドラゴンが最強種族となったのはこの強靭な体!そして、この鋭い爪だ!!魔法などただ付いてきたにすぎない』


 ディアはその言葉を聞き流しているが、内心ではムカついていた。

 別に魔法のことなんて聴いてないのになんで言った?「魔法はただ付いてきた」だけだって?何、話の流れでしれっと自慢してきてんだよ。

 

 『この高貴な爪は我らの壁の前に立ち塞がる奴らにのみ向けてきた。・・・認めたくはないがそうはいかないな。お前を我らの敵と認めよう』


 『それは光栄なのかな?まぁ、お前ら程度に認められても何も嬉しくなんだがな』


 『・・・お前は怒らせるのが得意なのか?』


 『アッ、でも、一応世間では最強種族で通ってるからすごいことかも』


 ファイアドラゴンの族長の言葉を華麗に受け流し、ディアは更に言った。

 

 そして、ディアの挑発に我慢できなかった一頭のドラゴンが、今まではお遊びと言うかのような速度でディアに向かって来た。

 ディアはその行動に笑みを浮かべた。まるで、自分の思い通りに物事が進んでいることに。


 「・・・『レイ』」


 ディアが放った『レイ』は、ドラゴンたちご自慢の体を一瞬にして貫通した。その光景をドラゴンたちは冷静に理解した。


 『やはり、我らの前に立ちはだかるのは奴らは一筋縄ではいかないな』


 『何、主人公サイドみたいな言葉言ってるんだよ。お前らは、この世界の全生物を敵に回したんだよ』


 『・・・一昔前までは、ドラゴンたちがこの世界の主人公だった。挑戦者から全ての生き物の頂点に立ったからな。だがそこに、エルフやシュウリュウ、ドワーフや獣人や人間が続々と誕生し、その者たちのおかげで文明が発達した。その文明を壊してやると考えたこともあったが、この美しい物を何の思いもなしに壊すことは出来なかった。だから、我々は邪魔のならない所に住み始めた』


 正直どうでもいい話だが、ファイアドラゴンはまだ話したそうなので一応聞く。


 『ドラゴンを除いた中での最強生物であるお前は、この世界の今の主人公であろう。そして、我らは昔の主人公。今の主人公を倒したら、我らは再びこの世界の主人公になれる』


 『昔は正義だったかもしれないが、悪に堕ちていった今のお前たちに、本当の正義は倒せないよ』


 俺がそう言うと、全ドラゴンの目つきが変わった。俺を倒すべき敵と認識したようだ。

 ・・・遅くね?

 まぁ、そのおかげで半分以上のドラゴンを倒せたんだからいいか。


 『ディア、今までのような動きだと一瞬で死ぬぞ』


 『分かってる』


 もう普通の目じゃ追いつくことは出来ない。常に身体魔法を掛けとかないと、一瞬で間合いを詰められて死ぬ。

 ・・・はぁ、いつもギリギリだなぁ。

 

こいつは防御が低すぎてすぐに死んでしまうかもしれないな。

おいしねよーーーーーーーーーー(女子)


ああ,あれは!ア滑日留守!ドラゴンを人差し指で(男子)


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