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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
竜消滅未懸大戦

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162話 人間とドラゴンの戦争

 『ドラゴン退治』の途中で分かったことがある。いや、何となくだが分かっていた。だからか、別に悲しいと言ったマイナスな気持ちにはなれなかった。


 ワーダスト軍の中に、昔よく見た独特の軽装備を着た魔法師たちが魔法を放っている。

そして、その魔法放っている相手は、一応今は俺たちの仲間であるバヴとウヴ。


 バヴとウヴは二人で魔法士二十人以上を相手にしている。しかし、戦況は二人が劣勢。

 その理由は魔法師たちが着ている装備にある。

 

 俺はあの独特な軽装備を持っている。過去にヤマモエッジで参加した大会の優勝賞品のおまけとして国王がくれた。

 普通は魔法師団と騎士団の定めている実力に達したら授与される物らしい。

 見た目は黒い手袋に、装備と言えるのか分からない程の薄い服。服の色はその人の好きな色に出来るので、俺は白にした。

 

 見た目は貧相。でも、そこは「魔法王国」と名乗っている通り、アルスたちはどうか分からないが、他の国では絶対にできないような高レベルな付与がされている。この装備を着た時の安心感はすごい。

 どうやって、この付与をしているのか俺には分からない。魔法王国ヤマモエッジにしか出来ない秘技の付与。


 付与の仕方はもちろん教えてくれるわけもなく、教える条件として『ディアがうちの国に属してくれたら全て教えてやる』と言われたので、きっぱりと断ってきた。

この国に属してしまったら、俺はヤマモエッジという国のモルモットになるのは目に見えていた。それに、上から目線だったのが少しイラついたからでもある。「教えてやる」ってなんだよ。


  このことが原因してなのか、付与されている内容は所々教えてくれたが、全部は教えてくれなく、『後は自分で確認してみてくれ。ディアなら絶対にこの付与に驚く』と言われた。


 そして、この装備を着て魔物と戦っていると、付与されている効果が分かった。

なんと自動治癒、そして少量だが魔力が回復した。俺からしての少量なので、皆からすれば十分魔力は回復する。


 ここで、俺は考えてしまった。

 このような魔法師の欠点を全て補う装備を使ってしまったら、俺は死ぬかもしれないと思った。


 魔法師や戦士の欠点は光目だけが回復魔法を使えること。そして、唯一回復魔法を使うことが出来る光目の欠点は、魔力まで回復出来ないとこ。


 この二つの欠点が一気になくなる。・・・ステナリアの大きな魅力である回復魔法が、小さな魅力になってしまう。

 こんな事がステナリアにバレたら、まずはボコボコの刑。次にギタギタの刑。最後に奴隷の刑。

 ・・・うん。見つかったらダメだ。


 そう決めて、ステナリアだけにはバレたくないので、この装備はルニアに預けるとこにした。

 メアロノロス王国の宝物庫は、メアロノロスの王家しか入ることが出来ない。ここ以上に安心出来る隠し場所はない。


 そして、俺の『ハラハラドキドキ!死ぬまでの一時間!!』は、無事に過ぎ去った。


・・・・・・

・・・・・・


 そんなとても悲しいことがあって今、俺たちはファイアドラゴン、スノードラゴン、ストームドラゴンのほぼ真下に居る。

 論理的に考えて、ドラゴンから身を守るのに一番安全なのはその危険な奴の真下なのだ。

 だって、あいつら体デカすぎて真下なんて見えないだろ。首も短いし。


 それぞれ広範囲で炎、吹雪、暴風のエリアが出来ている。この中で普通の人は生きていないと思う。

  まだ、黒目街までドラゴンの被害はいっていないが、これは時間の問題だな。


 ドラゴンは以外にも集団行動が主体なのか、それぞれファイアドラゴン、スノードラゴン、ストームドラゴンで一つのチームが組まれている。

 おいおい、最強種のドラゴンに勝ち目があったのは、ドラゴンは個人で戦うと思っていたからなのに、そんなドラゴンに協調性なんてあったら勝てないぞ。


 「勝てる?これ。」


 ドラゴンが居る上空を見ながら、ステナリアは俺に聴いてきた。

 ステナリアにとって、ドラゴンとの戦いはこちら側がめちゃくちゃ不利だ。図体は大きくて狙いやすいけど、なんせ空を飛んでいる。だから、ステナリアの拳が届かない。


 「まぁ、頑張ったら勝てるだろ。トゥルホープが居るから、怪我や魔力切れに関して心配いらないからな」


 俺が軽いテンションでそう言うと、ステナリアはため息を吐いて、肩を落とした。


 「私って何なんだろうね。ドラゴンに攻撃も出来なければ、回復魔法もトゥルホープが居るから・・・」


 「いやいやいや!それは俺の話だろ?ステナリアはワーダスト軍を相手してもらいたいし、負傷者を回復してほしいから、ステナリアは必要だよ」


 ステナリアは自分を卑下することが多々ある。そして、気持ちが戻るまでかなりの時間が要り、その間は何事にもやる気が無くなってしまう。

 この戦場でそんなことになってしまったら本当にまずい。

 ステナリアは自分を卑下しているが、ステナリアが居るといないとでは戦力が違い過ぎる。


 だから、俺が今言ったことは、ステナリアの気持ちを保たせるための言葉てはなく、俺が本当に思っている本心。


 俺の言葉を聞いたステナリアは、落とした肩を上げ、黒目街がある方へ何も言わず走って行った。


 ステナリアが見えなくなると、俺はドラゴンを見上げた。そして、こんな事を思った

 

 「ワーダストとの戦争なんて小さく思えてきたな」


 人間がドラゴンを操って戦うなら、数頭のドラコンを相手しても勝てる自信がある。なぜなら、人間が操作するので、その操縦者を倒せばいいし、契約しているドラゴンは感情が薄いらしいので、自分の意志で攻撃出来ない。

 だが、ドラコンたちが自分の意志で攻撃出来るとなると、絶対に全員が怒りの感情を抱いているから、普通の攻撃の何倍も威力は高まる。


 これはもうトゥルホープを守るための人間同士の戦いではなく、『人間』と『ドラゴン』の未来をかけた戦いだ。


魔法師なんすね・・・

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