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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

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155話 活力無き目

しばらく書いてなかったからか、指が全然動かなかった・・・

あの時の自分がどんな内容を書きたかったのかがマジで分からなかったです。なので、ゼロから!

 「一班!そいつは捨てていい!三班が相手している奴の足を攻撃してくれ!二班は集まり過ぎた!三、四、五班はそのまま続行!」


 クリスタがそう言うと、デイジーたちは指示通りに動く。その動きには無駄がなく、とても洗練された戦士の動きだ。お湯が好きというよく分からないデイジーだが、最強の戦闘民族というのはこの戦闘を見れば分かる。


 それにしてもクリスタ、よくあんなごちゃごちゃになってる戦場で、的確に指揮できるな~。


 俺は水目を持っている超人だが、やはり、金目を持っている超人の指揮能力は、ただ知能を上げただけじゃ遠く及ばない。それでも、戦の作戦を立てることは青目の方が得意だ。


 今さっきのクリスタがデイジーたちに言った指示は俺には分からない。俺の目からは、全魔物にまんべんなくダメージを与えられていると思う。なら、このままダメージを与え続けたら倒せるだろに、なぜ、一体の魔物を放置するのかは分からない。


 確かに、三班に一班が加われば攻撃力が二倍になるが、その間に放置している魔物がデイジーの町に行ってしまうかもしれない。または、死角からの攻撃が来るかもしれない。


 そんなことを思いながら、待機させているスカシユリ王国軍と一緒にデイジーと魔物の戦闘を見ている。


 「最強戦闘民族デイジー・・・初めて見ましたが、確かにあれは人間離れしてますね。冒険者になればすぐにAランクには行くでしょうね」


 「そうだな。それに、赤目を持っているならば、この世界に二人だけ居る伝説級のSSランクに行くだろうな」


 「最強戦闘民族に赤目・・・恐ろしい。一つの小国を簡単に乗っ取ることが出来るでしょうね」


 そのような会話を騎士団長カリュウとしていると、一班と三班で攻撃していた魔物が倒れた。五体居る魔物のうち、一体目の討伐に成功だ。・・・でも、残りは四体。デイジーたちを見ると息が上がっていて、残り四体を討伐できるとは到底思えない。


 俺はクリスタを見た。クリスタがこちらを向けば、俺とカリュウとロノルが援護に向かう。


 俺が倒すのが一番安全で早いのだが、クリスタからは援護だけをしてくれと言われた。しかも、その援護の内容は、デイジーたちに身体魔法を掛けることで、俺は直接援助が出来ない。


 身体魔法を掛けるだけじゃあ正直不安なので、戦っているデイジーたちと同等の戦闘力を持っていると判断したカリュウとロノルを向かわせることにした。


 もちろん、デイジーたちの間にある戦闘の陣形に邪魔をしない程度の援護をするだけ。だが、一応クリスタはカリュウとロノルの指揮も執ってくれるらしいので、その辺りはクリスタに一任している。


 「一班、三班!そのままもう一体の相手をしろ!二班と四班はそのまま!・・・クラノア!お前は五班に合流しろ!」


 一体目の魔物を倒してから三秒後、クリスタがデイジーたちに指示を出した。


 だが、二班と四班と思われる人たちも、動きが鈍くなっていて、攻撃を与えるどころか、魔物の攻撃を防ぐことだけで精一杯に見える。


 そして、四班の中から他のデイジーたちとは体つきが一回り位大きい男が出て来た。あの男がクラノアか。


 五班に合流するために走っているクラノアを見ると、笑っていた。


 俺じゃあ到底持てそうにない大きな大剣を左手で持ち、戦っている他のデイジーたちよりも重症に見えるクラノアは、この命懸けの戦場で笑っている。


 そして、クラノアは五班に合流した。


 「クラノア!温まっただろ!解放だ!!」


 クリスタが合流したクラノアにそう言うと、戦っていた五班のデイジーたちは、魔物の死角となる所へ移動した。そして、魔物は死角へ逃げようとしているデイジーたちを追う・・・ことはしなかった。


 その理由は、一人の人間が目の前に居るから。


 魔物は目に入る獲物を最優先で狩りに行く。戦っていた獲物であるデイジーたちは、自分の死角へ逃げたことで、自分の目の前で仁王立ちしているクラノアが獲物の対象となった。


 あの暴れまわっている魔物に考える脳があるのかは分からないが、遠くから戦いの様子を見ている俺には分かる。これは、デイジーたちが作り出した、魔物とクラノアの一対一の戦場。そして、この時点で勝利が確定しているということを。


 「見れますね。実力が」


 「あぁ」


 カリュウと短い会話を交わすと、魔物がクラノアに向かって走り出した。


 対するクラノアは、左手で持っていた大剣を両手で持ち直した。そして、両手で持っている大剣を正面で構えると、自身に身体魔法を限界まで掛けた。


 勝敗はすでに決まっている。


 「オ”ォォォォ!!!」

 

 何も考えておらず、ただ、獲物を仕留めるための力を限界まで、そして限界突破するために叫ぶ。強い魔物程鋭くなっている直感が、魔物の力の限界突破を促した。


 叫びながらクラノアへ近づく魔物の腕が一回り大きくなった。それが、更に魔物の威圧感を増していく。


 そして、持っている武器を上から振り下ろそうとしている魔物とクラノアの大剣が触れそうになると、クラノアの大剣が動いた。


 「『重獄一閃』!」


 どっかの国の国王が、ファイアドラゴン相手に使っていた技をクラノアが言って、大剣を振るった。


 クラノアに迫っていた魔物は持っていた武器が振り下ろした勢いで地面に埋まっている。そして、クラノアの前で止まっている。


 俺は魔物の目を見た。それは、魔物らしい深紫の目が無色に変わっていた。これは、この世界の生き物なら全員がこうなる。


 「死亡したら目の色が無色になる」このことを世間では「活力無き目」と呼んでいる。


 「すごかったですね。『重獄一閃』はSSランクの剣士の技ですよ」


 「へぇ~そうなのか。なら、あの人もSSランクなのか」


 俺は親バカとも言える、最近会っていないあの国王を思い浮かべてそう言った。


 そして、俺はクリスタの所へ行こうと、右足を前に出した。


 「クラノアは二班へ行け!五班は四班と合流だ!」


 あ、そうだった。まだ戦いは終わってなかった。危なかった、危なかった。俺は出した右足を元の位置に戻した。そして、左足を前に出して、また戻した。


 ・・・これで、俺が戦闘が終わったと思ってクリスタの所に行こうとしたことが分からなくなっただろう。さっきの動きで、硬くなった脚を伸ばしたと皆は受け取ってくれているはず。


 今はまだ二体しか倒せていない。残りは三体。でも、クラノアの先程の技を見ると、この戦いの勝者を俺は予想できた。


 

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