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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

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152話 プロテア陛下の存在

 スカシユリ王国の王城前に『空間転移』を使って転移した。


 帰って来た俺たちは、すぐに王城内へ入ると、中にはスカシユリ王国の重鎮人物が集まっていた。


 「陛下!!我々も戦争の準備を!ワーダスト軍が攻めてきます!!・・・」


 ヒューズはそう勢いよくプロテア陛下言っていたが、次第にその勢いのある声が出なくなった。だが、そのかわりに、今にも目が飛び出そうな顔になっている。


 そして、そんな顔をしている人たちの視線の先には、トゥルホープを抱いている俺。


 俺はその視線に気付くと、トゥルホープを上へ掲げた。


 『見よ!!これが、真の希望だぞ!!』


 そう心の中で叫んだ。


 俺以外には見えていないかもしれないが、俺にはトゥルホープが輝いて見える。


 これは、トゥルホープの中に居るファスターの仕業だろう。トゥルホープには意思が無いからな。


 トゥルホープを掲げると、後ろの方に居た人にもトゥルホープが見えるようになったので、「おぉ…」という声があちこちから聞こえて来た。


 「皆がトゥルホープを気になる気持ちは分かるが、まずは、私の言葉を聞いてくれ」


 プロテア陛下はそう笑いながら言うと、皆はトゥルホープからプロテア陛下へ目線を向けたが、数名はまだちらちらと、トゥルホープのことを見ている。


 まぁ、仕方ない。虹目は千年に一度生まれる存在。だから、この時に生まれないと見れない。


 しかも、こんな間近で見ることなんて、さらに出来ないだろう。


 前世で言うなら、千年に一度の美少女を、画面越しや遠くから見るのではなく、生の姿を五メートル以内の距離で見ていると一緒。


 それに、トゥルホープの虹目には、人の意識を吸い取る謎の力がある。


 「皆が心配していることなら問題ない。ワーダスト軍はスカシユリ王国に攻めてこれないからな」


 「攻めてこれないとは?」


 ヒューズの予想通りの問いかけに、プロテア陛下は俺がメアロノロス王国で話した説明を完コピして、ヒューズに質問の返答をしている。


 こう聞いていると、よくまぁ、あれだけ長い分を一言一句詰まらずに、間違えずに言えるなぁと思う。別に、覚えようとしていたわけではないだろうし。


 やはり、青目というのは、いい目だなと思う。ただ、知能が高くなるだけでなく、記憶力も高くなる。


 もし、前世で青目を持っていたら、クイズ王を無双できただろうな・・・


 いや、神の頭脳には敵わないか。


 プロテア陛下の説明を聞いた皆は、目を丸くすると、「はぁ~」と大きなため息を吐いた。


 えっ、なぜため息?そこは、歓喜だろ!


 俺の予想では、皆が雄たけびをあげたり、街道の修繕を全然してこなかったプロテア陛下にお礼を言うというのだった。


 ・・・嫌味じゃないですよ?誰も、そしてこれからも使わない街道の修繕に掛ける費用なんて無い!


 街道に手を出さなかったのは、正しい判断だったと皆感じていただろうし、今回で更に感じただろう。


 「陛下。・・・外を見て下さい」


 ヒューズの言葉に従って、俺たちは王城を出て外を見た。


 すると、いつものような和やかな空気とは違く、スカシユリ王国に似合わない緊張感がある空気が流れていた。


 メアロノロス王国から帰って来た時は、ずっと緊張感があった空気に居たから気付かなかった。


 「空が虹色に変わった時、我々はすぐに戦争準備を始めました。市民たちには安全な所への避難。魔法士団、騎士団には戦争の準備をしてもらいました」


 王城前の横に長い道にある塀の上から見えるのは、集められたスカシユリ王国の軍勢。


 「でも、ワーダスト軍が来ないなら、我々がこんなに頑張った意味とは一体・・・?」


 ヒューズはそう言うと、その場に倒れた。


 そして、ヒューズが倒れたのを皮切りに後ろに居た他の重鎮たちも、次々と倒れていった。


 「すまない。だが、お前たちの準備は無駄ではない。これから、メアロノロス王国をワーダストから救う。・・・よく、自分でここまで準備したな。見事だ」


 ヒューズだけでなく、この準備のために働き、今地面に倒れている者たちに、プロテア陛下はそう称賛を送った。


 すると、倒れている者たちの目から、涙が出て来た。


 『おぉ!このプロテア陛下ってすごいな!ほぼ無かった体力が、さっきの一言で半分以上にまで復活した。慕われている証拠だ』


 ファスターがそう説明してくれた。というか、人の体力ゲージまで見れるの?・・・流石、神と言われるお人だ。人の域を超えている。


 ファスターが説明してくれた通り、地面に倒れていた者たちの体力が回復したので、皆は立ち上がった。


 「皆!瞬時に集まってくれてありがとう!これから、メアロノロス王国に援軍に向かう!この国のことなら心配してなくていい。お前たちは戦争に勝つことだけを考えろ!!」


 プロテア陛下の魔法を使わずに言っているこの言葉に、兵士たちは「はい!!」とプロテア陛下の声に応えるような声の大きさで言った。


 兵士たちの返事に、プロテア陛下も満足に笑っている。


 「この千年に一度の戦争!我々が勝利を収めるぞ!!」


 「「「「「お"おぉぉぉ!!!!」」」」」


 


 


 

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