表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

151/174

151話 必ず、守ってみせる

昨日投稿しようと思ったんですが、疲れていて、投稿する前にぐっすりと眠ったのです。


でも、これは誕生日に投稿するためだったのかもしれない・・・

 今まで黙っていたセトラが、大きく、覚悟を決めたかのような声でそう言った。


 ただ、急にその覚悟を決めたような声が聞こえて来たので、俺の心臓は死にかけている。


 「はぁ、はぁ、はぁ」


 この声は、耳から聞こえるのではなく、脳内から聞こえて来る。耳からなら、急に聞こえて来ても、音は空気が振動することで聞こえて来るから、急に聞こえて来ることはないだろう。


 だが、脳内からは、本当に急に聞こえて来るので、こっちの方がビックリ感は強い。


 今、会議室は静かじゃないのに心臓に手を当てなくても、自分の心臓の鼓動が激しく、「ドクッ、ドクッ」と聞こえて来る。


 「フォーーフゥーー」


 俺はゆっくりと深呼吸を三回した。これで、激しい心臓の鼓動が治まってくれた。


 『ご!ごめんさない!!』


 あ、元のよわ・・・優しい声に戻った。やっぱり、セトラはこっちの声の方が合ってるな。キャラ的に。


 『ハハッ!マジでビビったよ、セトラ!でも、その覚悟は十分に伝わって来るよ。・・・じゃあ、竜との契約解除を始めようか』


 どうして、最初にファスターが笑ったのかは分からないが、ファスターがそう言うと、セトラは「はい!」と言った。


 こうして、セトラの竜との契約解除が始まった。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 セトラが竜との契約を解除するのは、時間が掛かるらしいので、その間に俺は自分のことをする。


 プロテア陛下もちょうど帰る準備が終わったので、俺たちはスカシユリ王国に帰る。


 だが、俺たちは帰る前に寄らないといけない所がある。そこには、真の希望が眠っている。


 ルニアに案内してもらっているが、もう、何となく分かって来た。

 

 まだ遠いが、俺たちの視線の先には、部屋の扉の前に十人以上の武器を持った人たちが見える。


 「多いな!」


 「護衛は多いに越したことはないですからね」


 マンガスさんがそう驚いた声で言うと、ルニアがそう説明した。


 そして、その中護衛たちの中には会議室で見た顔が並んでいる。トゥルホープ親衛隊の方々だ。


 俺たちはトゥルホープ親衛隊の方々が居る部屋の前まで行くと、俺たちに気付いたトゥルホープ親衛隊の方々が、守っている部屋の扉を開けてくれた。


 「ありがとう」


 ルニアがトゥルホープ親衛隊の方々にそう言った。そして、俺たちは立ち止まることなく、ナノハさんの寝室に入った。


 寝室にもトゥルホープ親衛隊の方々が居て、俺たちが入って来ると、驚いたような顔をしていた。


 ・・・それにしても、流石は大国の王妃様の寝室。壁の装飾品やベットが、スカシユリ王国の王宮の寝室の何倍も掛かりそうだ。


 そして、二倍はある部屋の大きさ。これが、小国と呼ばれている国と、大国と呼ばれている国の差。


 この国の差に、スカシユリ王国の国王であるプロテア陛下を見ると、何か決心したかのような顔をしていた。


 流石は俺たちの国の国王だ。驚いてはいるだろうが、怯んではいない。


 寝室には、一つのベットがある。でも、そのベットが俺の部屋のベットの四倍くらいの大きさ。存在感がすごい。


 ベットの周りに雄黄ゆうおう色の薄いレースカーテンが掛かっているので、薄らとナノハさんが眠っているのが見える。


 「・・・おい、そうまじまじと見るな、変態め」


 「俺は変態じゃない。それに、親友の妻にそういう感情は湧かないな」


 俺の言っているのは本当のことなんだが、もう一つ、そういう感情が湧かない理由がある。


 それは、俺の右に居るステナリアからの圧だ。


 今、俺の右からとてもつもない圧を感じる。だからこそ、そんな感情になる余裕がない。


 この圧を向けられれば、誰だって頭の中に残るのは「圧」だけになる。常人が受ければ、意識を保つことも出来ないかもしれない。


 これが、赤目の中では最強の者だけが持つ圧。・・・羨ましい。


 俺も圧だけで人を倒せたり、抑制したりしてみたい。


 俺が前進するだけで、周りの居る敵を一掃するとか男の夢だろ。


 そんなことを考えていると、ルニアが雄黄色のレースカーテンを開けた。


 レースカーテンを開けると、出産の時から着ていた軽いワンピースを着ながら、トゥルホープの顔が見えるように眠っていた。


 ナノハさんの来ているワンピースは、出産のための服なので、薄い。そして、今のナノハさんはそのワンピースしか着ていない。


 ステナリアに回復魔法を掛けてもらってはいるけど、眠たいのか、隙がすごい。


 俺は少しだけ背伸びをしたら、先程よりも凄まじい圧が俺に向けられた。


 そして、俺はすぐに背伸びをやめた。いや、止むを得なかった。これが、俺の生存ルートだから。

 

 「・・・トゥルホープは行っちゃうのね…」


 「あぁ。でも、ディア以上の護衛は居ないだろ?」


 ルニアがそう少しだけ笑って言うと、ナノハさんも軽く「ふふっ、そうね」と笑って返した。


 そして、ゆっくりとトゥルホープを抱いて立ち上がったナノハさんは、俺の所までゆっくりと歩いて来た。横にはルニアが。


 「トゥルホープをよろしく頼みます」


 ナノハさんはそう言うと、ルニアと同時に頭を下げた。


 トゥルホープ親衛隊の方々は、国王と王妃様が他国の貴族に頭を下げるという行為に驚いている。だが、俺の周りの人たちは驚いていない。この二人の思いが分かるからだろう。


 俺もこの二人の思いをしっかりと受け止めて、トゥルホープを預かった。


 「必ず、守ってみせる」


 俺がそう言うと、ルニアとナノハさんは安堵した表情を見せた。


 そして、プロテア陛下とステナリア、マナガスさんとビュリさんが俺の肩に手を乗せた。


 俺はそれを確認すると、『空間転移』を使って、スカシユリ王国に帰った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ