15話 第二王子「ルニア・メアロノロス」
俺と王族男は今、正座をしながら向かい合っている。
「ごめん」
王族男は正座しながら頭を下げた。
「そう思っているならもういい。他国の王族の心の底からの謝罪は中々心にくる」
「え!俺が王族って知っていたのか!!」
「俺は王族が放っている王族オーラを見ることが出来る。お前...君から王族オーラは物凄く見える」
俺の今までの傾向として王族オーラが見えるほど優秀と言う結果がある。ステナリアも王族オーラは見えるが昔から居るので慣れたのだろう。
王族男は「嘘だろ!?」みたいな顔をしている。だがこれは事実なんだ・・・。もし俺にこの能力がなければプロテアとも仲良くなれていただろう。そして目の前の王族男とも・・・
「じゃあ、お前は俺は王族と知っていてあんなことをしたのか?」
「いや、君が王族と知ったのは途中からだったから、だから王族と分かった瞬間中へ入れた」
その後に「もし王族とかじゃなければ次に俺がドアを開けるまで開けないつもりだったし」と言うと王族男は震えた声で「王族で...よかったぁ...」と言った。
「俺はメアロノロス王国の第一王子「ルニア・メアロノロス」だ、よろしく!」
安堵からの急な自己紹介、意識を変えるの早いな。「王族男」改め「ルニア」は王族らしい金髪に金目の超人。
「俺はディ...「知っている」...ア...」
「スカシユリ王国の王族の秘書の家系のディア・シュラストだろ?」
ルニアは俺の自己紹介を遮って俺の情報を言った。と言うかなぜルニアが俺のことを知っているんだ?
「・・・なんでそんなとこまで知っているんだ?」
「そりゃ、クルミナが開園してから誰も取ったこのない筆記100点を取った奴のことは誰でも気になるだろう?しかもそいつは魔力量が化け物と噂が立っていたから余計にどんな奴か知りたくなった。だからロレアスに見せてもらった。どこの国の出身か、どの位の地位なのか、超人なのか、テスト内容など色々教えてもらった」
じゃあ、あの学園長は俺の全ての情報をルニアに教えたと言うことだろうか・・・
「じゃあ、なんでこんないたずらをしようとしたんだ?」
「そりゃ、仲良くなるためだよ!」
ルニアはそう言って首を凄い速さで上下している。こいつ、これで乗り切れると思っているのだろうか・・・。そんなに首を振ったら逆に怪しくなると言うことが分からないのだろうか・・・
俺はため息を吐いてルニアに聴いた。
「本当は?」
「・・・こんな天才を驚かせたら気持ちいだろうなぁと、思って驚かせようとしたら、返り討ちに遭いました・・・」
俺が天才かぁ・・・うん、うん、悪くない。世界一の魔力量を誇り、身体能力もそれなりに良く頭も良い、これは将来この地球の歴史に名を刻むかもしれないな。
俺は気分が良くなった。
「まぁ、その件は水に流そう。これから5年間一緒に住むんだからな」
俺はルニアに手を差し出した。
「よろしく」
「あぁ!よろしく!」
俺の手をルニアは力強く握った。握り終わった手を見ると赤くなっていた。
俺たちは立って握手を交わしていたので二段ベッドの一段部分に座った。
「ルニアって第一王子なのか?」
「いや、俺は第二王子だよ」
じゃあ、ルニアは将来は国王にはならないのだろうな。もし国王になるのだったら今以上にスカシユリ王国とメアロノロス王国の関係を良くしていきたいと思っていた。
今もスカシユリ王国とメアロノロス王国はどの国よりも仲の良い国として有名だが、今以上に仲良くなるとスカシユリ王国は小国と呼ばれなく程の資源などが手に入るだろう。
「凄いだろ!しかも将来は国王になるんだ!」
俺がもしもの話を頭の中で考えていたら急に凄い情報が入ってきた。俺はすぐにルニアに聴いた。
「え、でも第二王子だろ?国王とか第一王子がなるもんじゃないのか?」
「メアロノロス王国は国王になる者は必ず金目でないといけなって言う決まりがあるんだ。だから、赤目の兄さんではなく、金目の俺が国王になることが決まっているんだ」
ほぇ~。そう考えるとスカシユリ王国って本当に自由な国なんだなと思う。同時に生まれて来たのがスカシユリ王国でよかったとも思った。
「スカシユリ王国はそうじゃないんだろ?」
「あぁ、スカシユリ王国はそう言う固いルールじゃなくて、王族の血を継いでいれば国王になる資格があるとなっているからな。現に今の国王は金目ではなく赤目だからな」
俺はルニアにそう言うとルニアは深いため息を吐いた。
「スカシユリ王国は本当にいい国だな。父さんも、もし来世に生まれ変われるのならスカシユリ王国に生まれたいってずっと言っているよ」
「そうだろ?スカシユリ王国は良い国なんだよ」
自分の国を褒められるのはとても嬉しい。しかもその中心人物のステナリア父親や俺の父さんってこともあって余計に嬉しくなった。俺は笑顔でそう答えた。
それからしばらくルニアと会話をして俺は気づいた。
「ルニアは話しやすいな」
「ん?そうなのか?」
「あぁ、俺は王族オーラが強すぎる人が苦手で中々話せないんだが、ルニアは王族オーラが強いのに苦手意識がない」
「そりゃあやっぱり、『親友』だからだろ?」
親友・・・そうか、親友か。俺にはステナリア以外の仲の良い同年代の友人がいない。
「そうだな。『親友』だからだな」
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