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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

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147話 過去の虹目たち

 俺がダッシュで王城に頂上に来たのは、索敵魔法で竜の行動を感じていると、急に空で暴れ出したからだ。


 そして、頂上に来ると・・・


 「おい!言うことを聞けぇ!!」


 命令を受けいれないために、八の字を描いて飛んだり、上下して飛んだりしている赤目の竜にそう言っているのが、王城の頂上の少し上で聞こえて来る。


 『人間…出来るか?』


 『あぁ。・・・十秒後、その腹の傷を俺に見せてくれ』


 『あぁ、分かった…』


 赤目の竜の状態的に、命令に逆らってずっと腹の傷を見せ続けるのは難しい。なら、一瞬だけその傷を見せてもらって、その傷を俺が狙う。


 俺は赤目の竜と会話をすると、『レイ』の準備に入った。


 『レイ』という魔法は、魔力によるレーザー攻撃。魔力による魔法を無属性魔法と言う。


 そして、『レイ』は無属性魔法の最上級魔法・・・ということは、本当に最近知った。


 人間界では人間が使える魔法しか教えないから、無属性魔法の最上級魔法は『オードマル』という魔力消費百の魔法で、『ヒッツ』の上位互換のような魔法。


 魔法都市で、魔法の歴史について調べている時に、アルスから聞いた言葉だ。


 『人間は自分たちが使える魔法しか残さない。なぜなら、使えない魔法など意味が無いから。だから、人間は落ちて行く』


 アルスの言う通り、俺たちが教わる魔法の中で最も魔力消費が多いのは、魔力消費二百五十の『エクスプロージョン』


 アルス曰く、『エクスプロージョン』は強いけど、魔力消費二百五十に似合わない威力らしい。


 話を戻すと、本当の無属性魔法の最上級魔法『レイ』は魔力消費が普通は四百だが、あの赤目の竜には、普通の『レイ』ではなく、更に魔力を使った『レイ』じゃないと倒せないと思った。


 だから、魔力を四百失って、赤目の竜を倒せないのは嫌だから、出来ないと言った。


 でも、魔力が全回復したなら、そのような心配はしなくて済む。


 『レイ』の想像の仕方は簡単。


 無属性魔法なので『ヒッツ』のように、魔力が集まる想像をして、その集めた魔力がレーザーのように敵へ向かって行くような想像をすればいい。


 俺は右手を銃の様にすると、人差し指に魔力を集める。


 『行くぞ!』


 俺が赤目の竜にそう言うと、赤目の竜は命令に逆らって、腹の傷を見せた。


 「おい!言うことを聞け!!」


 操縦者の女性はそう言っているが、赤目の竜は逆らう。


 そして、俺は赤目の竜の腹の傷に向かって『レイ』を撃った。少し傷とずれても、『レイ』は攻撃範囲が大きいので大丈夫だろう。


 だが、俺の撃った『レイ』は見事に、赤目の竜の腹の傷に直撃した。


 そして、『レイ』が傷に直撃すると、その傷を『レイ』が貫通して、赤目の竜は地へ落ちて行く。索敵魔法でも、赤目の竜の生命力がだんだんと無くなって行くのが分かる。


 赤目の竜は地にうつ伏せで倒れた。


 「おい!起きろ!」


 操縦者の女性は赤目の竜にそう言うと、五センチくらいの太い針・・・いや、あれは魔道具か?


 索敵魔法は、魔法が掛かっている物を感じ取ることが出来、操縦者の女性が持っている太い針から魔法が掛かっているを感じ取った。


 そして、その太い針の魔道具を赤目の竜の背中に刺した。


 「『ライデント』!」


 操縦者の女性がそう魔法名を叫ぶと、赤目の竜の体内に『ライデント』から出た電流が駆け巡った。


 すると、急に弱まっていた赤目の竜の生命力が復活した。


 俺は索敵魔法でそのことを感じ取ると、『ウォルキーン』を撃とうとしたが、その必要が無くなった。


 なぜなら、赤目の竜の生命力が復活したのは一時的で、俺が『ウォルキーン』を撃とうとすると、復活する前よりも生命力が弱まったのを感じ取った。


 「何で!?何で復活しないのよ!!」


 操縦者の女性はそう叫びながら、何度も『ライデント』を使っているが、生命力が復活したのは最初の一回だけで、それ以降は『ライデント』を使う度に生命力が弱まっている。


 『感謝する、人間。そして、ファスター様とセトラ様。ありがとうございました。これで…』


 赤目の竜はそう言いかけると、瀕死の赤目の竜が光り出した。


 そして、光り出した赤目の竜は光の粒子となり、光の粒子は天へ昇って行く。


 その光の粒子が天へ昇って行くにつれて、赤目の竜の体が少しずつ無くなって行く。


 『こんな光景を見るのは初めてか?』


 『はい…』


 俺はこの光景に目を奪われて、ファスターの返答を雑にしてしまった。でも、仕方ない。それほどまでに美しいから。


 『僕たちも、この光の粒子になる原理は分からないんだが、僕たちが見て来た時間の中で、一つの仮説が生まれた』


 『仮説ですか?』


 『あぁ。その仮説は、この世界で「最強」と分類される生き物は死ぬと、このように光の粒子となるという説だ』


 『ということは、ファスター・・・様やセトラ様も、このように光の粒子となったんですか?』


 『ハハッ!もう、正体はバレてるみたいだな。そして、お前の質問だが、その通り、俺たちも光の粒子となって死んだ』


 ファスターのその言葉から、俺の考えは確信に変わった。まぁ、こうやってファイアドラゴンと話せて、ファイアドラゴンが様を付けて呼ぶところから、察してはいたが。


 それに、『トゥルホープの所へ来い!』という言葉の『来い』に、俺は疑問を持っていた。普通なら、「来い」じゃなくて「行け」だと思う。俺はこの言葉から、自分たちは「トゥルホープの所に居る」と言っているように感じた。

 

 そして、俺の考えは・・・


 『やはり、あなたたちは、二千年前、千年前に生まれた虹目の赤子・・・ファスター様とセトラ様ですか』


 疑問形にしなかったのは、確信があったから。


 『あぁ!君の言う通り、僕たちが、この歴史の中で二回だけ生まれて来た虹目さ!』


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