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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

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146話 謎の二人の男女

 ワーダストが位置している方から来る竜の目は・・・赤い。


 ヴァレルスの目は黒かった。なら、あの竜は赤目で身体能力が化け物の竜ということ。


 メアロノロス王家の王が埋葬されている場所は、王城の敷地内にあるが、その敷地が大きく、王城からはかなり離れている。それでも、竜が赤目ってことは分かる。


 「おい!ディア!竜が来たぞ!どうする!?」


 「・・・とりあえず、防御に専念するしかないな」


 俺がルニアの返事に少し遅れたのは、索敵魔法を使っていたから。そして、その索敵魔法で竜が攻撃をしてくることも分かり、どんな攻撃をしてくるかも大体は分かった。


 俺はルニアにそう返事すると、『ウィルド』で王城の頂上へ行き、魔法障壁を張った。いつもの十倍の魔力を使って。


 「撃て!!」


 聞いたことのない女の声。でも、あの赤目の竜に乗っている、例のあの一族の誰かの声だろうな。


 そして、赤目の竜はその命令通り、口を開いて、作っていたマグマのような玉を俺たち・・・いや、メアロノロス王国の王城に向かって撃った。


 そのマグマ玉はヴァレルスの火の玉とは違い、速度が何倍も速い。それは威力も。


 「ウ"ゥッ」


 マグマ玉が俺の張った魔力障壁に当たった瞬間、いつもの十倍の魔力で張った魔法障壁が破壊された。


 俺はすぐに先程と同じような魔法障壁を張った。


 そして、マグマ玉は再び張った魔法障壁を破壊することが出来ずに、そのまま消滅した。


 「ふぅ」


 一回の攻撃でこんなに魔力が消耗するのはまずい。いつもの十倍ということは、一枚の魔力障壁は魔力消費が百。


 その前にも『空間転移』を使ったり、『拘束魔法』を使っているので、魔力はそんなにない。


 赤目の竜の攻撃に着いて考えると、俺があの竜の目が赤目だと気づいた時に、赤目の竜は口を開け始めて、マグマ玉を準備し始めた


 そして、女性がその五秒後に「撃て!!」と言って、撃ったマグマ玉は一回で魔力を百も消費するほどの威力。


 でも、そのマグマ玉は操縦者の女性が命令しないと攻撃出来ない。


 俺が見るに、赤目の竜は約三秒であのマグマ玉を撃てるのだろう。


 だから、こう考えて、時間を無駄にするのはダメだ。


 だが、あの竜を倒せるほどの魔法が思い浮かばない。魔力もそんなにないので、魔力消費が多い魔法も使えない。


 俺がそう焦っていると、頭に声が入って来た。


 『お前が…ヴァレルスの言っていた人間か』


 この感じは・・・ヴァレルスと話していた時の感覚と同じ。それに、ヴァレルスって言ってるし、間違いなくあの赤目の竜が話しているのだろう。


 竜は耳がいいということをヴァレルスから聞いているので、赤目の竜とかなりの距離があるが、俺が大声を出さなくでも聞こえるだろう。


 『それは分からないが、ヴァレルスというファイアドラゴンなら知っている』


 『そうか・・・なぁ、人間。俺を殺してくれないか?』


 『・・・俺としてはそうしたいんだが、お前を殺せる方法が分からない』


 俺は赤目の竜にそう話すと、王城に向かってくる赤目の竜が急に空へ方向を変えた。


 『見えるだろう?俺の腹にある傷を。その傷を狙って強力な魔法を撃ってくれ』


 『その強力な魔法って言うのは『エクスプロージョン』か?』


 『いや、広範囲攻撃ではなく、一直線攻撃・・・ウ"ゥッ、人間、『レイ』という魔法を知っているか?』


 『あぁ、知っている。だが、今の俺ではあの魔法は撃てないぞ。魔力が無いんでね』

 

 上へ飛んで行った赤目の竜は、ゆっくりだが降りてきている。


 『そうか・・・『なら!僕が回復してあげようか?』!この声は!』


 『!ビックリしたぁ~。というか、俺たちの会話に入れるって、お前は何者だ?』


 竜と話せるのは・・・俺くらいの力を持つ限られた人間。そして、そういう人間が居るなら知っているはず。それに今、「回復してあげようか」と言ったか?


 俺くらいの力を持ち、「回復」が出来る人間・・・まさか!?


 『あなたは!ファスター様!?千年ぶりでございます!』


 おぉ!竜が敬語を使うとは、中々見れない光景なのではないだろうか…


 でも、ファスターって誰だ?俺の予想ではトゥルホープだったんだが・・・


 『あぁ!それに、今回はもう一人居るぞ』


 ファスターと呼ばれた男性がそう言うと、小さいが女性の声が聞こえて来た。


 『ぁ…『小さい!』初めまして!私はセトラと申します!!』


 『おぉ!セトラ様ですか!ウ"ッ』


 『ほら!回復魔法掛けてあげるから、早くトゥルホープの所へ来い!』


 『えっ、でも、回復魔法で『来い!!』はい!!』


 この迫力は何だろうか・・・


 竜の迫力もすごいが、このファスターという男性の迫力はそれ以上だ。会ったことないのに、声だけで竜の迫力を超えてくる。


 俺はその迫力に押されて、ベランダから王城内へ入り、トゥルホープの所に行こうとすると、トゥルホープを抱えたナノハさんが一階への階段の方へ向かっていた。そして、その後ろにプロテア陛下やロウバイさんなど。


 「ナノハさん!!待ってください!!」


 最初は大声で言おうと思ったが、ステナリアが産後後のナノハさんを回復魔法で回復してあげていたのを思い出したので、『拡散魔法』でそう言った。


 すると、ナノハさん一行が俺の方へ振り返った。


 俺は身体魔法を掛けて、ナノハさんたちの所へ行く。索敵魔法も使いながら。


 「ナノハさん、トゥルホープをこちらへ向けてくれませんか?」


 「え、む、向けるって、こう?」


 ナノハさんはそう言うと、トゥルホープを俺の方に向けてくれて、トゥルホープをの顔が見えた。トゥルホープは眠っているが、眠っているというのに、トゥルホープの虹目が瞑っている目の隙間から見えている。


 『お願いします』


 『おう!』


 男性は元気よくそう言うと、トゥルホープから回復魔法を使っている時に出る、光が出て来た。トゥルホープは回復魔法を使う仕草をしていないのに。


 そして、その光を浴びると、この王城の大浴場で入った魔力風呂の時と同じような感覚が身体に走った。


 でも、その感じた感覚は、あの時の感覚の何倍も速く、速く、この身体を巡っている。魔力ポーションで一気に回復するのとは、全然違う感覚。


 そして、十秒もしないうちに、魔力が全回復していた。


 「ありがとう。トゥルホープ」


 俺はそう言って、右手でトゥルホープの頭を撫でると、眠っているトゥルホープの口角が上がった。


 そして、俺はダッシュで王城の頂上に来た。

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