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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

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144話 街道の現状

 「ふぅ。あいつらはどうなってるかな」


 赤目の男を撃ち落とした俺は、王城のベランダから王城内へ戻った。


 俺が頂上へ居る時に、戦闘音などは聞こえなかったから、戦闘は行われていないと思う。それに、ステナリアが居れば負けないだろ。


 俺は九十九パーセントの安心と一パーセントの不安を持ちながら会議室へ戻ると、俺が出た時には居た民たちがいなくなっていた。そして、民たちが持っていた武器が落ちている。


 会議室の部屋は開いていたので、会議室の中を見ると・・・ベットで眠っているトゥルホープに向かって、先程まで武器を持っていた民たちが土下座をきめていた。


 ・・・何で?


 そう思いながら、俺は会議室に入ると、土下座している民たちを知らないかのように、主要人物たちが会議をしていた。


 いや、この状況でよく、真剣な会議ができるな。


 俺は会議室に入ると、元々座っていた席に座った。


 「ディア!帰って来たのか」


 「あぁ。それよりルニア、この状況を説明してくれ。そして、言いたいことがある」


 俺はルニアにそう聴くと、ルニアはこの状況について説明してくれた。


 「説明か。・・・まぁ、簡単に言うと、この民たちは敵ではなく味方に変わった。・・・更に詳しく言うなら、「トゥルホープ親衛隊」になったんだ」


 ・・・うん。分からん。


 どうして、先程まで殺そうとして来た奴らが、殺そうとしていたトゥルホープの親衛隊になったのか。


 俺がそう思っていると、ルニアが「トゥルホープ親衛隊」になった経緯について教えてくれた。


 「これも、簡単に言うなら、「回復魔法を掛けてもらったから」からだな」


 「ちょっと簡単過ぎるな。・・・まぁ、でも、味方になったってことでいいのか?」


 「あぁ。トゥルホープを命を懸けて守る素晴らしい味方になった」


 ルニアがそう言うと、俺はトゥルホープに向かって土下座している民たちを見る。


 ・・・確かに、トゥルホープを守りたいという意思は本当に何となくだが伝わって来る。でも、本当に回復魔法を掛けられただけでここまで変わるか?


 俺は回復魔法の経緯も聴きたいが、そんなことを聞いている時間はないので、この疑問は胸の内にしまった。ルニアが味方になったと言うなら、そうなのだろう。


 ルニアは騙されやすそうだが、意外にも見る目はある。これも、金目の副産物だろうか。


 俺はそう結論付けると、向かいに居るルニアへ「話し始めていいよ」の視線を向けた。


 「では、我々のこれからのこれからの動きについての会議を始める」


 ルニアがそう言うと、アセントさんが丸まっている地図を机に広げた。


 「ワーダストはスカシユリ王国との街道と、この「迷界の森」から来ます。ですが、来るのはやはり、スカシユリ王国との街道でしょう。この森は近道ですが、危険度が高すぎるので、兵を減らしたくないならこの街道を選ぶはずです」


 アセントさんがワーダスト軍の選ぶであろう道を言うと、俺たちは全員頷いた。


 「迷界の森」はワーダストとアキレア王国の間にあり、その森には俺がアキレア王国に着くまでにあるデイジーの町の手前であった王熊と同等の魔物がうじゃうじゃ居ると、デイジーの町に居た金目のクリスタに聞いた。


 王熊同等の魔物がうじゃうじゃ居るということは、王熊以上の魔物も居る。だが、その魔物の存在はまだ明かされていない。

 

 でも、そう言われているのは、デイジーの町付近に王熊が現れるのは、迷界の森から何かに恐れて逃げて来たからだと言われている。


 王熊一体だけでも、戦闘民族であるデイジーが束になり、命を懸けて戦わないと勝てない程の強さ。それがうじゃうじゃ居て、王熊が恐れる程の魔物も居る森。入る奴の気が知れない。


 そういうわけで、ワーダスト軍は迷界の森からではなく、街道から来る。


 俺はそう考えると、「ふっ」と無意識に笑っていた。


 「・・・ディア?何で笑ってるんだ?」


 「ふふっ。ワーダスト軍は必ず迷界の森を通らないといけないからだよ」


 俺のこの言葉に、俺以外の席に座っている人たちは首を傾げた。だが、すぐにプロテア陛下は俺の言葉を理解したらしく、俺と同じような笑いが出ていた。


 しかし、プロテア陛下以外は分からないので、首を傾げたままだ。・・・いや、最低でもステナリアは分かっといてくれよ…


 俺はそう思いながら、プロテア陛下と青目のスーパーコミュニケーションを駆使し、誰がどのように説明するかを話し合っている。


 『陛下が言いますか?』


 『いや、私に問われていたなら、私が答えていたが、今回はルニア陛下がディアに聴いているんだ。ディアが答えるべきだろう』

 

 『分かりました』


 このような会話を一秒未満ですると、俺は理解している全員になぜ、俺とプロテア陛下が笑ったのかを説明した。


 「あの街道、実はですね・・・潰れるんですよ」


 「「「「「えぇ!!」」」」」


 俺がそう言うと、プロテア陛下以外の皆は驚き、そして、叫んだ。


 俺は続いて説明した。


 「ワーダストとの関わりが無くなってからは、あの街道を使うことも無くなったので、安全確認とか修繕とか全然してないんです。前に、中くらいの動物があの街道を渡ると街道に穴が開いて落ちて行ったんですよ。だから、そのくらいの動物の重さにも耐えられない街道が、あんな重い馬車に耐えられずに落ちて行く。その結果、街道は使えずに、迷界の森しか道が無いということなんです」


 俺は頭の中で考えていたことを聞こえやすいように、そして、噛むことなく皆に伝えた。


 そして、俺の言葉を聞いた皆は、俺とプロテア陛下と同じように、口角が上に上がった。


 「なるほど。確かに、これは笑ってしまうな」


 ロウバイさんがそう言うと、皆も頷いた。


 「そう言うことなら、私たちが警戒すべきなのは、迷界の森だけということですね。なら、アキレア王国と協力出来ますね」


 アセントさんがそうまとめると、皆は頷いたが、俺は手を挙げた。


 「ディア?他に警戒すべきところがあるのか?」


 ルニアが俺にそう聴いてくると、俺は人差し指を上に伸ばして言った。


 「空だ」


一つの「」で、これだけ書いたの初では!?

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