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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

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139話 緊急!ナノハさん出産発表!

今日から冬休み・・・冬期講習か…

 「これからの動きだが、先程の男からワーダストが色んな手段を使い、虹目の赤子、いや・・・私の孫を奪いに来るだろう」


 ロウバイさんがそう言うと、俺たちは頷いた。


 王城の近くにワーダストの人間が居たということは、このメアロノロス王国にも、あの二人の男のようなワーダストの人間が居るということだ。


 なら、まず、虹目の赤子を外へ連れて行くことが出来ない。


 「しかし、ずっと王城に居たとしても、ワーダストが詰めて来るだろう」


 「え、でも、ワーダストからすれば、どこで虹目の赤子が生まれたのか分からないんじゃないですか?」


 メアロノロス王国の王妃が妊娠しているという情報は、全世界に知れ渡っている。でも、それを発表したのは二カ月前だ。


 これは、本当の妊娠期間を発表して、誰かに暗殺などされないようにするための嘘。


 この二人の男がどうして、ナノハさんが虹目の赤子を産んだと思ったのかは、たぶんだが偶然だろう。


 空が虹目になったから、無いとは思うがとりあえず、妊娠しているナノハさんかもと思い、侵入すると、偶然ナノハさんが虹目の赤子を産んだ張本人だった。このような感じだろう。


 だから、二カ月前に妊娠を発表したナノハさんが虹目の赤子を産むとは思わないだろうし、虹目が生まれた時に空が虹色になったのは、メアロノロス王国だけでなく、この世界全体だろう。


 でも、窓からの光景で視界が狭かったので、世界全体の空が虹色になったとは分からない。


 ロウバイさんの言葉に俺がそう言うと、ヒューズさんが俺に言った。


 「いえ、私は仕事で外へおりましたが、空が虹色になったのはたぶんメアロノロス王国の国土だけです」


 あ~終わったぁ・・・いや、でも、ワーダストはナノハさんが産んだとは知らない。なら、ずっと黙っておけば、王城に居るとは思わないだろうワーダスト軍と、王城を気にせずに戦争するだけで済む。


 あ、でも、そうなれば、メアロノロス王国の民に被害が行く。メアロノロス王国の民の家を潰しまわり、虹目の赤子を奪う。


 それなら、ワーダストがナノハさんが虹目の赤子を産んだと知れば、民は狙わずに王城だけを狙ってくるだろう。


 ワーダストにナノハさんが虹目の赤子を産んだことを伝えるにはこれしかない。でも、これをすれば、出産時期を嘘ついた意味が無くなる。


 「・・・俺が拡散魔法で今すぐに発表しましょうか?」


 「・・・ルニア、どうだ?これに関しては、二人の問題だ。私が独断で決めれるものではない」


 ロウバイさんがそうルニアに聴くと、ルニアはすぐに答えた。


 「私は・・・私たちは発表してもらいたいです。民に被害を受けさせないために」


 「そうか。じゃあ、ディア、早速発表をしてくれ。メアロノロス王国の通り道であるスカシユリ王国に被害が行かないうちにな。」


 俺の質問にロウバイさんはすぐにそう返した。そして、俺はロウバイさんの言葉で思い出したことがある。


 そうじゃん。ワーダストって、スカシユリ王国を通る。ということは、スカシユリ王国と結んでいる街道を通るということ。


 もちろん、街道以外にも道はある。でも、スカシユリ王国と結んでいる街道が一番の近道。ワーダストは必ず近道である街道を使ってくるだろう。


 でも、その街道はボロボロで、所々穴が空いているし、安全確認をしていないので、馬車の重さを耐えれるか分からない。


 なら、そんなことを知らないワーダストは、街道を馬車で渡ろうとすると、馬車の重さに耐えれない街道が崩れて、ワーダスト軍の数を減らすことが出来る。


 ふふっ。これは、いい作戦だ。ふふふ…


 「どうした、ディア?そんな気持ち悪い顔をして」


 「き、気持ち悪いって・・・まぁ、そうなるのも無理はないことを考えていたんだよ」


 スカシユリ王国とワーダストを結ぶ街道は崩れてしまうが、これも、ルニアとナノハさんの虹目の赤子を守るため。


 だが、ルニア。俺はお前のために考えていたのに、その考えている俺の顔を気持ち悪いと言うのは、助けられたくないのか?


 俺はルニアにそう言うと、会議室の窓から『ウィルド』で王城の頂上まで行った。


 王城の頂上からの景色はすごい遠くまで見えるが、街道の方は全然見えない。


 そして、俺は『拡散魔法』を自分に掛けて、大声で言った。


 『メアロノロス王国王妃ナノハ・メアロノロスは、男の子の虹目の赤子を出産された!!メアロノロス王国の次期国王になる方だ!!・・・』


 もう一言だけ言おうとしたが、これは、完全に私用なので言うのを止めた。


 俺は全世界に届くように拡散魔法でそう言うと、失礼だが、先程出て来た窓から、会議室に入り、窓を閉めた。

 

 そして、俺が会議室に入ると、赤子の産声が聞こえて来た。


 「まさか、俺の声で?」


 「そうよ。まぁ、でも、今回は仕方ないわ」


 俺はステナリアの言葉を聞くと、「ふぅ」と、息を吐いた。


 俺の声で泣かせてしまった虹目の赤子は、父親であるルニアが泣き止むようにあやしている。


 でも、あやし方が下手なのか、全然泣き止む気配はない。それどころか、更に泣き声が大きくなっている。


 ルニア・・・頑張れよ。

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