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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

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138話 なぜ、舌を噛み切ると死ぬ?

 ステナリアが倒した二人の男は気がまだあるので、『拘束魔法』で拘束して、俺が管理をする。


 今すべきなのは、これからどう行動するかを話し合うこと。


 ナノハさんはまだ気を取り戻していない。そして、赤子は泣き止んでいる。


 王城の会議室でこれからの話し合いをすることになり、ナノハさんと虹目の赤子から目を離さないように、俺が『魔法空間』から出したベットに寝かせ、この二人を除いた俺たちの他に、ロウバイさん、メアロノロス王国大臣アセンスさんの八人で話し合いをする。


 「二人を襲おうとした奴は誰だ?」


 ロウバイさんがいつもより低い声でそう聴いてくると、俺は二人の男をロウバイさんに見せた。


 「お前らが・・・何処の国の者だ?まぁ、予想はつくが、本人から聞いた方がいいからな」


 ロウバイさんは二人の男を見ると、椅子から立ち上がって、二人の男の前まで行くと、二人と同じ視線になりようにしゃがんだ。


 「それで、お前たちは何処の国の者だ?」


 ロウバイさんの質問に、もちろん、二人は答えない。


 そして、二人の目線は、ベットで寝ているナノハさんと虹目の赤子に向いている。こんな状況になっても、まだ、諦めていないのか。


 二人の男は十秒の沈黙の後、いきなり、口を大きく開けて、ロウバイさんに突っ込んだ。二人の男の歯は、めちゃくちゃ尖っていて、手や足を噛まれたら貫通するんじゃないだろうか。


 二人の男はそんな尖った歯で、最後のあがきとして、ロウバイさんを傷つけようとしている。


 ここで『拘束魔法』の説明。


 『拘束魔法』は便利で、『拘束魔法』を掛けた相手の動きを操ることが出来る。


 俺の手元には、二人を拘束している「拘束縄」があり、この縄でどんなに重い人でも、「拘束縄」を引くだけで拘束相手を止めることが出来る。


 操ると言っても、全てを自分の思い通りに操れるわけではなく、動いている拘束相手を「拘束縄」で止めさせたり、「拘束縄」を俺の周りで一周させると、拘束相手は俺の周りを一周する。


 この拘束縄は普通の縄ではなく、魔法で作られた縄なので、剣では切れない。付与された剣か、魔法でしか切ることが出来ない。


 俺はロウバイさんに口を開けて突っ込んでいる二人の男の「拘束縄」を引いた。


 すると、二人の男は、ロウバイさんにもう少しのところで、「拘束縄」によって止まった。


 「クソッ!放せ!」


 「なんで!一歩も前に進めないんだ!!」


 そして、二人の男がロウバイさんに手を伸ばすと、俺は更に「拘束縄」を引いので、二人の男は元々居た俺の方の壁にぶつかった。


 壁にぶつかった二人の男は、今まで目と鼻と口しか分からなかったが、壁にぶつかった反動で頭に巻いていた布が取れて、顔全体が見えた。


 「なるほど。やはり、ワーダストの者か」


 顔全体が見えると、ロウバイさんはそう言った。


 ロウバイさんがそう判断したのは、二人の男の額には、ワーダストの国章が刻まれているからだ。


 ワーダストの者じゃない可能性もないことはないが、この世界の誰が、ワーダストの国章を額に刻みたいと思うんだという話。


 そんな希少な人間は、ワーダストの人間しかいないだろう。


 「虹目はワーダストによって、奪われる運命だ。たとえ、ワーダスト対スカシユリ、メアロノロス、アキレア、リソウスの四国となったとしても」


 一人の男がそう言い終わると、二人の男は自分の舌を噛むと、そのまま嚙み切った。


 二人の男の嚙み切った舌が口から落ちて来た。その舌はとても長く、二人の男は舌の大分、根元を噛み切ったことが分かる。


 しかし、人間って舌を噛み切ったら死ぬのか?そういう知識に関しては本当に俺は無知だ。


 前世でも、時代劇などでよく舌を噛み切って死ぬという行為を見ていたが、なぜ、舌を噛み切っただけで死ぬのか分からなかった。


 まぁ、時代劇はフィクションだからと納得していたが、今、その行為が目の前で行われようとしている。


 そして、舌を噛み切った男の二人は、呼吸が出来ないのか、とても苦しそうにうずくまっている。


 苦しそうにうずくまること二十秒、二人の男の動きがピタリと止まった。


 ・・・マジで、死んだんだが・・・


 呼吸が出来ていなかったということは、舌を噛み切ると、失血死ではなく、窒息死をするのか?


 こんな場面で、このようなことを考えれる程の平常心を持ったのも、俺の今世の人生が濃すぎるからだろう。 


 人の血、人の死、前世では中々見ることが出来ないことをたくさん経験した。


 「窒息死ですね」


 「あぁ。やはり、情報は吐かないか」


 ・・・ルニアとロウバイさんがそう淡々と言った。


 死んだ二人の男はひとまず置いといて、これからの行動についての会議が始まった。


 

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