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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

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137話 狙われる赤ちゃん

最近、めちゃくちゃ疲れていて、パソコンを開くことすら出来ませんでしたが、今日からまた頑張ります!

 「な、なんだ!?なぜ、空が虹色に!?」


 一番赤ちゃんが生まれたことは、この空が虹色に変わったことで、かき消された。


 そして、一番初めに、ルニアがそう言うと立ち上がった。


 だが、虹色の空は五秒ほどで、元の青色の空に戻った。


 産声が聞こえたと同時に、空が虹色に変わった。これって・・・


 「な、なぁ、ルニア。これってもしかして、俺たちの子供・・・なのか?」


 「・・・たぶん。産声と同時に空が虹に変わったんだ。その可能性が一番高いだろう」


 もちろん、ルニアたちの赤ちゃんじゃない可能性もある。ルニアたちの赤ちゃんと同時刻に生まれて来た子が『虹目』だった可能性。


 だが、その可能性は限りなく低いだろう。


 虹目について、本ではこう書いてある。


 「虹目が生まれると同時に、この世界は『虹色』に包まれると」


 俺たちの空は虹色に包まれたが、それはたったの五秒だけ。この本からは、ずっと包まれるような意味で捉えることが出来る。


 俺にそう恐る恐る聴いてくるルニアに俺はそう答えると、部屋の外から「バリン!!」という、窓が割れる音が聞こえて来た。


 俺たちはその音が聞こえると、すぐに休憩室から出て、割れた現場へ向かう。


 そして、窓の破片が散らばっている所に着くと、足跡があり、その足跡は・・・


 「急げ!分娩室だ!!」


 ルニアの言葉に俺たちはよりギアを上げて走った。


 俺たちには分娩室が分からないので、分娩室を知っているルニアより先に走ることが出来ない。


 そして、俺たちは二階にある休憩室から出て一分程で、分娩室に着いた。


 分娩室の前には、俺たちが休憩室に来た時に居た男二人が血を流して倒れていた。


 ステナリアが生きているか確認したが、もう死んでいるそうだ。


 俺たちは、男の二人が倒れている後ろの分娩室の扉を開けると・・・


 「死ねぇぇ!!」


 目以外を全て隠しているいかにも怪しい男二人がおり、一人は俺たちが休憩室に来た時に居た女五人を全員殺し、もう一人はナノハさんにそう言って、ナイフの刃を向けている。


 そして、俺は・・・いや、俺たちはナノハさんが抱いている赤子に目が行った。


 そう。ナノハさんが抱いている赤子は・・・虹目である。


 あの男二人の目的は、戦争の原因となる虹目の赤子を殺すためか、もしくは・・・虹目を欲しているワーダストの者が、ナノハさんを殺して、虹目の赤子を奪うためか。


 ・・・俺はこれまでの十カ月で、ステナリアからのお願いである「ナノハさんに会いたい」を、ほぼ毎日叶えていたため、メアロノロス王国に行くことが多くなった。


 そして、ステナリアがナノハさんに会うなら、自然に俺も会うことになる。


 ステナリアがナノハさんに会いたがっているのは、ナノハさんの痛みを回復魔法で和らげるため。


 それが、十カ月も続くと、ルニアとナノハさんがどれだけこの赤ちゃんを大事にしているのかが分かる。


 ルニアは仕事をほったらかしてまで、ナノハさんに付きっきりだった。


 そして、その仕事をなぜか、俺がやることになるなんてことが毎日だった。


 ナノハさんも戦闘大好きで、危険を恐れない奥さんから、安全第一を心掛けて行動する奥さんに変わった。


 『人は守るためなら自分を変えられる』


 ナノハさんには、この言葉がとても合う。


 無事に生まれてほしいからこそ、この二人は出来るだけのことを、この赤ちゃんにして来たんだ。


 そんな二人が大事にして来て、生まれて来てくれた赤ちゃんを・・・


 「こんな形で奪われていいはずがない」


 男のナイフの刃がナノハさんへ触れるギリギリで、俺は物理障壁を張った。


 そして、男は俺の物理障壁に弾かれて、体勢が崩れたところをルニアが突っ込み、男を壁へ押し付けた。


 「おい!テメェ、何してんだ!」


 五人の助産師を殺した男はそう言うと、ナイフをルニアに振りかざそうとしたが、それも、俺が物理障壁で止めた。


 俺たちは急いでナノハさんの所へ行く。


 「ナノハ!大丈夫!?」


 ステナリアにナノハさんからの答えは帰ってこない。


 そんなナノハさんの体を何度も揺さぶるステナリアに、俺はストップを掛けた。


 「何するの!ナノハが!!」


 「ナノハさんは、疲れと恐怖で気を失ってしまっただけだ」


 これまでのナノハさんなら、気を失うどころか、自分で簡単に倒していただろうが、妊娠していたので体力が減り、しかも、出産したばかりだったので、精神がギリギリだったのだろう。


 俺はステナリアの目を見てそう言うと、ステナリアは俺から、男二人に目を向けた。


 そして、ステナリアは怒りがこもっている声で、男二人に言った。


 「あなたたちのせいで、ナノハが・・・ナノハが・・・」


 「おい!女!赤目だからって俺たちに勝てると思うなよ?貴族の令嬢なんかに負けるような、育て方はされてねえからな!!」

 

 男二人の意識がステナリアへ向いているうちに、ルニアはその中から抜け出した。


 だが、ここで間違えてほしくないのが、ルニアが抜け出したのは男二人に怯えたわけではなく、ステナリアの攻撃に巻き込まれたくないから。


 男二人の攻撃とステナリアの本気の攻撃なら、怪我をするのはステナリアの攻撃だと判断したのだ。賢明な判断だ。


 抜け出したルニアは、気を失っているナノハさんと産声を上げている赤子の傍に来た。そして、ルニアはナノハさんを抱くと同時に、初めて自分の子供を抱いた。


 二人を抱いているルニアは、涙を流している。


 そして、視点をステナリアに戻すと、男二人がステナリアに襲い掛かろうとしている。


 普通の夫なら、嫁がこんな危ない目に会っていたら、守らないといけないが、この世の中には例外というものがある。


 全体的な攻撃力なら俺の方が強いが、こういう室内の戦いとなると、魔法よりも拳や剣の方が強い。


 それなら、最強の拳を持っているステナリアに任せるのがいい。


 「私もあなたたちのような人に負けるような育て方はされてないのよ」


 ステナリアはそう言うよ、一人目をかわし、襲い掛かって来る二人目の男の腹を一撃。そして、先程かわした男を足を綺麗に回すと、後ろから襲い掛かって来そうだった男の横腹にクリーンヒットした。


 この数秒の戦闘の結果は、ステナリアの圧勝で終わった。


先が少しでも気になった方は、ブックマークや広告下の評価をお願いします!


モチベーションアップもそうですが、私の疲れが吹っ飛びます!!

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