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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
虹目赤子争奪戦争

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133/174

133話 一年後

 俺が今居るのは、メアロノロス王国の王城のパーティー会場に来ている。


 俺だけじゃなく、プロテア陛下、父さんに母さん、妹のラノアに、三カ月前に結婚した嫁のステナリアも来ている。  


 その他にも、、ロウバイさんにロレアス学園長、カランコエ陛下にカタリナ、ソリエンス陛下にセリウスさんという、各国の王族がこの会場に来ている。


 その理由は、これから行われることに関連している・・・


 「この度は、私、ルニア・メアロノロスとナノハ・アキレアの結婚式に来てくれてありがとう!細かい挨拶は後で個人的に!・・・では!乾杯!!!」


 「「「「「乾杯!!」」」」」


 ルニア・・・いや、ルニア陛下の乾杯の言葉で、俺たちはグラスに入った酒を飲み、ルニア陛下とナノハ王女の結婚パーティーが始まった。


 ルニアとナノハさんの結婚。これは、絶対に出来ないと俺は思っていた。ルニアのナノハさんを思う気持ちが強すぎたからか?


 普通なら、ルニアはともかく、アキレア王国の第一王女のナノハさんは他国の人とは結婚できないと思っていた。しかも、それが、他国の王族なら尚更。


 でも、この結婚が成立したのは、アキレア王国の王族に新たな子供が誕生したのである。


 それが・・・カランコエ陛下の本当の息子、そして、アキレア王国の王族の血を引く者「ニューン・アキレア」が誕生したからである。

 

 ナノハさんは本当の王族の血を引いているが、カタリナは王族の養子になっただけなので、王族の血を引いていない。


 なら、王族の血を引いているナノハさんが、アキレア王国内の貴族たちと結婚しないといけない。


 しかし、この度、アキレア王国の王族に第一王子となるニューンが誕生したことで、ニューンが次の国王になることが決まったので、ナノハさんは、自由に結婚できるようになった。


 そして、ニューン誕生を知ったルニアが、ちょうどメアロノロス王国で仕事があった俺の『空間転移』で、アキレア王国に転移すると、ド直球の告白を披露した。


 その告白は、とてもルニアらしいものだった。


 俺はこれまでの出来事を思い出していると、早速、酒を飲み切った。


 「ちょっと!分かってわよね?」


 「大丈夫。そのくらいの礼儀はわきまえている」


 俺はステナリアと小声でそのような会話をすると、並んでいる料理を取り始めた。


 目の前に並んでいる料理は、この結婚パーティに参加している各国の一流料理人が作った、この世の最高級の料理だ。


 スカシユリ王国とメアロノロス王国とアキレア王国の見たことある料理もあれば、見たことのない料理がありに、リソウス王国の料理に関しては、見たことのない料理ばかりが並んでいる。


 俺は初めて見る料理を取り始めた。


 「はぁ。あなただけですよ?料理を取っているのは・・・。ラノア、あなたのお兄さんは、「そのくらいの礼儀はわきまえている」なんて言っておきながら、全然、わきまえられてないんだけど」


 「はい。本当に残念な兄です」


 ・・・ちょっと、二人とも?


 「そんなに言う?」


 まぁ、確かに、俺とステナリアとラノアの三人以外の全員は、今回の主役であるルニアとナノハさんのところに集まっている。


 そこでは「おめでとうございます!」「これからもよろしくお願いします!」などを、ルニアとナノハさんに言っている。


 でも、あのくらいのことなら、俺たちはいつでも言える。


 「貴族ならまだしも、王族相手ですよ?いくら、親友同士だからって、こういう公衆の場ではちゃんとしないと!」


 なるほど。貴族ならしなくていいのか・・・という、それって、貴族差別じゃないですか!?


 そして、皆がルニアとナノハさんたちに挨拶をしている時に、俺がステナリアに説教をされること十分。


 ようやく、ステナリアの説教から解放されると、皆が料理を取り始めた。あぁ、俺が取った料理はもう冷めているだろうな・・・


 俺は冷めてしまった料理たちを眺めていると、今回の主役の声が聞こえて来た。


 「この度は、私たちの結婚パーティーに来てくれてありがとう。ディア公爵、ステナリア公爵夫人、ラノア嬢」


 「あぁ、ルニ「こちらこそ、ご招待していただきありがとうございます。今日は楽しませてもらいます」・・・はい」


 ルニアに俺が答えようとしたが、ステナリアに横入りされた。すると、ルニアの横に居るナノハさんと、俺の右斜め後ろに居るラノアから笑われた。


 ナノハさんはいい。王族から笑われるのは、名誉なことだと思う。でも、ラノア、お前から笑われるのは、全然名誉なことじゃない。だから、お前は許さないぞ?


 そして、ルニアはステナリアとの会話をし終わると、俺の首に腕を回してきて、俺の耳元で言った。


 「実は俺たち・・・できたんだ」


 「おぉ~、何ができたんですか?もっと大きな声で、俺に教えてくださいよ。ルニア陛下?」


 俺は小さな声でそう言ってきたルニアとは違い、このパーティー会場全体に聞こえるように言った。


 俺がそう言うと、ルニアは「バカか!?」と言ってきて、俺に頭を叩いた。


 ナノハさんを見ると、ナノハさんは顔が赤くなっており、ステナリアがそんなナノハさんを抱きしめると、まず、ラノアから背中に一撃を受けた。


 そして、ステナリアが指の骨を鳴らしながら近づいて来ると、俺の顎を掴み、俺はステナリアの顔の目の前まで、引き寄せられた。


 「あなたなら・・・いや、あなたじゃなくても、ルニア陛下が言っている意味は分かりますよね?それを分かったうえで、こんなことを・・・」


 そして、ステナリアは俺の顎から手を離すと、ステナリアは人差し指を下に向けた。


 そう。これは・・・


 「ルニア陛下!ナノハ陛下!この度は、誠に申し訳ございませんでした!そして、ナノハ陛下、ご懐妊おめでとうございます!!」


 土下座の合図だ。


 「「「「「おめでとうございます!!!」」」」」


 俺から、次に、皆からそう言われたルニアとナノハさんは、「ありがとう!」と言いながら、笑っている。


 ふぅ。やり切った。


 ルニア、これが、親友からの贈り物だ。

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