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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

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131話 目覚め

 「ディア!こっちだ!早く来てくれ!!」


 「・・・はぁ。これが、三日前に死にかけ状態だった人が受ける仕打ちか?」


 俺はそう思いながら、軽い運動をして、呼ばれた所へ走って向かった。


 そして、今日も俺の仕事が始まった。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 享年四十歳・・・そんな風に思ったあの死にかけ状態だった俺だったが、目を覚ますと、見覚えのあり過ぎる天井が目に入った。


 この天井は、俺がステナリアに殴られて気絶した時に、いつも目を覚ますと俺の目に入って来る天井。この部屋の天井だけ、なぜか、小さな穴が空いている。


 目を覚ますと、小さな穴が空いている天井が目に入る。このようなことを、百回以上繰り返せば、忘れることはない。いや、三回でも忘れることはないだろう。


 そして、あの時、本当に分からなかった体の動かし方が、今では当然かのように分かる。


 刺された腹の二か所は既に完治しており、赤目の超人に蹴られて、変な方に曲がってしまった右腕も元に戻っている。


 俺は体を起き上がらせると、横の看病用の椅子で、ステナリアが太陽の光に照らされながら眠っていた。


 俺はベットの上で土下座になると、ステナリアに精一杯の土下座を披露した。あなたのおかげで、俺は・・・


 「ディア!大丈夫か!?」


 ・・・何で、お前はこんなにタイミングが悪いんだ?まぁ、お前だったら、何を見られても何も感じないけど。


 俺がベットの上で華麗な土下座をきめている時に部屋の扉が開かれると、メアロノロス王国の第二王子であり、俺の親友である、ルニア・メアロノロスが部屋に入って来た。


 俺はこちらへ飛び込んでくるルニアを避けると、その避けた先には、眠っていたステナリアにぶつかった。しかも、ルニアは頭がぶつかり、ステナリアは顔面がぶつかった。


 「イッタァ…」


 ステナリアとルニアがぶつかると、ルニアはすぐに起き上がったが、ステナリアは鼻を抑えながら、ゆっくりとそう言いながら、起き上がってきた。


 これは・・・来る!!


 「ディア!体は大丈夫なのか!?心配したんだぞ!あのディアが、意識が戻らない程の重傷を負うなんて!」


 心配してくれていたことは嬉しいが、そんなことを言っているルニアの頭を掴むと、思いっきりベットへ叩きつけた。


 「ビュンッ!!」


 ・・・がチギレちゃいますか?ステナリアさん・・・?


 今の音を聞いた人なら分かる。


 ただの腕の一振りで、剣でも振り下ろしたかのような音がしたのだ。


 恐る恐る、ステナリアの顔を見ると、ステナリアは鼻血を出しており、顔は見事に怒りを超えて、とても美しい笑顔だった。


 そして、俺はベットに押さえつけているルニアを押さえつけてまま、俺の方へスライドさせた。


 俺がルニアをスライドさせた一秒後、ルニアの頭があった所にステナリアの拳が埋まっている。


 「ディア!放せ!!」


 俺はベットに押さえつけているディアからそのように言われると、俺はイラついたので、更に、ルニアの頭をベットへ押し付けた。


 「お前のせいでこうなってるんだよ!!」


 確かに、俺が突っ込んでくるルニアを避けなければよかった話だが、あれは誰でも避けるだろう。


 というか、そもそもの話。普通、飛び込んでくるか?


 もし、俺の怪我が治っていなくて、お前の飛び込みを受けて、俺の怪我が悪化したらどうするんだ。


 そう。俺には、ちゃんとした理由を持って、飛び込んでくるルニアと避けたのだ。

 

 そして、ステナリアは大きく腕を引くと、その引いた反動を使い、ステナリアの拳がなぜか俺に向かって来た。


 ・・・何で!?


 そのステナリアの拳の速度は、重傷を負って、目を覚めたばかりの俺には追えなかった。今までのステナリアの攻撃は、多少は見えていたが、ほぼ勘で避けていた。


 俺はルニアを押さえつけるのを止めると、物理障壁を張って、ステナリアの拳を防ごうとしたが、ステナリアの拳は俺の張った物理障壁を破壊した。


 だが、それと同時に、ステナリアの拳も止めることが出来た。


 俺は「ふぅ」と息を吐いて、ステナリアの顔を見ると、ステナリアは不敵な笑みを浮かべた。


 そして、俺の目の前にあったステナリアの拳は、いきなり、俺の目の前からなくなった。


 「イ"ッ!!」


 ステナリアの拳が俺の目の前からなくなると、俺が押さえつけているルニアの方から、そのような声が聞こえた。


 そして、俺は先程のステナリアの不敵な笑みの意味が分かって、ルニアの方を見ると・・・


 ステナリアの拳が見事に頭に当たっており、ルニアは声を出してから動かなくなった。


 「あの~ステナリアさん?これで、満足でしょうか?」


 「えぇ。とても満足です」


 「あ、ハハ。そうですか・・・」


 そして、次は、ルニアが俺が眠っていたベットで、目を覚ますことになった。


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