表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

114/174

114話 ステナリア、ありがとう

 「ん」


 閉じている目に光が掛かり、目を開けると、そこはベッドの上。


 あれ?確か、俺は四国最強決定戦パーティーで、溜めていた酒欲を一気に解消しようと思って酒を・・・!


 そうだ!俺はあの悪魔に渡された料理を食べて、眠らされたんだ!


 俺はあの悪魔ことステナリアを探しに行こうとして、立ち上がると、上の服を着ていないことに気付いた。


 なぜだ?


 俺は眠っていたベッド周りに上の服がないか探したが、見つからなかった。


 これで、外へ出たら、変態扱いされるだろうな・・・


 俺は魔法空間から、予備の上の服を取り出し、着た。


 そして、俺が眠っていた部屋の扉をすごい勢いで開けると、ステナリア探しが始まった。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 部屋の外へ出ると、そこはとても見覚えのある所だった。


 ということは、ここはアキレア王国の王宮。


 ふふっ。俺はアキレア王国の王宮に一か月ほどお世話になったんだ。王宮の隅から隅まで知っている。


 だが、ステナリアは王女だが、一応、四国最強決定戦の選手なので、宿に居るかもしれない。それか、もう四国最強決定戦が終わったので、王女を宿に泊まらせるわけにはいかないと思い、王宮で休ませたか。


 索敵魔法を使おうとしたが、それじゃあ、面白くない。


 俺は初めにリビングへ来た。


 リビングには、ステナリアもいなければ、人もいなかった。


 ・・・今って何時だ?


 俺は左腕に巻いている腕時計を・・・ない!


 もしかして、俺の上の服を持っている奴が、俺の腕時計も持っているのか。


 俺は次にダイニングへ向かった。


 そして、ダイニングへ走っていると、俺は思い出した。


 俺は走るのを止めて、魔法空間の中を探っていると、俺が求めていた物の感触があった。


 俺が求めていた物を魔法空間から取り出すと、俺の腕時計が出て来た。


 そう言えば、今までは戦闘で時計が壊れないために、腕から外して、魔法空間に入れていたんだった。


 ふぅ。やはり、酒を飲んだ次の日は、頭が悪くなっているな。


 俺は左腕に腕時計を付けると、再び、リビングへ向かって走り出した。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 リビングへ着くとそこには、ルニアとナノハさんそして、悪魔ステナリアが、お菓子を食べながら、紅茶を飲んだりして、楽しそうに話していた。


 俺はステナリアが目に入った瞬間、ステナリアのことしか視界に入らなくなり、俺はステナリアに向かって歩き出した。


 並び順は、ナノハさんとステナリアが隣同士で、その前にルニアが、ルニアはナノハさんの正面に居る。


 ということは、ステナリアの前が開いているということ。


 俺は三人が楽しんでいる所に着くと、ルニアの横、ステナリアの前の位置に座った。


 「あっ、ディアさん!目を覚ましたんですね!」


 「はい。おかげさまで」


 俺はナノハさんにそう笑顔で答えた。


 俺はナノハさんに答えた笑顔のまま、ステナリアの顔を見た。


 ステナリアを見ると、ステナリアも笑顔で俺のことを見ていたが、顔を引きずらせていた。そして、それを隠すかのように、紅茶を飲んでいる。


 俺はそんなステナリアの行動を見て、俺は笑みがこぼれたのを紅茶を飲んで、紛らわしていると、横でナノハさんと楽しそうに話していたルニアが、俺の言った。

 

「あ、そう言えばディア。ステナリアに感謝しろよ。あいつ、お前の酔いを回復魔法で治したんだからな」


 ・・・なんっ…だと!?


 俺は笑みを隠すために飲んでいた紅茶を吹き出した。


 そして、その吹き出した紅茶は、見事に・・・前に居るステナリアに掛かった。


 ステナリアは、入れたてで、熱い紅茶が掛かったのにも関わらず、飲んでいた紅茶を皿に置いて、隠れていた口元が現れると、ステナリアの口元は笑っていた。

 

 こいつ…引きずっている笑顔を隠すために紅茶を飲んでいたのではなく、酔いを回復魔法を掛けて助けてやったのも知らずに、眠らされたことを怒っている俺を見て、笑ってしまったのを隠すためだったのか。


 やはり、こいつは悪魔だ。


 「ど、どうした!?」


 「いや、何でもない」


 俺はルニアにそう言うと、立ち上がり、体を九十度に曲げて言った。


 「・・・ありがとうございます…ステナリアさん」


 「ふふっ。友達として、当然のことですよ」


 俺の顔は笑っていないが、ステナリアは声色的に笑っていただろうな。


 「なぜ、敬語?」

 

 そう言うルニアを無視して、ステナリアは紅茶で濡れた服を着替えに行った。


 俺はリビングから、ステナリアの姿が見えなくなると、九十度に曲げていた体を元に戻して、座った。


 「ステナリアと何かあったのか?」


 「・・・俺は昨日、あいつに、たぶん「御寝草」だったと思うが、それを料理に入れられていて、眠らされたんだ」


 「あぁ!だから、急に酒の減りが遅くなったのか」


 今、戻れるなら、リビングに来る前に戻りたい。


 今、考えれば分かる。


 なぜ、あんなにも酒を飲んだのに、二日酔いの影響が出てこなかったのか。


 朝はステナリアのことしか考えることが出来ず、それ以外のことに思考を使うことを止めていた。


 「そして、回復魔法を掛けられたことを知らずに、眠らされたことだけが俺が分かっていたことだ」


 俺は吹き出した紅茶に入っていた残りの紅茶を一気に飲むと、お菓子を食べた。


 ・・・こうして、紅茶を飲み、お菓子を食べれるのも、ステナリアが俺を眠らせて、俺に回復魔法を掛けて、二日酔いを治してくれたおかげだ。


 感謝したくないが、感謝しないとバチが当たりそうなので、ここは感謝しておく。


 ステナリア、ありがとう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ