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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

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109話 魔法対物理頂上決戦

 体を動かしのを止めて、ロウバイ陛下のアナウンスを待つこと十分。ロウバイ陛下のアナウンスが闘技場内で流れた。


 『魔法対物理頂上決戦に出場する選手は、闘技場へ出て来てくれ』


 ロウバイ陛下がそうアナウンスを流すと、観客たちは歓声を上げた。


 確かに、「魔法対物理頂上決戦」なんて名前を聞くと、やっぱり盛り上がるな。


 控室に居る選手たちも、初めて「魔法対物理頂上決戦」聞いたので、「おぉ!」と、その名前に驚いていた。


 魔法対物理頂上決戦は、魔法戦勝者スカシユリ王国ディアVS物理戦勝者アキレア王国ハイライト。


 ロウバイ陛下のアナウンスが流れるまで、ずっと体を動かしていたハイライトが呼ばれるとすぐに闘技場へ出て行った。


 ハイライトに続いて俺も闘技場へ出た。


 これは、試合前なので、観客たちには手を振らずに闘技場の真ん中に来て、試合前の握手をする。


 ・・・うん。痛い。


 俺は顔には出さなかったが、心の中では発狂している。


 やっぱり、剣を使う人は握力が強いからか、握手するときはいつも痛い。


 握手をし終わると、俺たちはいつも通り、試合の定位置に着いた。


 定位置に着くと、ハイライトは剣を鞘から抜くと、右手で持った。


 そして、空いている左手は、手のひらを大きく開いている。


 『両者準備はいいな?・・・では、魔法対物理頂上戦争、開始!!』


 ロウバイ陛下より開始宣言がされると、ハイライトは左手で空気を掴む動作をした。


 俺はハイライトのその動作を見ると、魔力をいつも使う時よりも何倍も練った『ウィルド』をハイライトの左手を目掛けて放った。


 俺が放った『ウィルド』は普通の『ウィルド』ではなく、魔力を何倍も練った『ウィルド』


 そのため、通常の『ウィルド』よりも『ウィルド』の大きさは小さい。


 だが、その分、威力は強くなり、速度も速くなる。


 ハイライトは俺の『ウィルド』を避けることが出来ず、空気を掴んでいたであろう左手に『ウィルド』が当たった。


 しかし、ハイライトは左手に魔力を練った『ウィルド』を受けたのに、空気を掴んだ状態を維持している。


 だが、空気を掴んでいる左手に『ウィルド』が当たったので、少しは『ウィルド』で、空気が左手の中から逃げているだろう。


 すると、ハイライトは右手で持っていた剣で、物凄い速度で十字を書くように剣を振った。


 そして、剣を振るとすぐに、左手で掴んでいる空気を十字を書いた所へ投げた。


 俺はそれを見ると、ハイライトがしようとしていることが分かったので、身体魔法を使って右へ避けた


 「ビュ!!」


 俺が右へ避けると、俺の左耳にそのような音が入って来た。


 そして、闘技場の壁に空気玉がぶつかった。


 身体魔法を掛けたのに、ギリギリか・・・


 俺はハイライトへ目をやると、ハイライトはまた左手で空気を掴む動作をしていた。


 俺は『ウィルド』で空へ飛んで、『ノウムコールド』をハイライトに放った。


 俺はこの試合、主に風魔法を使っていくことにした。少しでも左手の中の空気を減らすために。


 ハイライトは俺の『ノウムコールド』を左へ動いて避けると、俺は『ウィルスラッシュ』をハイライトへ放った。


 そして、『ウィルド』を自身に掛けてハイライトに近づいて、『ウィルスラッシュ』を避けたハイライトが、左手をこちらに向けていることが分かると、俺は首を横にした。


 「ビュ!!」


 すると、先程避けた空気玉と同じような音が左耳に入って来た。


 俺は『スイホール』を使って、ハイライトに近づく。


 今、ハイライトが空気を掴んでいるのか分からないが、ずっと姿を見せるより、隠した方が俺はやりやすい。


 そして、『スイホール』が消えて、ハイライトが左手をこちらに向けていたので、右へ避け・・・ずに左へ避けると、俺は腹に衝撃が走った。


 「ウ"ッ!」


 俺は腹を抑えてしゃがんだ。


 俺は腹を抑えながらも、ハイライトがこちらへ走って来るのを見て、設置魔法『アルテレリー』を設置した。


 そして、『アルテレリー』が発動してハイライトが避けるのを見て、俺は『レグロス』と『ノウムコールド』を放った。


 これは、『レグロス』と『ノウムコールド』が合わさった火の竜巻が、ハイライトが掴む空気を熱くできるのかという実験。


 これで、もし、ハイライトが少しでも今までと違う反応を見せたら、勝ちの道が広がる。


 ハイライトが右へ火の竜巻を避けて、左手を大きく広げた。


 そして、ハイライトが空気を掴むと、そのまま俺に空気玉を放った。


 その少しだけ赤い空気玉を俺はもちろん・・・避けれずに、左肩に直撃した。


 「オ"ォォッ!!!」


 俺は左肩を抑えながら、そのような声を上げているが、俺の顔は笑っている。だが、同時に涙も出て来た。


 マジで痛い。絶対、骨にヒビ入ってるよ、これ。


 腹に当たった空気玉の痛みが無くなったすぐに、それ以上の強烈な痛み。


 もし、俺の実験が失敗で終わっていたなら、俺は今頃、『ウィルド』で空気玉を避けながら、魔法でごり押ししているだろうな。


 だが、俺の実験は成功した。


 ハイライトが火の竜巻を避けて、空気を掴もうとした時に、ハイライトの口元が「イ"ィ!」と言っているのを俺は見た。


 俺がハイライトの空気玉に当たったのは、ハイライトの表情や動作に意識を集中し過ぎだったから。


 代償はあったが、得たものの方が大きい。


 俺は左肩に手を置きながら、ハイライトに『ファイアサイクル』を二回放った。


 今、ハイライトは二重の『ファイアサイクル』の中に居る。


 さらに、『レグロス』と『ノウムコールド』を合わせた火の竜巻を放つと、『ファイアサイクル』を囲むように魔法障壁を張った。


 こうすることで、『ファイアサイクル』の熱気と、火の竜巻の熱気を魔法障壁で封じ込めることで、ハイライトの周りの空気を熱くする。


 先程の火の竜巻でも熱かったなら、この熱さでは空気を掴むことは出来ないだろう。


 俺は『ウォルキーン』を放つ準備に入った。


 普通の『ウォルキーン』なら、避けられたり、剣で弾かれる可能性もあるので、出来る所まで『ウォルキーン』の性能を高める。


 普通の『ウォルキーン』の五倍の魔力を使い、その魔力を練る。


 「イ”ッ」


 左肩の痛みのせいで集中力がそがれて、中々魔力を練ることが出来ないが、徐々に練れてきている。


 そして、十二秒を掛けて魔力を練り終わると、俺は『ファイアサイクル』と火の竜巻が消えたのを見て、魔法障壁を止めると、練りに練った『ウォルキーン』をハイライトに放った。


 ハイライトは俺の『ウォルキーン』を見ると、剣を両手で持ち『流空剣』という技を使った。


 聞いたことのない技だが、『流空剣』という名前からどういう技なのかは分かる。


 俺の『ウォルキーン』をハイライトは『流空剣』で受け流そうとしているが、練りに練った『ウォルキーン』を簡単に受け流すことは出来ない。


 そして、俺の『ウォルキーン』は、ハイライトの『流空剣』に耐えて、『ウォルキーン』はハイライトへ直撃した。


 『ウォルキーン』が直撃したハイライトは、闘技場の壁にぶつかった。


 土煙が消えて、ハイライトの姿が見えると、ハイライトは気を失っていた。


 『魔法対物理頂上決戦!勝者は魔法戦勝者スカシユリ王国ディア!!』


 「「「「「ウォォォォ!!!!」」」」」

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