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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

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106話 魔法戦準決勝第二回戦

 マジリカと共に、控室に帰って来ると、マジリカは自ら医務室に行った。


 そして、俺はとういうと・・・


 「あの~ステナリアさん。治療をお願いしてもよろしいでしょうか?」


 「えぇ、いいわよ」


 ナノハさんや他の女性選手と楽しそうに話していたステナリアにそうお願いすると、ステナリアは笑顔でそう言って、引き受けてくれた。


 俺はステナリアに肩の傷を見せると、ステナリアやナノハさん、その他の女性選手が口を抑えて、目を丸くした。


 「ディア・・・痛くないの?」


 「う~ん、ちょっとだけ痛いな」


 俺がステナリアにそう返すと、俺の傷を見た人たちからは、「嘘だろ、こいつ・・・」みたいな目が俺に向けられた。


 「これはもう、怪我とは言えないんじゃないですか?だって、身が削れてるんですよ?」


 ナノハさんが俺の傷を見てそう言うと、皆が体を震わせた。


 「この怪我に耐えれたのも、今までの賜物ですよ」


 俺はそう言うと、怪我を治そうとしていたステナリアに目を向けた。


 そして、俺に釣られて、皆もステナリアに目を向けた。


 ステナリアは常に視線を集めるからか、皆の視線に気づかずに、俺の肩の傷の治療をしてくれた。


 俺の肩の傷から光が出て、だんだん赤いところが、俺の肌の色になって行く。


 そして、それと同時に肩の傷の痛みもなくなって来た。


 光が消えると、ステナリアは俺の傷があった所から手を離した。


 「おぉ!やっぱり、回復魔法はすごいな!」


 俺は痛みが完全になくなった肩をそう言いながら、回しまくっている。


 だが、そんな俺よりも皆は、ステナリアの方を見ている。


 「・・・皆さん、どうして私を見ているのですか?」


 流石に気になったのか、ステナリアは自分を見ている皆にそう聴いた。


 そう聞かれた皆は、顔を合わせながら「誰が言う?」みたいな感じになっていると、ナノハさんが皆の代表として、ステナリアに聴いた。


 「・・・ステナリアさん!ディアさんにいったい、何をしたんですか!!」


 ナノハさんの質問にステナリアは、初めは「?マーク」を浮かべていたが、ステナリアは質問の意味が分かると、顔を赤くした。


 ステナリアが顔を赤くすると、皆はさらにステナリアに詰め寄った。


 「え、えーと・・・まぁ、ちょっとだけ、殴ったり?」


 「ちょっとじゃなだろ。めちゃくちゃだろ…」


 「「「「「えぇ!!!」」」」」


 俺が本当に小さな声でそう言うと、なんと、全員に聞こえていたようだった。


 皆がさらにステナリアに詰め寄る中、俺はステナリアに両手を縦に合わせて、「ごめん」と「ありがとう」の二つの意味がこもったポーズをした。


 後ろでは、ステナリアの泣き声や皆の「キャァァァ!!」という声が聞こえて来た。


 一国の王女が暴力を振るなんて、誰も思わないだろう。しかも、ステナリアはそんなことをしそうにない雰囲気を持っている


 そして、俺の試合観戦の定位置に帰って来ると、ロウバイ陛下のアナウンスが鳴った。


 『魔法戦準決勝第二回戦に出場する選手は、闘技場へ出て来てくれ』


 魔法戦準決勝第二回戦は、リソウス王国アトリウスVSリソウス王国アルス。


 リソウス王国対決。しかも、王と部下という対決。


 「アトリウス、手加減入りませんよ」


 「はい。もちろんです。アルス様こそ、手加減は不要です」


 「ふふっ、分かってるわ」


 アルスとアトリウスはそんな会話をすると、闘技場へ出て、闘技場の真ん中で握手を交わし、試合の定位置に着いた。


 エルフ同士の対決だからか、今まで以上に試合開始前は盛り上がっている。


 『両者準備はいいな?・・・では、魔法戦準決勝第二回戦、開始!!』


 ロウバイ陛下より開始宣言がされると、アルスとアトリウスの二人は『エクスプロージョン』を開始早々に放った。


 こんなことが出来るのは、エルフの魔法に長けていて、元々の保持魔力量が多い「エルフ」ということ。


 人間が最初から『エクスプロージョン』なんて放ったら、もう戦える魔力は残っていない。


 これは、エルフという種族(と俺ことディア・シュラスト)にしか出来ない、試合の始め方。


 この試合の始まり方に、観客たちはめちゃくちゃ盛り上がっている。


 そして、アルスは『フラリュージ』をアトリウスに向かって・・・いや、アトリウスの頭上に向けて放った。


 アルスが放った『フラリュージ』は、アトリウスが居る辺りに落ちた。


 この流れ・・・どこかで見たことあるな。っていうか、体験したな俺。


 アルスの行為の意味が分からなかったアトリウスだったが、アルスの狙いが分かると、すぐに魔法障壁を張った。


 なぜ、アトリウスは狙いが分かると、魔法障壁を張ったのか。その理由は・・・


 「『サウライジング』」


 あれ?


 俺の体験したものと、違う魔法が放たれたんだが・・・


 雷魔法の最上級魔法『サウライジング』は、範囲を設置して、その設置した範囲内に千の雷を降らせる魔法。


 そのため、魔力消費量も中々だ。


 俺が体験したのは、『サウライジング』ではなく『ヒョウズ』で、『ウォル』から放たれた水を『ヒョウズ』で凍らせて、水を浴びた自分も『ヒョウズ』で凍らされるところだった。


 だが、今回は『サウライジング』をアルスは放った。


 ということは、アルスが狙っているのは、感電だろう。


 アルスの『サウライジング』が、アトリウスの所へ落ちると、アトリウスの周りは水と雷が合わさり、水が「雷入り水」になってしまった。


 そして、魔法障壁で『サウライジング』を防いでいるアトリウスだが、『サウライジング』の方が威力が高かったので、アトリウスの魔法障壁が割れた。


 魔法障壁が割れたアトリウスは、『サウライジング』が直撃して、足元の水も雷と合わさって、「雷入り水」になった。


 アトリウスは『サウライジング』と「雷入り水」の感電により、「アァァァァァ!!」と、とても痛そうな声を出して、その場に倒れた。


 アトリウスがその場に倒れると、アルスは『クリア』で「雷入り水」を消した。それと同時に、アトリウスの体に流れている電流も消した。


 『魔法戦準決勝第二回戦、勝者はリソウス王国アルス!!』


 アトリウスは係員に医務室へ運ばれて行った。


 アルスは試合終了の握手を出来ないので、握手をせずに、控室に帰って行った。


 

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