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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

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104話 魔法戦準々決勝第四回戦

 『魔法戦準々決勝第四回戦に出場する選手は、闘技場へ出て来てくれ』


 魔法戦準々決勝第四回戦は、スカシユリ王国ノヴェルVSリソウス王国アルス。


 ノヴェルとアルスの二人が闘技場へ出ると、アトリウスは顔を上げた。


 顔を上げたアトリウスは、目の下が赤くなっていて、笑顔を必死で隠そうとしている。


 俺の視線に気づいたアトリウスは、俺のことを急に睨んできた。


 「なんですか?」


 「いえ、何でもないです」


 俺がそう言うと、アトリウスは再び顔を先程の笑顔を隠そうとしている顔になった。


 「ふふっ」


 すると、闘技場へ出て行ったアルスがアトリウスを見てそう笑うと、アトリウスは、再び顔を下げた。


 それを見たアルスは、再び微笑んだ。


 そして、ノヴェルとアルスの二人は、闘技場の真ん中で握手を交わし、試合の定位置に着いた。


 『両者準備はいいな?・・・では、魔法戦準々決勝第三回戦、開始!!』


 ロウバイ陛下より開始宣言がされると、アルスは『エイロック』を放った。


 俺はその『エイロック』を見て、ため息を吐いてしまった。なぜなら、アルスの放った『エイロック』の岩の槍の数はざっと五十本。


 そして、『エイロック』を見たノヴェルもため息を吐いたが、同時に笑いが浮かんだ。


 『ランブル』


 ノヴェルは第七回戦で、対戦相手だったリリアが『エイロック』を『ランブル』で防いでた。


 その時は、一個の『ランブル』に一つの『エイロック』で、五個の『エイロック』を防いだが、その他の十本の『エイロック』は魔法障壁で防いでいた。


 だが、今回は、一つの『ランブル』に一つの『エイロック』だとしても、残りの四十五本の『エイロック』は自分で防がないといけない。


 十本なら避けたりしてかわすことが出来るが、四十五本ともなると、避けても後から来るたくさんの『エイロック』の岩の槍が来るので、結局魔法障壁を張らないとやられる。


 だったら、最上級魔法を使うための魔力を魔法障壁に使った方がいいような気がする。


 ・・・・・・と思っていたら、結果的に、二十五本の岩の槍がノヴェルを襲った。


 俺の予想していた四十五本からの二十本減の二十五本ということは、そのに十本の岩の槍は何処へ行った?という話なのだが、それは、目の前の景色を見たら分かる。


 なんと一個の『ランブル』に、岩の槍が五本ずつ入っていたのだ。


 数が多くなった分、動きが同じ槍も増えたということだから、普通は前線には五本の岩の槍だが、五十本に増えたということで、前線が二十五本の岩の槍が出来た。


 動きが同じだからこそ、『ランブル』に閉じ込められた。


 もし、『エイロック』の岩の槍が操縦できるものなら、俺の予想していた四十五本がノヴェルを襲っていただろう。


 ノヴェルは二十五本の岩の槍を避けたり、魔法障壁で防いだりして、アルスの『エイロック』を防いだ。


 だが、まだ『ランブル』の中にニ十本の岩の槍がある。


 ノヴェルとしては、アルスと位置交換をしたいだろう。


 アルスの方へ行けば、二十五本の岩の槍は絶対に当たらない。


 ノヴェルは『ウィルド』を使って空へ飛ぶと、アルスの方へ行くために自分へ『ウィルド』放った。


 そして、ノヴェルは『ホーミング』を放って、『ランブル』に当てると、『ランブル』は破裂して閉じ込められていた『エイロック』の岩の槍は、ノヴェルが居た所の地面に突き刺さった。


 『エイロック』を完全に防いだノヴェルは、観客から大きな歓声を貰った。


 それを見たアルスは、突然、飛んでいるノヴェルへ手を向けると、ノヴェルに『ウィルド』を放った。


 突然のことに魔法障壁を張れなかったノヴェルは、アルスの『ウィルド』を受けると、物凄い速度で、皆が見えなくなるくらい高く飛んで行った。


 あの勢いで飛んで行ったなら、ノヴェルは今頃、宇宙にでも居るのではないだろうか。


 索敵範囲がめちゃくちゃ広い、俺の索敵魔法を使っても、ノヴェルの気配を感じ取ることが出来ない。


 ということは、本当に宇宙へ行ったのか?しかも、それだけ強い威力だった『ウィルド』を魔法障壁なじで受けたということは、もしかしたら、もう戦闘不能になっているかもしれない。


 ・・・それにしても、全然帰ってこない。


 アルス、どれだけ強い『ウィルド』を放ったんだよ・・・


 と思っていると、青く綺麗な空が急に、赤い空になった。


 そして、その赤い空は、時間が経つとより色が濃くなっていき、観客たちは、だんだん熱くなってきただろう。


 これで、観客はこれが『レグロス』だということが分かっただろう。そして、これはノヴェルが放った魔法だということも。


 観客席の周りは魔法障壁を張っているから、普通なら選手が感じている魔法の熱さや冷たさを感じないが、観客の上の方には魔法障壁を張っていないので、初めて魔法の脅威を生身で感じている。


 だが、この魔法は観客席には当たらないような大きさなので、怪我をする心配はない。なので、観客はこの大迫力を何も心配することなく、見ることが出来る。


 俺はアルスに目を向けた。


 すると、アルスの目線は、『レグロス』に向いているが、俺にはその先を向いているように見える。ノヴェルが居るだろう『レグロス』の向こう側を。


 そして、その目のは、魔法戦第八回戦でも見た「獲物を見るような目」である。


 『レグロス』は闘技場にちょうど収まるような大きさをしているので、アルスは逃げることが出来ない。まぁ、アルスが逃げれるとしても、逃げるとは思わないけどな。


 アルスはそんな中、右手を銃の様にすると、人差し指の先に『ウォルキーン』を準備し始めた。


 アルスが準備している『ウォルキーン』は普通ではなく、魔力調節で強くした『ウォルキーン』


 その証拠に、通常の『ウォルキーン』の十倍以上の大きさの『ウォルキーン』が、指先から放たれようとしている。


 そして、『レグロス』との距離が二メートル程になると、アルスは指先から『ウォルキーン』を放った。


 アルスが放った『ウォルキーン』は、すごい勢いで『レグロス』の中に入って行った。


 そして、『レグロス』はアルスにぶつかった。


 それと同時に、『レグロス』が爆破すると、ノヴェルの姿が見えた。そして、先程アルスが放った『ウォルキーン』が、見えたばかりのノヴェルに直撃した。


 ノヴェルは魔法障壁を張ったが、アルスの『ウォルキーン』に耐えれず、魔法障壁が割れて、『ウォルキーン』がノヴェルを襲った。


 そしてまた、ノヴェルは空高く飛んで行った。


 対するアルスは、『レグロス』が消えると、何事もなかったかのように、『レグロス』から姿を現れた。


 それに対してノヴェルは、魔法戦第八回戦のメアロノロス王国ガリオのように、服が焼けて、裸になって空から落ちて来た。


 さらに、うつ伏せで落ちて来たので、大事な所は守られている。

 

 俺たちは魔法戦第八回戦と同じ風景を今、見ているのか?


 アルスは裸にするのが好きなのか?いや、そうじゃないことは分かっているのだが・・・


 落ちて来たノヴェルは気絶していたので、係員に医務室へ運ばれて行った。


 『魔法戦準々決勝第四回戦、勝者はリソウス王国アルス!!』


 そして、アルスは魔法戦第八回戦と同じように、長い金髪をなびかせて、控室に帰って行った。

 

 

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