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目の色で能力が決まる世界。この世界で俺はオッドアイ  作者: 北猫新夜
就任、そして四国最強決定戦

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101話 魔法戦準々決勝第一回戦

 アルスは控室に帰って来て、魔力ポーションを貰いに行ったのから帰って来ると、先程の試合の感想を俺に聴いて来た。


 「エルフの王に相応しい試合だったと思います。でも、やり過ぎじゃないですか?」


 「本物の青目と水目の超人なら、あんな攻撃、少し考えればかわせたはずよ。だから、あれをかわせなかったガリオはやっぱり偽物なの」


 「えっ、かわせる?」


 『イグナス』と『ノウムコールド』が真正面から来て、逃げようとしても、『イグナス』と『ノウムコールド』に逃げ道が防がれていたのに?


 俺だったら魔法障壁で耐えれるが、他の人は無理じゃないか?


 「そうよ。まぁ、かわすのは無理でも相打ちにすることなら出来るわ。それを瞬時に考えついて実行できるのが、本物なの」


 「俺・・・相打ちの仕方、思い浮かばないんですけど・・・」


 俺はアルスにそう言うと、気まずい雰囲気になった。


 「ま、まぁ、ディアは防げるからそんなこと考えないわよね。そうよね?」


 「あ、あぁ。俺はいつも、相打ちなんてものより自分が勝つことしか考えていないからな」


 俺たちはお互いに頷きあった。


 『魔法戦準々決勝第一回戦に出場する選手は、闘技場へ出て来てくれ』


 魔法戦準々決勝第一回戦は、スカシユリ王国ディアVSメアロノロス王国ミセラ


 俺は闘技場へ出る前にアルスに言った。


 「この試合終わったら、相打ちの仕方、教えてくださいね」


 俺はアルスにそう言って、闘技場へ出た。


 そして、闘技場の真ん中で握手を交わし、試合の定位置に着いた。


 『両者準備はいいな?・・・では、魔法戦準々決勝第一回戦、開始!!』


 ロウバイ陛下より開始宣言がされると、ミセラは開始早々『エクスレーション』を放ってきた。


 俺は魔法障壁を張り、『エクスレーション』の爆破の中に居る。爆破の中は、『エクスプロージョン』と同じように赤色だ。


 俺は魔法障壁を張りながら、『エクスレーション』の中からミセラに向かって、お返しの『エクスレーション』を放った。


 爆破が終わり、外の景色が見えると、ミセラが横から俺に近づいているのが分かった。俺の『エクスレーション』は避けられていたらしい。


 俺が『エクスレーション』の中から無傷で出て来た事に観客は歓声を上げた。


 迫って来るミセラに俺はやっぱり、索敵魔法は常に使うべきだなと思う。視界だけの情報じゃあ、俺には戦闘は難しい。


 迫って来るミセラは一瞬で勝負を付けるつもりだろう。


 ミセラは『ノウムコールド』を放った後に『レグロス』を放ってきた。


 この組み合わせ、どこかで見たことはないだろうか?そう。先程の魔法戦第八回戦のアルスがガリオに放った魔法の組み合わせ。


 メアロノロス王国自慢の魔法師団長がやられた、最上級魔法に最上級魔法を掛けた魔法の威力をミセラは先程の試合で見ている。


 『ノウムコールド』は進むのが遅いので、後から放った『レグロス』が『ノウムコールド』に追いつくことが出来る。


 『ノウムコールド』と『レグロス』はぶつかると、先程と同じように火の竜巻に変わった。


 間近で見る火の竜巻はやはり格別だ。


 まだ距離があるというのに、身体が熱いし吹き飛びそうになる。だが、これは、魔法障壁を張っていないからこう感じるだけ。


 俺は魔法障壁を張ると、今までの熱さや吹き飛びそうになる程の風力が嘘みたいに消えた。


 そして、火の竜巻は俺を飲み込み始めた。


 火の竜巻の中は、『エクスレーション』や『エクスプロージョン』と同じように赤色が一面に広がっている。


 違うのは、火が渦のように上へ上がっていく。

 

 魔法障壁には、魔力を三百程送っているので、割れる心配はない。


 そして、索敵魔法を使ってミセラの位置を確認すると、俺はミセラが居る所へ向かって『ウォルキーン』を魔力調節で魔力消費100の『ウォルキーン』を放った。


 俺が火の竜巻の中から放たれるとは思わなかったであろうミセラは魔法障壁を張ったが、これだけ魔力消費量の高い魔法を放ったのだから、残り魔力量が少なくなっているのは当然。


 俺の『ウォルキーン』は、ミセラの魔法障壁を貫き、ミセラが壁にぶつかったのを索敵魔法で感じた。


 火の竜巻が消えて、俺がその中から無傷で現れると、先程と同じように歓声が上がった。


 そして、壁にぶつかったミセラは気絶していて、立ち上がることが出来ない。


 『魔法戦準々決勝第一回戦、勝者はスカシユリ王国ディア!!』


 「「「「「ウォォォォ!!!!」」」」」


 今までの魔法戦で最も大きな拍手と歓声を背に、俺は試合終了の握手が出来ないので、握手をせずに、控室に帰って行った。


 その後ろでは、ミセラが係員に医務室へ運ばれて行った。


 ・・・・・・

 ・・・・・・


 控室に帰った俺は、魔力ポーションを貰いに行って帰って来ると、俺はアルスに試合前に約束していたことの答えを聞いた。


 俺はその答えにため息を吐くしかなかった。


 「相打ちの方法は『ノウムコールド』を放つこと。そうしたら、あの火の竜巻がさらに大きくなって、私を巻き込めて相打ちに出来た。まぁ、私は魔法障壁で防いでいただろうけどね。簡単でしょ?」


 「・・・確かに簡単ですけど、『レグロス』と『ノウムコールド』を掛けた魔法を『ノウムコールド』だけで相打ちに出来るとは思わないんじゃないですか?」


 俺は、アルスから「『ノウムコールド』を放つこと」を聞いた時、そんなこと出来るのか?と思った。


 あの火の竜巻に『ノウムコールド』を放っても押し負けるだけと思っていたからだ。


 「まぁ、そこは経験よね。魔法知識をどれだけ持っているか」


 この会話で分かったのは、エルフは魔法についてはやはり、一番物知りと言うこと。


 

 

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