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11 モブダチ

 据え置きゲーム機で楽しそうに遊ぶ詩織を横目で追いながら俺はため息をつく。


「はあ……」


 7人だっけ。

 8人だったか。

 まあどうでもいい。

 気に入らない教師やクソどもを詩織としばき倒した代償は停学だった。

 よく退学にならなかったものだ。


「りょうくん! りょうくん! 個体値6Vの◯ィアルガつかまえたよ‼︎」


「おう…… そいつはよかったなあ……」


 生返事を返しながら俺は床へと寝転がる。

 俺たちがしばいた奴らは大体裏で悪事を働いていたので、こんなもんで済んだのだろうか。


 取り止めもないことを考えていると母親が階下から呼びかけてきた。


「亮介、お友達がお見えよ〜〜」


「は? 友達だあ? まあいいや、通してくれよ」


 俺たちに友達なんていたっけ、とか思いながら待っていると、そういえば見知った顔が現れた。


「こんにちは、中田くん、二ノ宮さん。今時間もらっても大丈夫だったかな?」


「ああ、モブの渡辺? だっけ? 珍しいな、何の用だ?」


「渡辺?くん? こんにちはーー!」


 諦めたように肩を落としながら渡辺は鞄から色々と取り出して手渡してきた。


「君たち2人とも相変わらずひどいね! まあいいや、これ、プリントと君たちが休んでた間のノートのコピー。流石にこれだけ休むと困るでしょ?」


「ああ、そうだな。ありがとうモブ辺」


「ありがとう! モブ鍋くん!」


 少し涙目になりながら渡辺は詩織のゲーム画面をちらと見つめた。


「……もういいよ それで…… 停学中なのに楽しそうだね、君たち」


「まあな! よし、マリカでもやるかモブ鍋」


「……はあ よしやろうか」



 連日マリカで遊んでいる俺たちにモブが敵うはずもなく、何度やっても詩織が勝つ。


「ああくそっ! うまいな君たち。二ノ宮さんも甲羅の使い方がエグい……」


「ゲームばかりやってたからなあ」


「へへっ! ほめられちった!」


「二ノ宮さんに関しては褒めてない……! ああ、また負けた」


 その丸眼鏡の横顔を見つめながら、俺は何気なく問うた。


「なあ、渡辺よ。お前話にくいことがあってウチに来たんじゃないのか? 顔に書いてるぜ」


 すると、渡辺はしばらく俯いて考え込むと俺の目をじっと見つめてきた。


「……すまん、中田くん、二ノ宮さん 聞いてくれるか」

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