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神喰の白蛇  作者: ミスト
魔物の主
12/40

談義

 「白い蛇、ね…」

庭に置いてある木製のテーブルと椅子に、少女と少年たちは腰かけていた。


「するとなんだ、その二人の勇者達は白蛇にやられたというのか?にわかには信じられんが…」

ラニスが額に皺を寄せて少女の話を疑う。

「そうよね、勇者ってリクちゃんと同じ位強い人たちでしょ?やられちゃったの?そんな魔物に?」

悪魔の少女も疑問を口に出す。


「信じられないかもしれないですけど、事実です…」

こればかりは実際に見てもらうしかないが、何せ伝える手段がない。

思わず俯くクルルを眺め、調教師はさらに質問する。


「で、それを僕にどうにかしてほしい、と」

「は、はい…お願いできますか?」


「マスター、私からも頼む。このようなか弱い少女を脅すなど…許せん!」

ラニスの腕がわなわなと震えている。その瞳はどこか遠くをにらんでいるようだった。

「私はどっちでもいいけどねー。ああでも、仲間になったら凄い戦力になりそうだよね!」

悪魔の少女が閃き、悪戯っぽく笑う。


しばし無言になった後、急にリクは立ち上がった。

「わかった!君のために、そして世界のためにその白蛇を何とかして見せよう!」

「あ…有難うございます!!」


ぱあっと少女の顔が明るくなる、と同時にある疑問が出てきた。


「あ、だけど…魔王、とかは良いんですか?何か近くで暴れているらしいですけど…」

今のところは平和な屋敷の庭を見回しながら。不安そうに丸っこい耳が揺れる。


「ああ、奴は――どうだろう。目的が分からないから今は放置するしかないのが現状でね」

やれやれ、と少年は首を振る。そこにラニスが口を挟んだ。

「で、あれば魔物達に町の警護でもさせましょうか?」

「いや…話通りの魔物なら全戦力を連れていきたい」


油断はできない――と話していると、町の方角から黒い鳥が飛んできた。

悪魔の少女と何やら会話をしている――独特の言語なのか、内容が分からない。

不思議そうにクルルが眺めていると、悪魔が驚いたようにリクに向き直る。


「リクちゃん大変だよ!町に巨大な魔物が現れたんだって!!」

「何だって!?」


言葉を聞くと同時に、一人と二匹は駆け出していた。

ぽつんと取り残されたクルルは、数秒間をおいて。


「巨大な魔物って一体…ちょっ、待ってください!!」

慌てて皆を追いかけた。

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