白蛇
この作品にはいわゆるチート、巨大な能力者を貶める描写があります。
苦手な方はご注意下さい。
勇者とは神が生み出したといわれる奇跡の人である。
それは神の如き力を扱えるという。
この世界には多数の国がある。
その一つにエルフ達が作り出した国があった。
国に存在するエルフの勇者は膨大な魔力と百発百中と謳われる弓の技術によってあらゆる外敵を撃ち滅ぼしてきた。
軍隊すら彼女の敵ではなかったという。
しかしある日の事
国が白く巨大な蛇が襲われた。
一日中暴れまわった白蛇のおかげで国は大打撃を受けた。
不思議なことに怪我人はいたものの一人として死者は出ることが無かったが──
勇者が一人消え去った。
深く広い森の中太陽に光に照らされて白く細長い体が蠢く。
50mはゆうにあろうその巨体の背中から一対の白い翼が広がる。
蛇の頭がぐああと大きな欠伸をした。血のような真っ赤な眼に額には上側が欠けた青い三日月の模様があった。
『腹減った』
重圧的な声が響く。その声は白蛇から発せられたものであった。
『久々にどこか遠くに喰いに行くかねえ。でも探すの面倒くさいんだよな』
だるそうにその体を揺すり器用に木々の間をぬって進行する。
白蛇はふと何かの気配を感じて頭を上げた。
『誰か来てやがんな』
その頃、森の入り口で一人の少女が立っていた。
赤い帽子からはみ出た動物の耳
腰から生えたリスの尻尾。
しかしそれ以外はあどけない少女と何ら変わらない――獣人と言われる種族であった。
不安そうに腰に巻き付けたバッグに手を添えながら呟く。
「間違いない…この森だ。この森に―勇者サマを喰った怪物がいる!!」
処女作、もとい練習作となります。
過度な期待はしないでください。