表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第1クール】
97/321

第97話 ファティリタス復興編 【第1クール】 森林復活のために

――翌朝――



「ふぁ~……おはよう」

「おはようございます、ユウスケさん!」


 目を覚ますと、アンリさんが朝食を用意してくれていた。


「いただきます!」


 有り難く頂く。


「うまい! あれ? アンリさん、また腕を上げた?」

「ふふん♪ 私の<料理スキル>は今やLv.10まで来てますからね!」


 アンリさんが胸を張ってドヤ顔だ。いや、本当に美味しくて、ドヤ顔がしっくり来る。アンリさんは、村の女性達からこの世界の料理を教わり、美味しい料理の研究に余念が無かったのだ。


 俺はそのおこぼれに預かり、この様に美味しい思いをさせてもらってる。


「いやぁ、俺は料理は全然だからな。助かるよ」

「ユウスケさんは錬金術だったり、魚を捕るのがうまくなりましたよね」


 そう。アンリさんの言う通り、俺の<錬金術スキル>は今やLv.12になっていた。それと、魚を捕るために銛を投げまくったせいか、<投擲スキル>がレベル8にまでなっていた。


「お互いに足りないところを補い合っていこう。――そう考えると、他校は3、4人いて有利だよな、やっぱ」

「ですねぇ」


 お茶を飲みながらアンリさんと語り合う。この世界に来るまでのMTGで理事長は、『人数の足りない校は現地人のパーティ加入を許可するから問題ない』みたいに言ってたけど、それって、パーティに入ってもらってないと、意味ないからな。


 今みたいに、ハンナさんやカイリさんが抜けて、俺とアンリさんの二人だけだと、やっぱり不利だ。


「まぁ、愚痴っても仕方ないか。じゃあ、片付けたら早速行こうか」

「はい! 体力のある内に調べたいですしね」



――俺とアンリさんは、野営の備品を片付けると、砂漠地帯に踏み込んだ。


――砂漠地帯――



「ふぃ~、やっぱ結構距離があるなぁ」

「でも、だんだん近づいてますよ。頑張りましょう!」


 アンリさんに励まされ、俺は砂漠地帯の先を見据える。昨日遠目に確認した森林の名残り――樹木がポツポツと立ち並ぶ場所――は、昨日見た時より大きくなってる気がする。アンリさんの言う通り、近づいて来てるのだろう。

 

 砂漠の砂を踏みしめ、俺達はそれからしばらく歩を進めた。


――森林の名残り――



「これは……もうダメだろう」

「想像以上でしたね……」


 目的地である木々の場所まで辿り着いた俺とアンリさんは、辺りを歩いて回り、状況を確認する。


 確かに樹木は生えている――が、生きてる様には見えない。表皮はからっからで、地面にはお情け程度の砂漠化してない土とまばらな草が生えてるだけだ。


「とりあえず、土と水だ。それと、種。村にいる時や山で、色々ストレージに詰め込んできたから、何があるか確認しながら、ここに使っていこう」

 俺が大量にストレージに入れてきた素材をアンリさんと確認する。


「シャベルとかもあるぞ。土を入れ替えるべきだなまずは。任せてくれ」


 シャベルを取り出し、まだなんとか立っている樹木の周りの土を掘って、山で採ってきた土と入れ替えていく。やはり、山の土は瑞々しく、微生物などもたくさんいそうだ。


 ストレージに収納する際、土の中の微生物とかがどうなるかが心配だった。微生物だって生き物だ。生きてるのを入れるのは無理じゃないかと。だが、実際には、そのまま保存されていた。どういう理屈かはわからないが、都合がいいので深くは気にしないことにする。


 なお、同じ<土>でも、村で採った土と、山で採った土は、アイコンで差別化されていた。アイテム欄の説明にも、どこの土かが書いてあるので、区分けして取り出すことができた。これは水も同様で、よく見たら川の水や井戸水などはきちんと差別化されていた。



――そうして、俺とアンリさんは、枯れかけた樹木の周りを中心に、土壌の改善や水の供給、種植えを進めていった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ