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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第1クール】
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第90話 ファティリタス復興編 【第1クール】 ゴブリンゾンビの発生源調査

――滝つぼ・キャンプ――



「キャンプを片付けて荷を運べるようにしろ! ゾンビ達の相手は最小限にだ! こいつらの発生源を特定することを優先するんだ!」


 カイリさんから皆に指示が飛ぶ。皆、この時に備えてすぐに片づけられる様、最小限に荷を出していたのですぐに荷まとめはできた。各パーティに分かれて、ゴブリンゾンビの相手をする。


「う、うわぁ!」

 村人のパーティの一つで、盾役の少年がゴブリンゾンビの攻撃を防いでいる。ゾンビの思わぬ力強さに戸惑ってるみたいだ。


「そいつらは見た目よりも力がある! 頭を潰すか燃やせば倒せるから、みんなで援護してあげて!」


 経験者の俺が助言を飛ばす。村人パーティの攻撃役が、こん棒をもってゴブリンゾンビの頭を潰した。――こっちのパーティはなんとか片付けた様だ。もう1つのパーティを見ると、


「えい!」


 後衛がフレアボムをゴブリンゾンビに投げつける。複数体を相手取っており、盾役が大変そうだったので適切な判断だ。フレアボムはゴブリンゾンビの一体に着弾すると炎を噴き上げ、隣のゴブリンゾンビも巻き込み燃やし尽くした。


「その調子よ! でも、フレアボムには数に限りがあるから、使う時は選んでね!」


 ハンナさんも見てたのだろう。フレアボムは各パーティ10個配分だからな。この先を考えると使いどころは慎重に考えたいところだ。今みたいに複数体を巻き込めたら使い時としては一番だろう。


「ぜい!」

 最後の一体になったゴブリンゾンビの頭をカイリさんが槍で貫く。



――これで一通り片付いたな。


「奴らはこの奥から来た! 奥に入り、奴らがどこから来るのか確かめるんだ! ――行くぞ!」

「「「はい!」」」


 カイリさんから激が飛び、皆で森の中に踏み込んだ。



――さて、ここからが本番だ。


――山中――



 各パーティに分かれて散策する。うちのパーティは、俺が盾役で先頭を歩き、たいまつを持つアンリさんを中央に配置し、両サイドをカイリさんとハンナさんがカバーする陣形を取る。


 たいまつを持ってると目立ち、ゾンビも寄って来てしまうが、やつらがどこから来るのかを確かめるのが目的なので、むしろ寄ってきてもらった方がいい。


「こっちの方がゾンビが多いですね」

 襲い来るゴブリンゾンビを倒し終えて一息つき、俺は奴らの数が多かった方向を指差す。


「行ってみるぞ」

 

 カイリさんの判断に皆で(うなず)き返し、俺達は山の奥へ登って行った。



「洞窟?」


 ゴブリンゾンビの来る方を目指して進むと、洞窟の入口へと辿り着いた。


「これはいかにもって感じだな」

「かすかですが、腐臭がしますね」


 カイリさんとハンナさんが洞窟の入口に立ち、顔をしかめる。


「入りますか?」

「ああ。だが、他の奴らが心配だ。近くにいたら注意しておくか――」

 

 辺りに村人のパーティがいないか探すと――いた。こちらと同様、たいまつを持ってる人がいるのでいい目印になった。こちらのたいまつを振ってアピールすると、振り返してくれた。――そのままこちらに向かってくる。


「洞窟……ですか?」

「ああ。見るからに怪しい。俺達はこれから中に入るが、お前達はここで見張っててくれないか?」

「そんな。俺達も一緒に入りますよ!」


 カイリさんの待機指示に、村人達が自分達もと反論する。


「どんな危険があるかわからん。それに、退路の確保も大事な役目だ。俺達が――そうだな、数刻戻らなければ、お前達は他の奴らを見つけて村に戻れ」

「わかりました……でも、必ず無事に戻ってきてくださいね」


 最悪の事態に備えてカイリが指示を飛ばす。やはり、こういうのが指導者の器というものなのだろう。カイリはいい指導者になりそうだ。


「よし! じゃあ、俺らは中に入って調べるぞ! ヤバいと思ったらすぐに引く。――行くぞ!」

 


――俺達は、そうして洞窟の中へと踏み込んだ。



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