表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第1クール】
89/321

第89話 ファティリタス復興編 【第1クール】 登山再び

――山道――



 山道を登り始める。前回通った通り山道沿いに進むが、一応、山道から少しそれた場所にも目を向け、怪しそうなところは直に確認した。


 今回は、俺達――俺、アンリさん、カイリさん、ハンナさんの4人パーティ――と、村人達の2班×(4人)の計12人で来ている。人数も多いので、探索効率もだいぶ上がるな。


「モンスター、いませんね」

 村人達が首をかしげる。いつもはいるのにおかしいなということなのだろう。


「所々にモンスターの死骸があるし、川辺では夜にゴブリンゾンビが襲ってきたから、異常に巻き込まれたか、逃げたんじゃないかな」


 さらっと俺が告げるが、村人達の顔色が悪い。そりゃあ、理由はよくわかってないけど異常なことが起きてると聞いて、不気味に感じない方がおかしいよな。


「ユウスケさん、川が見えてきました」

 アンリさんが指差す先を見ると、前に来た川辺があった。ここで少し休憩するか。



「あそこの水は飲めるから、着いたら少し休もうか」

 俺達は川を目指し歩を進めた。



「ああ~! うめぇ!」


 村人が喜びながら川の水を飲む。村では井戸水が毒に侵されてて、解毒薬で清めて飲んでるから、純粋にキレイな水を飲みたかったのだろう。――早く、毒の問題を解決しないとな。


「ユウスケさん、ふと思ったのですが、<ストレージ>でこの水を持ち帰ったらよかったんじゃないですか?」

 アンリさんが川に近づいて、何やらメニューを操作している。


「でも川に<しまう>みたいなコマンド表示出なくないか?」

「川のままでは無理ですけど、水を容器に入れると――ほら」


 アンリさんがカバンから容器を取り出し、川の水をすくう。――そして、それに対し何やらコマンド操作をした。


 気になって俺はアイテム欄を確認するが――


 <水>

 

……普通に水がストレージに入っていた。


「……」

「ね? 持って帰れるでしょう?」


 凄くいたたまれない。――そうか、こんな方法があったのか。


「さすがはアンリさんだ! こんなの誰も気づかないよ!」

「えへへ……頑張ってたくさん持ち帰りましょう!」


 気づかなかった自分の失態にも思えるので、アンリさんを褒めてごまかす。――近くで見ていたハンナさんの視線が少し痛い。


「ほんとに便利な能力ね。私も手伝うわ」

「あ、ありがとうございます」



 ハンナさんも容器を取り出して、水をすくって俺達の近くに置いてくれた。俺達はそれに近づいてストレージにしまうだけでいい。水も量があると容器を持ち上げるのも中々骨だからな。助かるわ。



「じゃあ、前のキャンプ地――滝つぼ――まで移動するぞ」


 カイリさんの先導で俺達や村人は、前回ゴブリンゾンビに襲われたキャンプ地の滝つぼまで歩を進める。襲われたのは夜だけど、ゾンビが出ると聞いて、村人達の顔にも緊張が走っていた。


――滝つぼ――



 滝が崖から上に流れ落ちる音がどこか心地よい。滝つぼの川辺に着くと、俺達は野営の準備を始めた。


「毒の原因はやはり見当たらなかったが、夜、ゾンビが出てきたらその発生源を調査する。それまでは野営して英気を養うぞ」

 

 カイリさんが皆を見回して続ける。


「山で食材を探す班は、毒の原因と思われるものが無いか、注意しながら進めてくれ。川で野営準備をする班は、モンスターに襲われてもすぐ片づけられる様、なるべくコンパクトに準備を進めてくれ」


 村人の班は片方が山で食材を探し、もう一班は川で野営準備で分担された。俺達はというと、ハンナさんと俺が山、カイリさんとアンリさんが川の分担だ。


「ハンナさん、このキノコ、食べれますかね?」

「それは美味しいわよ。――あ、こっちにタケノコがあるわ」


 ハンナさんに教えてもらい、食材を集める。アイテム欄を見れば<食料>かどうかは一応分かるけど、やっぱり現地の詳しい人に教えてもらうのが一番だ。どこにどんなのが自生してるのかも教えてもらえるし、非常に助かる。


 そうして山菜を集めて川辺に戻ると、既に火起こしがされ、食事の準備が進められていた。前回同様、カイリさんが魚を大量に捕っていて、村人達が大喜びしている。


「カイリさん、すげぇ!」

「魚だぁ!」



 一日登山でお腹が空いていたのだろう。夕食を前に皆の顔も自然と明るくなった。



 皆で夕食を取り、テントで代わる代わる仮眠を取る。辺りが暗くなってきていて、そろそろゾンビが出るかもしれないと思うと、仮眠も中々取れなくなり、そのうち皆が起きて、その時に備える様になった。


――そして、それはやはり来た。


「うぅ……うぁぁ……」


 山の中から前回同様、ゴブリンゾンビが何体か現れた。


「来たぞ! 作戦開始!」

 カイリさんの合図でそれぞれの班が戦闘態勢を取る。



――そうして、ゾンビの発生源についての調査が始まった。

 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ