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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第1クール】
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第87話 ファティリタス復興編 【第1クール】 錬金アイテム作成

――ハンナさん宅――



「ハンナさん、錬金窯って他に無いですか?」

「どうして?」

「一つは解毒薬を作らなければいけませんし、他の釜があればハンナさんのフレアボムとか、ゾンビ用のアイテムを作れるので」


 山に出たゾンビモンスターの対策で準備をすることになった。ただ、錬金窯が一つしかなく、どうにかして増やしたいところだ。


「確か、押し入れに……」

 ハンナさんが押入れに上半身を突っ込み、ゴソゴソと漁る。ハンナさんのお尻がリズミカルに揺れ、これは目の保養に――


「……ユウスケさん?」

「ち、違うんだ! つい!」


 虚ろな目をしたアンリさんがすぐ近くに来ていた。ち、違う。これは男の生理反応で――


「あったわ! 使えそうなのは二つね。一つは古いから、様子を見ながら使いましょう……あれ? どうしたの? 二人とも」

「な、何でもないです!」


 押入れから顔を出したハンナさんが俺達を見て頭に疑問符を浮かべる。――アンリさんのスイッチが入らない様、気をつけないとな……



「じゃあ、さっそく始めましょうか!」



 俺は話を切り変えるためにも、さっそく錬金術を始めることにした。



「じゃあ、3グループに分かれましょう。一つは、今まで通り、井戸水の毒を解くため、解毒薬を作るグループね。これは今まで通り、あなた達にお願いするわ」

「はい! 任せてください!」


 昨日から協力してくれている村の女性達にやってもらう。デトキシ草は山でたくさん確保してきたし、充分な量を作れるだろう。


「二つ目のグループは、私とユウスケさん、アンリさんで、ゾンビ用の攻撃アイテム、フレアボムを作るわ」

 俺とアンリさんが頷き返す。


「最後のグループは、回復薬と消火剤を作ってもらうわ。消火剤は、フレアボムを使った時に山火事にならないようにね。これは、今日から協力してくれる人達にお願いするわ。大丈夫、作り方は私が教えるから」


 なるほど……確かに消火剤は作っておいた方がいいな。


「じゃあ、さっそく始めるわよ!」



 そうして俺達の錬金アイテム作成が始まった。



「ハンナさん。俺達も消火剤を作ってみていいですか?」

「いいわよ」


 俺とアンリさんがストレージから大量の素材を出し、各グループ別々の窯に散らばった。今は、回復薬と消火剤を作るグループにハンナさんがレクチャーしているところだ。


 教えてもらった通り、錬金術で消火剤を作成した。メニューで錬金術のレシピ一覧を見ると、作成したことで新しくレシピ追加された様で、これからはこの一覧を見て必要な素材を確認できるだろう。――ちなみに、回復薬は最初から一覧にあった。



 その後、俺達は予定通り、フレアボムの作成に移る。ハンナさんから教わり、俺とアンリさんは作製を始めるが、


「あ、あれ? 急に作れなくなっちゃいました」

 アンリさんが戸惑いながら首をかしげている。


「ん? 俺はできるけど」


 ちょうどまた1個作り終えたので、メニューで何かおかしなことが無いかを確認してみる。ステータスの<CP>というのがごっそり減ってるようだ。フレアボムのレシピ情報を見ると、


 <必要CP10>


 とあった。――あぁ、もしかして……


「アンリさん。ステータスでCPって見える?」

「はい……あ! ほとんど空です」

「このフレアボムを1個作るのにCP10が要るみたいなんだ。俺は前に解毒薬を大量生産して錬金術レベルが上がってたからね。CPも増えてたんだろう」

 

 俺とアンリさんの錬金術練度レベルを確認すると、


 ユウスケ 錬金術Lv.5

 アンリ  錬金術Lv.3


 だった。なるほど……レベルが上がると、CPも上がるってことなんだろうな。


「どうしたらCPは回復するのでしょう?」

「俺もわからな……あ、今増えたわ。時間で自動回復かも」

「じゃあ、ちょっと待つしか無さそうですね」


 アンリさんが、がっかりした顔で作業をやめる。


「私もこれを連続で作るのは大変だし、作れる人でかわりばんこに作りましょう」



 ハンナさんの提案に俺とアンリさんが頷き返し、フレアボムの作成を続けた。



「結構できましたね」

「そろそろ素材が尽きそうだし、このくらいにしましょうか」


 フレアボムを3人で大量作成した。30個はあるだろう。ちなみに、今の俺とアンリさんの錬金術練度レベルは、


 ユウスケ 錬金術Lv.7

 アンリ  錬金術Lv.5


 まで上がっていた。レベルが上がって気づいたのだが、やはりCPが上がっている。しかも、CPの時間経過での自動回復は固定値ではなく、固定割合だった。つまり、CPの上限が上がる程、自動回復量も上がるのだ。これはいいな。


「お疲れ様。お茶どうぞ」

「ありがとうございます」


 ハンナさんが俺達の労をねぎらってくれる。ハンナさんは他のグループにも様子見がてらお茶を配りに行き、しばらくして戻ってきた。


「皆、順調に作成できたようね。これで錬金アイテムについては問題無いと思うわ」



 ハンナさんの太鼓判が出た。よかった。



――そうして、俺達の錬金アイテム作成は終わった。後はカイリさんの方がどうかだな。



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