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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第1クール】
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第82話 ファティリタス復興編 【第1クール】 パーティ加入(カイリ/ハンナ)

――ハンナさん宅――


 

 昨夜はハンナさんが俺達を泊めてくれると言うので、お言葉に甘えて泊めてもらった。


「おはよう、二人とも」

「おはようございます、ユウスケさん」

「おはようございます。昨夜はよくお休みになれましたか?」

「ああ。おかげさまでよく眠れたよ」

 

 居間でアンリさん、ハンナさんとあいさつを交わす。……残念ながら、寝室は男女別だった。


 ちなみに、錬金術で解毒薬を作る手伝いをしてくれた村の女性達は、昨日の夜中に一旦帰り、出来上がった分を村の家々に渡して回っていた。今日も作るみたいだが、今の分でもしばらくは何とかなるだろう。


「おお~!」

 テーブルに朝食が並べられていた。パンにスープ、目玉焼きとサラダがとても美味しそうだ。


「どうぞ食べてください。大したものじゃありませんが」

 ハンナさんに勧められ、俺とアンリさんが食べ出す。


「いや、おいしいですよこれ!」

「ほんと! 今度教えて欲しいくらいです」

「そんなに褒めても何も出ませんよ?」


 3人で笑い合う。俺達は和気藹々と朝食を済ませた。



「よう! おはようさん!」

「あ、カイリさん! おはようございます」


 ハンナさん宅を出ると、ちょうどカイリさんがやって来た。村近くの山に毒水の原因調査に行くのだが、カイリさんとハンナさんが付き添ってくれることになったのだ。


「お二人とも、ありがとうございます」

「気にすんなって! それにこれは村の問題だしよ」

「そうですよ。むしろ、私達がお礼を言わなきゃいけないわ」


 気のいい二人でよかった。


「ユウスケさん、お二人をパーティに誘いませんか?」

「そうだな。やってみよう」


 アンリさんに言われ、俺はメニューから<パーティ>の項目を開く。その中の<加入>ボタンを押す。選択肢にカイリさんとハンナさんが出てきた。


――昨日、二人が付き添いを申し出てくれた時点で、加入条件が満たされたってことなのかな?


 わからないが、カイリさんとハンナさんを選択し、決定するかの問いに「はい」を選択した。


<パーティ加入 カイリ ハンナ>

 テキストがポップアップする。


 すると、視界右に表示されるパーティリストに、カイリさんとハンナさんが追加された。


 レベルやロール、HPやTP、CP、経験値バーが表示されている。


 ユウスケ レベル 1 ロール タンク 

 アンリ  レベル 1 ロール ヒーラー

 カイリ  レベル 5 ロール アタッカー

 ハンナ  レベル 4 ロール アタッカー


「ふ、二人とも強いですね」

「心強いです!」


 俺は若干震えながら、アンリさんが喜びながら二人を褒める。それに、二人とも俺達のパーティに足りなかったアタッカーだった。特に俺達のロールをいじらなくてもいいだろう。


「ん? どうしてわかるんですかい?」

 そうだったな。説明しないと。俺とアンリさんは、異世界人の俺達が持つメニュー操作能力やスキルについて説明する。


「そりゃ便利な力だな」

「凄い力ですね。流石は異世界人様です」


 二人にすんなり受け入れられてしまった。順応力が高くて助かる。


「二人の視界には何か、視えるものが増えてたりしませんか? 左端にボタンとか、右端に俺達の名前とか」

「いや、無いな」

「何も無いですね」


 二人には俺とアンリさんの様なメニュー操作能力は無いみたいだ。それなら、アイテムをストレージにしまったり出したりはできないだろうな。


 それに、パーティメンバーのステータスもわからないみたいだから、ヤバい時は俺とアンリさんで判断して声をかけないとな。


「そうですか。なら、戦闘中にヤバそうな時は俺達が教えますね」

「おうよ!」

「わかりました」

 


 とにもかくにも、二人をパーティに加えられたし、さっそく山に向かおう!


――山道前――



「山にはここから登りましょう」

 

 ハンナさんとカイリさんが先導してくれ、山道の手前に着いた。緩めの傾斜だが、それなりに高さはありそうだ。モンスターもいるだろうし、注意しないとな。


「はい。今回の目的は、村の井戸水が毒に侵された原因を調べることです。井戸水は地下水脈から来てるので、特に地面に注意して進みましょう」


「おう!」

「わかりました!」

「はい。なんとか見つけたいですね」



――そうして俺達は、村近くの山を登り始めるのだった。



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