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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<理事長襲来>編
72/321

第72話 他にも塾ってあったんだな。それすら知らなかったよ

――ホームエリア〈13:00〉――



「じゃあ、集合場所に行くけど、くれぐれも粗相のないようにね」

「はい」

「あのばあさん、見るからに危険そうだしな」


理事長の予告通り、13時にゲートが現れ扉が開いた。ユイを先頭に、アンリさんと俺が続く。


――講義室――


 そこは30人程度の席がしつらえられた、講義室のようなところだった。部屋の前には教壇がある。室内には既に先客がいた。


「ユイさん、お久しぶりね」

「カスミ……」


 ユイが嫌そうに応える。ユイがカスミと呼ぶ女性は、ツリ目気味で気が強そうな印象だった。カスミさんは俺とアンリさんを一瞥し、


「あなたが生徒を持つなんていつぶりかしら? ――でも二人だけなのね」


 そう言ってカスミは勝ち誇ったように口元に手を当て笑う。……感じ悪いな。

 見ると、カスミの近くには、おそらく生徒なのだろう――俺達と歳の近そうな者達が4人いた。俺達を興味深そうに見てくる。


 ユイがカスミを無視して周りを見回す。ユイは<第一校>と札のある席に目を止めると歩き出した。カスミの舌打ちが聞こえてくる。ユイと犬猿の仲なのが、既にヒシヒシと伝わってくるな。ユイの方は相手にしてないみたいだけど……


 <第一校>は左端だった。ユイが札のある席に座り、俺とアンリさんは一つ後ろの席に並んで腰かけた。


 カスミ達も自分の席についたようだ。<第二校>の札のある席――うちの右隣り――に座っていた。こちら――というか、ユイ――を忌々しそうに睨みつけている。



 その後まもなくして、別のグループもゲートを通って入ってきた。ゆるふわロングの優しそうな顔立ちをした女性のグループと、眼鏡をかけ切れ長の目をした男性のグループだ。どちらも4名の生徒を引き連れていた。


 女性のグループは<第三校>の席に、男性のグループは右端の<第四校>の席についた。


「オリビアさん、お久しぶりね」

 カスミが少し離れた右隣りの席に座るゆるふわロングの女性に声をかける。


「ええ、お久しぶり。カスミさんもお元気そうで何よりです」

 ゆるふわロングの女性――オリビアさん――は、カスミにそう応えると、花の咲くように笑う。


 思わず見惚れてしまった。――気のせいか、隣のアンリさんから圧を感じる……


 

「皆集まったようですね。では、ミーティングを始めましょうか」


 別のゲートから、理事長が秘書と思われる女性を伴い現れ、教壇についた。


 

――そうして、<期間ありの異世界転移>について、事前ミーティングが開始された。



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