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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ダンジョン攻略>編
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第66話 ダンジョン攻略【17】キサマは俺達を怒らせた。さて、どう料理してくれようか……!

――地下4F――


 このフロアを徘徊する強力なユニークモンスター<ロックゴーレム>の対策を話し合うことに。


 とは言っても、毒沼につかりながらは嫌なので、地下4F入り口から大部屋に入る前の通路まで下がる。



「ではでは! ……どうしましょうかね?」

「アレって、無理して戦わなくてもいいんですよね?」

「そのハズだよ。見つかったら追いかけられるけど、隠れてやり過ごすこともできると思う」


 俺はそう言って、<サーチエネミー>を発動する。マップに点がいくつも表示される。俺達は緑、通常モンスターは赤、ロックゴーレムは紫だ。


「このスキルがあれば、敵のいないところを通りつつ探索はできるな。通常モンスターに遭遇しても基本、逃げで。時間をかけるといつの間にかアレが近づいてたりするから」

「さっきが(まさ)にそうでしたもんね」


 俺とアンリさんがうなる。


「じゃあ、まずは、『fight or flight』、『戦うか逃げるか』で多数決を取ろうか。戦うは右手、逃げるは左手を上げよう」


 そう言って俺は、アンリさんとヒトカゲがうなずくのを確認すると、「いち、にの、さん! で」と合図を決める。


「いち、にの……さん!」

 

 俺達は一斉(いっせい)に手をあげた。


 戦う(右手)   アンリ、ヒトカゲ

 逃げる(左手)  ユウスケ


――あ、あれ~……?


「あ、アンリさん? あなた、ついさっき、『無理して戦わなくていいのか』って聞いてませんでしたっけ?」

 俺は口の端をヒクつかせながらアンリさんに軽く文句を言うが――


「やっぱり悔しいじゃないですか。ユウスケさんもヒトカゲちゃんも被害を受けたし、許せません!」

 お、おう。と、若干気圧される俺。


「グギャア!」

【天の声】「次は負けない!」(ヒトカゲの代弁)


「そ、そうか……約束だしな。じゃあ、戦う方向で」

 俺は二人のやる気に気圧されながらも、これ以上水は差せず、戦うことを決意した。



「じゃあ次に、どうやって勝つか、です! 俺も案を考えるけど、二人も忌憚(きたん)ない意見をどうぞ!」


 そう言って俺は、近くに転がってる石でダンジョンの岩壁をガリガリ削ってメモを取っていく。二人、特にヒトカゲに伝わる様にイラストメインで。


※( )内は発案者


1 燃やす(ヒトカゲ)

2 ライトニングしてみる(アンリ)

3 熱して冷やす(ユウスケ)

4 斬る(ヒトカゲ)

5 落とし穴にはめてみる(アンリ)

6 毒沼に()ける(ユウスケ)

7 レベルを上げる(ヒトカゲ)

8 風魔法とかを取得してみる(アンリ)

9 コアを探して破壊する(ユウスケ)


「ふぅ……大体(だいたい)出そろったかな?」

 ユウスケは皆の案をダンジョンの壁にイラスト主体で描いていく。


「そうですね。ユウスケさん、絵、上手ですね。わかりやすいです」

「グギャ!♪」

【天の声】「ありがとう!なんとなくわかるよ」(ヒトカゲの代弁)


 アンリさんとヒトカゲに()められちゃった。



「じゃあ、1から順に検討してみますか」

 俺はそう言うと、そこら辺にある岩を指さし、


「ヒトカゲ。ファイアブレスしてみて」

【天の声】ファイアブレス!


――ごおぉぉぉっ!


「う~ん……赤熱化してるし、柔らかくなってるとは思うが……これに触りたくは無いな」

「そうですね……」

「グギャ……」


⇒『1 燃やす(ヒトカゲ) △(微妙)』



「じゃあ、次、2ね」

 俺は違う岩を指さしてアンリさんを見る。アンリさんがうなずき――


「ライトニング!」

 アンリさんの杖から雷撃が飛び、岩に直撃するが――


「う~ん……やっぱり電流が地面に逃げちゃうな」

 ダメージが入ってそうではあるが、アースを取られるとそんなでもって感じ。


「ダメですか……」

 アンリさんがしょげてしまう。


「いや、使いようによっては有用だと思うけどね。水をぶっかけてから使うとかで水蒸気爆発も期待できるだろうけど、俺達も危ない……」


⇒『2 ライトニングしてみる(アンリ) △』



「次は俺のか……」

 新しい岩を指さしてヒトカゲに言う。


「またファイアブレスを頼む」

【天の声】ファイアブレス!


――ごおぉぉぉっ!


 そして赤熱化した岩に俺がー


「アクアショット!」

 水魔法を使い、水の塊をぶつける。


――ブシャーッ!


 水蒸気が激しく立ち上り……

 

――ピシッ!


 岩の表面が割れた。


「ゆ、ユウスケさん! 岩が割れましたよ!?」

「グギャ!?」

「熱すると体積が大きく、冷やすと逆に小さくなるんだけど、表面を急激に冷やすと内側の高温部との間にひずみができるんだよ」


 二人が感心したように驚いてくれている。こんなに上手くいくとは思わなんだ。


「あいつが普通の岩でできてるかはわからないけど、有力候補だな」


⇒『3 熱して冷やす(ユウスケ) 〇』



――その後も検討は進み、


『4 斬る(ヒトカゲ) ×』

 理由:レベル高そうだしきっと固いだろうから。


『5 落とし穴にはめてみる(アンリ) △』

 理由:普通に掘るのは大変だけど、いいスキルがあれば試してみたい。


『6 毒沼に()ける(ユウスケ) △』

 理由:どうやって毒沼に誘導するかと、岩モンスターが毒になるかが不明。


『7 レベルを上げる(ヒトカゲ) △』

 理由:根本的に強くなればいいって話ね。時間をかけて、それもいいかもね。


『8 風魔法とかを取得してみる(アンリ) ?』

 理由:土は風に弱いイメージあるしな。SPが貴重だけど試してみたいところ。


『9 コアを探して破壊する(ユウスケ) ?』

 理由:コアって本当にあるのか? あるなら試してみたいけど。



「はい、まとめるとこうなりました」


1 燃やす(ヒトカゲ) △

2 ライトニングしてみる(アンリ) △

3 熱して冷やす(ユウスケ) 〇

4 斬る(ヒトカゲ) ×

5 落とし穴にはめてみる(アンリ) △

6 毒沼に()ける(ユウスケ) △

7 レベルを上げる(ヒトカゲ) △

8 風魔法とかを取得してみる(アンリ) ?

9 コアを探して破壊する(ユウスケ) ?


「じゃあ、<熱して冷やす>ですね」

「そうだな。まず、みんなで炎スキルを使って赤熱化させよう。そしたら俺がアクアショットで水をぶっかけるわ」

「グギャ!」

【天の声】「りょうかい!」(ヒトカゲの代弁)


「これがダメだったら他の案を試していこう」

 アンリさんとヒトカゲがうなずく。


「さぁ! リベンジだ!」



――俺達は、不意打ちをかましてくれたロックゴーレムをこらしめに向かった。



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