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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
ショートコメディ編
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第6話 残業の手伝い

「ところで、ポイントがいくつになったら異世界に転生させてくれるの?」

 コスプレ女に聞く。


 ぎくっ!


 ……変な擬音が聞こえた気がする。


「それじゃあ、ポイントの合計が10になったら、まずはお試しで少しだけ転生させてあげる」


「言ったな? 絶対だぞ? 約束だかんな?」


「わ、わかったわよ。だから頑張んなさい」


 今のステータスは……優しさ1、勇気2、面白さ1で4か。

 10なら行けるんじゃないか?


「じゃあ、次、行くわよ!」


 扉の向こうに投げられた。



「お先に失礼しま~す」

「はい、お疲れ様」


 どこぞの会社の終業時みたいだ。


「あ、君はちょっと待って」

 気弱そうな男性社員が課長につかまってしまった。


「急いで仕上げなきゃいけない書類があってね、悪いんだけど頼める?」

「あ、明日じゃダメですか?」

「急いでてね……どうにかならないかな?」

 男性社員は困り顔だ。急に残業は嫌だよな。


 課長に意見したら勇気が上がるんだろうか……?

 ……あ、そうこうしてるうちに男性社員が受けてしまった。

 こうなったら……


「よかったら手伝うよ」

「あ、ありがとうございます!」


 カチッ……コチッ……カチッ……


 時計の針が静かな室内に響く。

 二人で手分けして書類を作る。

 やっぱり困ってる仲間は助けないとな。


 うーん、ちょっとトイレ行ってくるか……

 リフレッシュもかねて席を外す。


 ジャーッ……


 手を洗いスッキリした頭で席に戻る。

 さあ、やるぞ!


 ん? 男性社員がいない。休憩かな?

 俺の机の上に、書き置きがある。


「自分の分が終わったので先に帰ります。

 後よろしくお願いします」


――視界が暗転する。



「やめろよ! ブラック社員に会社ネタはやめろよ!!」


「し、知らないわよ。どうしたのよ急に!」

 俺の発狂にコスプレ女が驚いている。


 ……やめろよ。涙が出てくんだよ……


「と、とにかく! よく頑張ったわね! はい、ポイント!」


 優しさが1上がった。

 もう嫌……


【現在のステータス】

 優しさ2、勇気2、面白さ1 計5


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