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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ダンジョン攻略>編
52/321

第52話 ダンジョン攻略【4】ダンジョンでもやっぱりモンスターを仲間に

 レベルが4に上がり、今いる地下1Fでは、脅威になるモンスターはいなくなった。倒してるのはほぼアンリさんだけど。


 アンリさんの魔法が強すぎて、たいていの敵が、即座に焼却処分される。その間にも、回復薬やTP回復薬が宝箱からドロップし、ウハウハだ。


「だいぶマップも埋まりましたね」

「そうだな。そろそろ次のエリアへの階段が見つかるんじゃないか?」


 俺の予想通り、そう間もなくして、下への階段が見つかった。もうこのエリアでやることはほとんどないので、さっそく階段を下りて次のエリアへ向かう。


――地下2F――



「うぉ! 暗っ!」

 地下2Fは真っ暗だった。いきなり難易度を上げてきたな。


「ど、どうしましょう?」

 アンリさんも不安そうだ。


「だ、大丈夫。これもダンジョンでのお約束だよ。こういう時は<たいまつ>を使って――」

「そんなの持ってましたっけ?」


 アイテム欄を確認する。……無いな。


「じゃあ、明かりをつけるスキルを習得するしかないだろうな。調べてみよう」

 俺はスキルカスタムで未習得スキル一覧を調べる。――あったあった。


 <フロアライト 2 必用SP3>


「俺、SPあるから取っとくよ」

「ありがとうございます」


 ちょうどSPが3あったのでフロアライトを取得し、さっそく使ってみる。俺の周囲が明るく照らされた。


「一定時間が経過すると消えるから、その度にスキルを使わないといけないけどな」

 なにはともあれ、これで探索を続けられそうだ。



 道なりに進むと、さっそくモンスターが現れた。


 ファイアリザードが1体だ。火か……


「ファイアボール!」

 アンリさんがいつものように灰燼に帰そうとするが――


 やはり、名前の通り火に耐性があるようで、ダメージの通りが悪い。ここは――


「アクアショット!」

 俺は水魔法のアクアショットで水の塊をリザードにぶつける。


――よし! 倒した! やはり、ダメージの通りは火よりも水の方がいいみたいだ。


 経験値  +6

 ゴールド +12


「火属性以外の魔法も覚えた方がいいかもね」

 アンリさんにそう言いながら、先に進もうとするが――


「ゆ、ユウスケさん。モンスターが……」

 アンリさんが震えながら指さしている。――ん?


 ファイアリザードが起き上がり、仲間になりたそうにこちらを見ている。仲間にしてあげますか?


  はい

  いいえ


 ついに来たか……そんな予感はしてたんだよ。


「馬車は無いんだぞ……?」

 そんなことをひとりごちる。アンリさんが俺の近くで首をかしげていた。


 しかし、今回は特に断る理由も無いな。


⇒ はい

  いいえ

  

 ファイアリザードは嬉しそうに馬車――は無いので、ユウスケの足――にすり寄った。


「おい! そんなアレンジはいいから! 鳥肌が立つだろうが!!」

 俺が思わずつっ込むが――


「ど、どうしたんですか? ユウスケさん。一人で」

 アンリさんが俺を不審な目で見ている。これはまさか――


「アンリさん。さっき、俺達以外の声が聞こえなかった? 『ファイアリザードが起き上がり、仲間になりたそうにこちらを見ている』とかさ」

「いえ、特には。ユウスケさんには聞こえたんですか?」

「あ、ああ……」

「帰ったら、お料理を作ってご馳走してあげますね」


 生暖かい目をしながら優しく微笑まれた。やめてくれ! 俺は頭がおかしくなった訳では――


 ファイアリザードに名前をつけますか? ⇒「  」

 

 ん? また声が。――ああ、名前か。まぁ、適当に。

 

 ⇒「ヒトカゲ」


 すると、視界右端のステータス欄に、俺とアンリさんだけでなく、<ヒトカゲ>のステータスも表示されるようになった。レベルは……5か。高いな。


「しかし、地下1Fではまったくモンスターが仲間にならなかったけど、何が違ったんだろうな」

「う~ん……」


 アンリさんが考え込んでいるが、ふと思いついたようで、


「ユウスケさんがとどめを刺す(さす)とかじゃないですか?」


 言われてみれば確かに。さっきまでは、アンリさんが魔法で悪即斬ならぬ、「モンスター、即、殺」してたからな。俺はとどめを刺していなかった。


「確かにそうかもしれないな。じゃあ、仲間にしたいモンスターがいたら、なるべく俺がとどめを刺すようにしよう」



――そうして俺達は、新たな仲間、<ヒトカゲ>をパーティに加えて先に進むのだった。



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