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第4話 不審者
「さてさて~お次は~♪」
「つらくないのにして」
「人生はつらいのよ」
うん、よく知ってる。
「まぁ、前回頑張ったしね! 今回はボーナス回!」
またつかまれて扉に放り込まれた。
◆
目の前で幼女が泣いている。
お、これは定番のアレか。
「お嬢ちゃん、迷子?」
幼女がうなずく。
「ママとパパがどこにいるかわかる?」
首を振る。
交番探すかぁ……
幼女を連れて歩き出す。
「ちょっといいかな?」
お巡りさんに肩を叩かれる。ちょうどよかった!
「この子迷子――」
「近くの住人から不審者の通報があってね。署まで一緒に来てくれるかな?」
「え、いや、迷子を交番に連れて行こうとしてただけで……」
「言い訳は署で聞くから。じゃ、行こうか」
――視界が暗転する。
◆
「つらくないのがいいって言ったじゃん!」
もうやだ!早く異世界に行きたい!
「あはは……ごめんねぇ。世知辛いねぇ……」
同情されてるみたいだ。
「まぁまぁ! ポイントあげるから元気出しな!」
優しさが1上がった。
【現在のステータス】
優しさ1、勇気2、面白さ0