第314話 ファティリタス復興編 【第4クール】 お見送り
【翌日朝】
――森林跡地――
「バイラルさん。皆さん。助けに来てくれて本当にありがとう! この恩は一生忘れないよ。――って言っても、俺達がこの世界にいられるのはあと少しなんだけどね」
翌朝。元の場所に帰る皆を見送りに来た俺とアンリさん。皆、自らの危険をかえりみず俺達を助けに来てくれた。それが、本当に嬉しかった。
で、今はバイラル達のお見送りだ。
「いいよ。君とはもう友だと思っている。友を助けに来るのは当然さ」
バイラル。相変わらずの完璧イケメンだった。憎らしさを通り越して親しみがわくね……自分でも何を言ってるかわからないけど。
ふと、バイラルが俺に耳打ちする。
「ベリアルのこと、宜しく。――彼女、“初めて”だろうから、君が支えてあげてくれ」
「? 何のことですか?」
「? いや、それは当然――」
「何話してるの?」
バイラルと内緒話をしていると、噂のベリアルが。ニコニコと笑顔だが……なんか、怖い?
バイラルも同じことを感じたのか、「い、いや……」と若干ひきぎみに俺から距離を取った。
「バイラルのおかげで助かったよ。さすが頼りになるね!」
「また同じことがあったら、いつでも頼ってくれ。では、これで帰らせてもらおうかな。――ベリアル。君が何故“彼に黙っている”のかはわからないし、余計なおせっかいをするつもりはないが……“彼なら喜んでくれる”と思うよ?」
「まぁ、訳ありなんだよ。――じゃ、皆元気でね~!♪」
バイラルが転移魔法を発動し、魔城へと帰る。去り際のバイラルとベリアルの会話はよくわからないが、その内容から悪いことではなさそうに思う。
「………………」
「どうしたの? アンリさん」
「いえ……」
ふと、アンリさんが何やら考え込んでいることに気付き声をかけるが、またはぐらかされてしまった。
――俺って、信用ないんだろうか。
まぁ、気にしても仕方無いしな。
そうして俺とアンリさんは、他の皆も順々に見送っていくのだった。




