第291話 ファティリタス復興編 【第4クール】 どうするか?
――森林跡地・家前――
「でも、どうするの?」
「まず向こうと話をする。あちらから来るなら手間が省けるってもんだ」
ベリアルの問いに俺は即答する。いつかはやらなきゃいけないと思っていたことだったしな。もう時間もあまり無いからちょうどよかったと思うことにする。
「向こうが聞く耳を持たなかったら?」
「最悪はここを捨てることになるだろう。ウォーリーさんやバイラルさんに一時かくまってもらうか……」
それしか無いように思う。
「そんなの嫌よ。ここ、気に入っちゃったし」
ピアから不満が出る。他のみんなからも『そうだそうだ!』とヤジが飛ぶ。その気持ちはとても嬉しい。だが――
「命さえあればいくらでもやり直せる。ここだって、俺達が来て復興を始める前は更地だったんだぞ? それが、みんなで協力してここまでになった。捨てるのは惜しいが、いくらでもやり直せるさ」
俺は皆を見回しながら言う。皆にも伝わったのか、強くうなずき返してくれる者も何人かいた。
「でも、そんな簡単には捨てないですよね?」
「もちろんだ。俺は諦めがよくない。それなら負けない自信がある」
「何よそれ」
アンリさんの問いに俺は力強くうなずき返す。フランや皆が笑っていた。少しは緊張が解けたみたいだ。
「皆は今まで通り生活してくれ。向こうとの話は俺達がする。一部の人には協力をお願いするかもしれないが、悪いけど頼むな」
俺がそう言うとこの場はお開きとなった。皆、不安そうではあるが、笑顔が少し戻ってきた。
「さて、やりますか……!」
俺は役人や軍隊、教会の来訪に備え、準備を始めるのだった。




