第289話 ファティリタス復興編 【第4クール】 教えてよ
【翌日】
――ウォーリー宅――
朝起きて皆で朝食を取っている時。
「ユウスケさん。ずいぶんスッキリした顔をされてますね?」
「うん。なんだか、スゴく気持ちいい夢を見てさ。ここ最近はこんなことが多かったんだけど、今回は特にね」
気分爽快で朝食を取っているところ、ウォーリーさんも気付いたようで声をかけてくる。俺は思ったままのことを返したのだが――
「けしからん! まったく! うらやまけしからん!!」
なぜかビリーがキレていた。昨日から――というか、いつもおかしいけど、今は特に。
「なんなんだよ一体?」
意味がわからずキレられたくないので、一応理由を聞いてみるが――
ぷいっ!
そっぽを向きやがった! まったく可愛くないが! 大事なことだからもう一度言う。まったく可愛くないが!
◆
「ユ、ユウスケさん。そんな気にしなくてもいいんじゃないですか?」
「そうよ。気分がいいのはいいことだわ!」
昨日とはうってかわって上機嫌なアンリさんとルルカにそう諭される。――なんかおかしい。
「何か知ってるの?」
「いえ、特には……」
「別に……」
二人とも目をそらす。とても気まずそうだ!
おかしいのは二人だけじゃなかった。
「ベリアル、フレイ。お前達は何か知ってるか?」
「――ふぇ!? ぼ、僕も知らないなぁ~」
「し、知らないわよ?」
名指しされキョドるベリアルと顔が真っ赤なフレイ。――怪しい。俺は四人をあらためて見回す。
――が、誰一人として目線を合わせなかった。
そうして、微妙な雰囲気の中朝食は続くのだった。
◆
「じゃあ、お元気で」
「ユウスケさん達も。また遊びに来てください」
朝食後、準備を整えた俺達は皆に挨拶を済ませ、森林跡地に向け出立する。移動はやはり、ベリアルの召喚した四足獣アンデッドにまたがってだ。やはり、これが一番早い。
「なぁ。怒らないから教えてよ」
「ダ、ダメです!」
「気が向いたらね~♪」
話を蒸し返してアンリさんとベリアルに聞くが、やはり教えてくれなかった。除け者にされてるようで寂しいが、これ以上聞いても同じだろうしな。
ただまぁ、みんなの様子を見ている限り悪いことではなさそうだ。
ならいっかと気持ちを切り替え、周りの景色を楽しみながら俺は皆と共に森林跡地を目指すのだった。




