第269話 ファティリタス復興編 【第4クール】 魔族の様子は
――森林跡地――
「ちょっとアルル達の様子を見に行こうか」
「そうですね。怖がってないか心配ですしね」
急に人間が増えて怖くないだろうか。俺とアンリさんは様子を見に行ってみることにした。
◆
――果樹園――
「別に平気」
「あたし達にちょっかい出さなきゃ構わないわ!」
アルルとピアに聞いてみたところ。特段普段と変わらなかった。けど――
「妹達は怖がってる……みたい」
アルルの妹達は怖がって家の中にこもってしまってるみたいだ。時間が解決するかなぁ……?
「あたしの子分達は元気なもんだけどね。今もせかせか働いてるのよさ」
ピアがそう言うと、「誰が子分だ」とピクシーの一人が間に入ってきた。
「“親分”が頼りないからね~。たくましくなるしかなかったのよ」
「それは、まぁ……大変だったな」
「あたしの評価低すぎっ!?」
ピアがショックを受けてるがみんなスルーだった。
◆
「特に変わったことはないか?」
「肉が食えればそれでいい」
鳥小屋にいるウルガとウルッゾはわかりやすかった。ひたすらコッコ鳥の世話をしている。人間が増えても我関せずだった。
「お、おぅ」
と、若干気圧され気味でその場を後にした。
「そっちも特に大丈夫?」
「なんかめずらしげにジロジロ見られてるけど、すぐに飽きるでしょ」
なるほど。まぁ、最初のうちだけだろう。
「増えるのはいいけど、ちゃんと守りなさいよ?」
「ん? ああ、もちろんだよ。――なんだ、可愛いとこあるじゃないか」
俺がそうこぼすと、ウンディーネがあわあわ照れながら否定してきた。
「わ、私じゃないわよ! “あの子達”のことよ!!」
ウンディーネの見る先は、――あぁ。アルル達か。どちらにせよ、言われずともだな。
「もちろんだよ。怖がってる子もいるみたいだからよく見ておかないとな」
ベリアルが他の魔族を連れてきたらまた環境は変わるだろう。今はとにかく、見守るしかないな。
そうして、次の日――
「遅くなってごめ~ん! とにかく連れてきたよ~!」
ベリアルが魔族達を連れてきた。
そうして、今度は魔族と面談するのだった。




