第267話 ファティリタス復興編 【第4クール】 家づくり
【翌朝】
――森林跡地――
「では、家をたくさん建てますか」
「ですね。場所はどこにします?」
「う~ん。やっぱり、まずは様子見で、人間と魔族は少し離しておこうか。その方が落ち着くだろうし」
俺とアンリさんは、ここに呼び込む人間と魔族のための家づくりをすることに。
それぞれ何人来るかわからないが、大きめにたくさん作ればよかろう。
さっそく取り掛かった。
◆
「トレントはやっぱこの辺りかな」
「果樹園近辺ですね」
やっぱ緑重視した方がいいのかなと思いそうしてみる。そういえば――
「トレントって木じゃね?」
「確かにそうですね。――家って要るんですか?」
わからねぇ! ――要らないのかな?
「ま、まぁ、とりあえず、天井から日光が射し込むようにしてみるか」
今はガラスばりだってできるのだ。我々は常に成長している。天井をガラスばりとか、一度やってみたかったりする。
「オーガって、どうなんだろうな?」
「狼男さん達に近いような?」
わからん。生態がわからん!
――ので、勝手なイメージで進めさせてもらおう。
「じゃ、オーガさんは増設した鳥小屋近くで」
なんとなく、肉が好きそうだという勝手なイメージだが。
「狼男さん達と喧嘩になりませんかね?」
「わからん。鬼と狼って、仲どうなんだ?」
よくわからん。とりあえず、ものは試しだ。鳥小屋と生け簀も近くにつくっておいた。鳥と魚を育ててもらおう。
「セイレーンは?」
「人魚に近そうなイメージが」
確かに。であれば――
「ここに?」
「うん。隣、いい?」
ウンディーネの隣に水場を作成しようかと。家も一応。
「まぁ、いいわよ。――あ、でも、変なのだったら追い出すからね」
「その時はその時で……。要相談だな」
ウンディーネさん。見た目に似合わず、過激発言多し。ベリアルの言う“温厚”とはなんだったのか。
――まぁ、根が優しいのはわかってるけどさ。
という訳で、セイレーンの住まいも作成を終えた。
◆
「人間の家はどうする?」
「キャシーさんやケニーさんの近くでいいんじゃないですか?」
まぁ、それが妥当だろうな。
俺とアンリさんはせっせと人間の家も建てていった。これはオーソドックスな造りで、たくさんだ。
◆
「よし。こんなもんだろ」
「なんか、発展しましたねぇ」
アンリさんが感心する通り、当初からは考えられない発展ぶりだった。
「じゃあ、後は待ちだな」
そうして、俺達は準備を済ませ来訪者を待つのだった。




