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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第3クール】
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第267話 ファティリタス復興編 【第4クール】 家づくり

【翌朝】

――森林跡地――



「では、家をたくさん建てますか」

「ですね。場所はどこにします?」

「う~ん。やっぱり、まずは様子見で、人間と魔族は少し離しておこうか。その方が落ち着くだろうし」


 俺とアンリさんは、ここに呼び込む人間と魔族のための家づくりをすることに。


 それぞれ何人来るかわからないが、大きめにたくさん作ればよかろう。


 さっそく取り掛かった。



「トレントはやっぱこの辺りかな」

「果樹園近辺ですね」


 やっぱ緑重視した方がいいのかなと思いそうしてみる。そういえば――


「トレントって木じゃね?」

「確かにそうですね。――家って要るんですか?」


 わからねぇ! ――要らないのかな?


「ま、まぁ、とりあえず、天井から日光が射し込むようにしてみるか」


 今はガラスばりだってできるのだ。我々は常に成長している。天井をガラスばりとか、一度やってみたかったりする。



「オーガって、どうなんだろうな?」

「狼男さん達に近いような?」


 わからん。生態がわからん!


――ので、勝手なイメージで進めさせてもらおう。


「じゃ、オーガさんは増設した鳥小屋近くで」


 なんとなく、肉が好きそうだという勝手なイメージだが。


「狼男さん達と喧嘩になりませんかね?」

「わからん。鬼と狼って、仲どうなんだ?」


 よくわからん。とりあえず、ものは試しだ。鳥小屋と生け簀も近くにつくっておいた。鳥と魚を育ててもらおう。



「セイレーンは?」

「人魚に近そうなイメージが」


 確かに。であれば――



「ここに?」

「うん。隣、いい?」


 ウンディーネの隣に水場を作成しようかと。家も一応。


「まぁ、いいわよ。――あ、でも、変なのだったら追い出すからね」

「その時はその時で……。要相談だな」


 ウンディーネさん。見た目に似合わず、過激発言多し。ベリアルの言う“温厚”とはなんだったのか。


――まぁ、根が優しいのはわかってるけどさ。


 という訳で、セイレーンの住まいも作成を終えた。



「人間の家はどうする?」

「キャシーさんやケニーさんの近くでいいんじゃないですか?」


 まぁ、それが妥当だろうな。


 俺とアンリさんはせっせと人間の家も建てていった。これはオーソドックスな造りで、たくさんだ。



「よし。こんなもんだろ」

「なんか、発展しましたねぇ」


 アンリさんが感心する通り、当初からは考えられない発展ぶりだった。


「じゃあ、後は待ちだな」



 そうして、俺達は準備を済ませ来訪者を待つのだった。



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