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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第3クール】
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第260話 ファティリタス復興編 【第3クール】 第3クール最終日

【第3クール最終日】

――森林跡地――



「早いもんですな~。アンリさん」

「――クスッ。おじいさんみたいですよ?」


 あれから俺達はまったり過ごしていた。大きな騒ぎもない。


 起きたことと言ったら、アルルやピアの仲間――つまりはアルラウネとピクシー達が移住してきたことだろうか。



「アルルから、いいとこだって聞いて……」

「ようこそ。まぁ、ゆっくり暮らしてくれ」


 アルラウネ達はアルルよりも小さい子が多かった。俺と話してる時にも、アルルの後ろに隠れてしまう。


「こら。ちゃんと前に出て?」


 アルルがお姉ちゃんをしていた。ほほえましい。


 一方――



「あんた達! 遅いじゃない!!」

「いや、だって……、ピア全然連絡寄越さないし……」


「そうだっけ」とはてな顔のピア。あ~……これは忘れてたな?


「まぁまぁ。よく来たね。ゆっくり暮らしてくれ」

「お世話になります」


 礼儀正しい子達だった。ピアとは大違いだ。


「さっそく作物の世話をするわよ!! あたしについてきなさい!!」


 お姉ちゃんとは違うが、リーダーシップはあるようだった。



 で、今に至る。ウンディーネはツンデレだとバレてから子供達に大人気だった。


「こ、こら! 私はいいわよ!!」

「一緒に遊ぶ~♪」


 今も、仕事を終えた子供達とプールで遊んでいる。スゴくいい笑顔だった。



「やぁやぁ。たそがれてる?」

「うん。まぁ。残り後3ヶ月くらいだからな」

「あ~。言ってたね。期間限定だっけ?」


 寄ってきたベリアルと並んで子供達をながめる。


「うん。まぁ、最後まで見ててあげられないからさ」

「ここまでやれてたら後は大丈夫じゃない?」


 確かにそうかもな。だが、やはり不安はある。


「人間達の意識改革――って言ったら大袈裟かな? ――まぁ、横槍が入らないようにはしておきたいかな」

「まぁね。ここがバレたら、まずほっとかないだろうしね」


 そう。この世界の人間のほとんどは、魔族を追いやっているのだ。こんな光景、見過ごす訳がない。


「まぁ、それは残りの期間での課題だな。――あ、今夜、俺とアンリさん。定期集会で戻されるんだ」

「言ってたね。めんどくさいね。人間社会って」

「ほんとにな」


 俺とベリアルは笑い合う。


「――あ、そうだ。ならさ。他の地域の人らの方で魔族がどうか――聞ける訳ないか。忘れて」

「聞いてくるよ。――まぁ、俺達みたいに接してるのなんていないだろうけどな。こっちに引いてこれる魔族がいるかもだし、一応聞いてみる」


「ありがと」「どういたしまして」と笑い合う。そんな時――



「ずいぶんいい感じですね? お二人とも」

「ア、アンリ!? ちょっと怖いよ!?」

「なんでもないって!! 目! 目が怖い!!」


 目から光を消したアンリさんが背後から話し掛けてきて『ビクゥッ!!』とする俺とベリアル。



 そんなこんなで、第3クール最終日を終えたのだった。



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