第257話 ファティリタス復興編 【第3クール】 水場修復
――洞窟内・水場――
「ではでは。作戦会議~!」
「どうやって水路にはさまった障害物を破片化するかですね」
座り込んでアンリさんと話し合う。地面に文字を書いて案をまとめていく。
①削る
②爆破する
③溶かす
うん、どれも難しくないか?
「錬金術で爆発物を作れませんか?」
「威力を間違えたらこの一帯が消し飛びそうでな」
「ギョギョ!? それ、ダメ!!」
魚人族の族長からもダメ出しを食らってしまった。仕方あるまい。それは却下だ。
「じゃあ、何か障害物を溶かせるものですかね」
「って言っても、酸とかかな? 水に混じると危ないな」
「ギョ!? それもダメ!!」
わかってるよ。じゃあ、これも却下だ。
「やっぱ、地道に削るしかないかぁ……」
「ですね」
という訳で、最後に残った『①削る』でいくことに。
◆
「かってぇ。やっぱ無理じゃね?」
槍やら何やらでつついてみるが、中々削れない。入り口も狭いから細長いのしか入らないし。
「<クラフト>スキルで何か道具を作れないでしょうか?」
「お? 確かに。調べてみよう」
アンリさんの提案に従い、<クラフト>スキルで作れる物を調べてみる。すると――
<ピッケル>
<ドリル>
「おお。それっぽいのがあるじゃないか」
「ピッケルはさしこむのが難しそうですね。ドリルを作ってみましょうか」
物は試しと作成してみた。いらない金属素材からドリルを作る。
「あ、地味に掘れる」
「ねじりながらならなんとかですね」
効率は悪いが、なんとかなりそう。
「どうだ?」
「うん。時間はかかるが、いけるかも」
「ギョ!! それを回せばいいのか?」
貸してみろとでもいうように手を差し出されたので貸してみる。すると――
「おお! さすが! はえぇ!!」
「スゴい筋力ですね」
岩がガリガリ削れていく。さすが族長。そのガタイの良さは伊達じゃない。
そう時を待たずして――
◆
――プシャ~~~ッ!!
「「「ギョ~~~ッ!!♪」」」
障害物が取り除かれ、勢いよく水が吹き出した。周りで見ていた他の魚人族が歓喜の舞を踊っている。
「ギョ!! よくやった!!」
「いや、族長のおかげだよ」
ご機嫌の族長に肩を抱かれる。一気に扱いがよくなっていた。
水場に水が満ちる。念のため毒が無いか調べたが、特に問題無かった。
「これ、返す」
「おお! サンキュー!!」
<水湧きの水晶>を返してもらえた。予想以上にうまくいってしまった。まぁ、みんなが喜んでくれてよかったな。
◆
「また来い」
「ああ。いつかな」
族長達に見送られ洞窟を後にする。もう夕方だった。魚人族達に手をふりその場を後にする。
「一時はどうなることかと思いましたけど、うまくいってよかったですね♪」
「ああ。ウンディーネのお題も無事達成だ。じゃ、暗くなる前に戻ろうか」
そうして、俺とアンリさんは意気揚々とウンディーネとベリアルの待つ泉に向かうのだった。




