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異世界転生したくてもさせてもらえない件  作者: 転生希望のブラック会社員
<ファティリタス復興>編 【第3クール】
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第257話 ファティリタス復興編 【第3クール】 水場修復

――洞窟内・水場――



「ではでは。作戦会議~!」

「どうやって水路にはさまった障害物を破片化するかですね」


 座り込んでアンリさんと話し合う。地面に文字を書いて案をまとめていく。


①削る

②爆破する

③溶かす


 うん、どれも難しくないか?


「錬金術で爆発物を作れませんか?」

「威力を間違えたらこの一帯が消し飛びそうでな」

「ギョギョ!? それ、ダメ!!」


 魚人族の族長からもダメ出しを食らってしまった。仕方あるまい。それは却下だ。


「じゃあ、何か障害物を溶かせるものですかね」

「って言っても、酸とかかな? 水に混じると危ないな」

「ギョ!? それもダメ!!」


 わかってるよ。じゃあ、これも却下だ。


「やっぱ、地道に削るしかないかぁ……」

「ですね」


 という訳で、最後に残った『①削る』でいくことに。



「かってぇ。やっぱ無理じゃね?」


 槍やら何やらでつついてみるが、中々削れない。入り口も狭いから細長いのしか入らないし。


「<クラフト>スキルで何か道具を作れないでしょうか?」

「お? 確かに。調べてみよう」


 アンリさんの提案に従い、<クラフト>スキルで作れる物を調べてみる。すると――


<ピッケル>

<ドリル>


「おお。それっぽいのがあるじゃないか」

「ピッケルはさしこむのが難しそうですね。ドリルを作ってみましょうか」


 物は試しと作成してみた。いらない金属素材からドリルを作る。



「あ、地味に掘れる」

「ねじりながらならなんとかですね」


 効率は悪いが、なんとかなりそう。


「どうだ?」

「うん。時間はかかるが、いけるかも」

「ギョ!! それを回せばいいのか?」


 貸してみろとでもいうように手を差し出されたので貸してみる。すると――


「おお! さすが! はえぇ!!」

「スゴい筋力ですね」


 岩がガリガリ削れていく。さすが族長。そのガタイの良さは伊達じゃない。


 そう時を待たずして――



――プシャ~~~ッ!!


「「「ギョ~~~ッ!!♪」」」


 障害物が取り除かれ、勢いよく水が吹き出した。周りで見ていた他の魚人族が歓喜の舞を踊っている。


「ギョ!! よくやった!!」

「いや、族長のおかげだよ」


 ご機嫌の族長に肩を抱かれる。一気に扱いがよくなっていた。


 水場に水が満ちる。念のため毒が無いか調べたが、特に問題無かった。


「これ、返す」

「おお! サンキュー!!」


 <水湧きの水晶>を返してもらえた。予想以上にうまくいってしまった。まぁ、みんなが喜んでくれてよかったな。



「また来い」

「ああ。いつかな」


 族長達に見送られ洞窟を後にする。もう夕方だった。魚人族達に手をふりその場を後にする。


「一時はどうなることかと思いましたけど、うまくいってよかったですね♪」

「ああ。ウンディーネのお題も無事達成だ。じゃ、暗くなる前に戻ろうか」



 そうして、俺とアンリさんは意気揚々とウンディーネとベリアルの待つ泉に向かうのだった。



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